塩見岳 北俣尾根・前河内岳東尾根で周回

2016年11月05日(土) ~ 2016年11月06日(日)

• GPS: 21:52
• 距離: 28.1km
• 登り: 3,025m
• 下り: 3,029m

コースタイム

1日目

• 山行: 8:07
• 休憩: 2:51
• 合計: 10:58

距離 13.1km 登り 1,762m 下り 1,245m

6:38 鳥倉林道ゲート（駐車場）
7:13 7:21 鳥倉林道登山口
7:40 7:54 標高1950m
8:21 豊口山のコル
8:49 9:02 水場
9:22 塩川・鳥倉ルート合流点
9:48 10:02 三伏峠小屋
10:51 11:08 烏帽子岳
11:49 12:28 前小河内岳
14:02 14:10 小西俣（三等三角点）
15:02 15:21 西俣慣合集落跡
15:45 16:24 北俣出合
17:36 北俣尾根飯場跡

2日目

• 山行: 7:42
• 休憩: 2:30
• 合計: 10:12

距離 15.0km 登り 1,282m 下り 1,797m

7:46 北俣尾根飯場跡
8:55 9:02 標高2555m
9:49 10:43 2687m標高点
11:59 12:06 東池ノ沢ノ頭
12:48 13:36 塩見岳東峰
13:36 塩見岳
14:13 14:23 塩見小屋
15:33 15:37 本谷山
16:06 16:21 三伏山
16:27 16:29 三伏峠小屋
16:40 塩川・鳥倉ルート合流点
16:50 水場
17:04 豊口山のコル
17:27 17:30 鳥倉林道登山口
17:58 鳥倉林道ゲート（駐車場）

天候

快晴

アクセス

利用交通機関：

自家用車

コース状況／危険箇所等

●鳥倉林道〜三伏峠
木道箇所が凍っていると滑りやすい。
●三伏峠〜烏帽子岳〜前河内岳
烏帽子岳〜前河内岳の崩壊が進んでいる。谷側に寄り過ぎないよう。
●前河内岳東尾根
山頂から真新しい青の目印が三方向に（T字）書かれており、それに従って折れてハイマツの中を少し進んでいくと、最近ハイマツが伐採された跡と青の目印がその先へと導いていました。雪の上には登り方向へのトレースが・・。ここ3日以内に誰かが上がってきたということになります。
2253m三角点までは一部小規模な藪漕ぎがあったり、道が不明瞭だったりするものの、基本的には歩きやすいコースです。マークもところどころあったりなかったりという感じです。基本的に尾根を大きく外さなければよいでしょう。
三角点からは更に尾根を進んでいき、2150mで方向転換してからはマークありますが急坂。途中多少の藪漕ぎあり、最後は西俣慣合に崖などはなく下降できます。
●中俣右岸道
かつて訪れたときにはなかった赤リボンが西俣慣合〜北俣出合までの中俣右岸道を導いています。中俣右岸道は大きく巻いているわけではなく、基本的に中俣の近くについております。実際に訪れて右岸側を意識していれば見つけることができると思います。これを利用すれば西俣慣合から渡渉なしで北俣出合に至ることができます。
●北俣尾根
中俣を一度渡渉して北俣出合から尾根に取り付きます。はじめあり得ないくらいの急坂ですが、少し緩くなるまでは青リボンが導いてくれます。標高2175mが飯場跡でテント泊適地です。この飯場跡に落ちている地形図に現れていない沢の標高2185m付近で水を汲むことができます。この時期で2L/1分くらいのペースで湧いていました。これより上も下も完全な伏流水となっております。
飯場跡から標高2650m辺りまではブッシュを避けつつ割と自由に登っていきます。一部避けるのが難しい樹間の狭い箇所もありますが長くは続きません。標高2650m付近からハイマツが現れますが、今回は左巻をしつつ最後はハイマツを無理やり漕いで標高2687m点に上がりました。上から確認してみると、標高2687m点先の鞍部の真西辺りまでダケカンバ帯で避けていき、そこから鞍部まで直上すればハイマツ漕ぎなしで稜線に上がることができそうでした。
その先標高2700m付近にも背丈を越えるハイマツ漕ぎがあります。ある本によると稜線東側に巻くことでハイマツを避けることができるそうですが、事前情報を得ていかなかったため強行突破しました。そこから先塩見岳までは森林限界上で自由に登っていけます。
●塩見岳〜三伏峠
日陰の凍結箇所に注意です。
※アイゼン・ピッケルを持参していましたが、結局使用しませんでした。初日の午前中に塩見岳通過であったのならば使用したかもしれません。

写真

11/5 6:36

鳥倉林道ゲート前駐車場は予想に反して20台程とまっておりました。

11/5 6:54

紅葉の奥茶臼山

11/5 7:10

鳥倉登山口

11/5 7:28

素晴らしいカラマツ紅葉林

11/5 8:43

三伏峠へのんびりと上がっていく。

11/5 8:57

水場はちょろちょろですが出ていました。

11/5 9:16

鹿塩の紅葉が素晴らしい。背後には中央アルプス。

11/5 9:50

三伏峠小屋。心太が結構危ない。この直後に落下。

11/5 10:06

三伏沢源頭からの塩見岳。

11/5 10:30

根曲がりダケカンバ道。

11/5 10:38

塩見岳展望の山烏帽子岳へ。

11/5 10:43

最高の姫様。

11/5 10:50

烏帽子岳から塩見岳と南アルプス北部。

11/5 10:52

前河内岳・小河内岳の間から悪沢岳・荒川岳。

11/5 10:54

塩見岳と蝙蝠岳
東池ノ沢の大崩壊が光る。これから向かう北俣尾根をよく目に焼き付けておきます。

11/5 11:30

紅葉の小渋と背後には恵那山。

11/5 11:33

さて、本日の最高点「前河内岳」へ向かいます。

11/5 11:52

前河内岳山頂から東に向かってハイマツを進むとまさかの最近の伐採跡が。

11/5 11:52

前河内岳から悪沢岳・荒川岳
魚無沢と長大な北尾根が光ります。

11/5 12:00

悪沢岳と記念撮影

11/5 12:00

塩見岳と記念撮影

11/5 12:01

前河内岳山頂のT字マーク。ここ以外青ペンキマークはないので、明らかに前河内岳東尾根を登ってきた方がつけたものです。山頂につけてしまうのは流石にどうなのでしょうか。

11/5 12:26

前河内岳東尾根、登りのトレースがあります。確実に2日以内に人が入っていることになります。

11/5 12:31

青ペンキと伐採跡。

11/5 12:31

姫様を見ながらの下降。

11/5 12:40

前河内岳東尾根はハイマツ漕ぎ要素は全くありませんでした。

11/5 12:44

前河内岳東尾根、これは登山道としか。

11/5 12:56

根曲がりダケカンバ道。

11/5 13:02

前河内岳東尾根はどうみてもかつて道があったような気配を漂わせる。

11/5 13:57

気持ちよい樹林の道。

11/5 14:07

小西俣三角点。ここから更に少し尾根を進んだところから右に折れてから慣合までは急坂です。

11/5 14:52

はじめ相方がマークにしたがって、右の方に下っていってしまいましたが、流石に尾根から外れすぎているので修正して、以後は尾根筋を下りました。三角点から西俣慣合までは下りやすいところはありません。

11/5 15:04

西俣堤体

11/5 15:06

西俣慣合
この台地の上に出てから中俣の右岸を進んでいきます。

11/5 15:20

中俣右岸道
マークがつけられており、渡渉なしで北俣出合に至れます。

11/5 15:27

中俣右岸道
3年前通ったときはマークはなく、普通に渡渉を繰り返して通過しました。

11/5 15:35

中俣右岸道
中俣のすぐ脇を通ります。高巻などはしません。

11/5 15:49

北俣出合付近で中俣を渡渉します。何とか濡れずに渡れました。

11/5 16:20

北俣尾根の取付き。取付きから地面が安定するまでしばらくは青ビニール紐が導いてくれます。

11/5 16:31

はじめの標高差150mくらいは本当に強引な登りです。

11/5 17:15

北俣尾根ナイトハイク。テント泊適地を探します。

11/5 17:36

結局標高2175m飯場跡に貼りました。

11/5 18:14

山では初のパスタ。

11/6 7:08

飯場跡わきにはこのような池が。

11/6 7:24

最高のテント場です。酒瓶や一斗缶が転がっています。

11/6 7:25

飯場跡に降りているこの沢を上がっていくと・・、

11/6 7:34

標高2185m付近でこのように水が湧き出ていました。これより上部も下部も伏流水となっております。

11/6 7:41

水場にはマークをつけておきました。

11/6 8:01

北俣尾根で飯場跡以外に落ちていた唯一の人工物。風船のようですが・・？

11/6 8:28

北俣尾根は基本的にシラビソ林が続きます。

11/6 8:37

ダケカンバのあるところは進みやすい。

11/6 8:45

このように樹間の狭いところも多い。

11/6 8:55

2555m標高点をやや東に外したところ。尾根筋は藪藪です。

11/6 8:59

ここからはトウヒも登場。

11/6 9:05

木々の間から悪沢岳。

11/6 9:10

さて、シラビソの幼木とハイマツの海が始まりそうです。

11/6 9:14

やや西巻き気味に進みました。

11/6 9:33

ハイマツの海から塩見岳。

11/6 9:33

最後は強引に2687m標高点へ直上した。

11/6 9:37

しかし、北側を見やると、ダケカンバ林をひたすらトラバースしていって、鞍部の真西から直上するのがよかったのではないかと思わせられた。

11/6 9:37

あの岩の上に上がるぞ。

11/6 9:53

2687m標高点は楽園でした。360度の展望が得られる中、一息つけます。これより手前も奥もハイマツの海が待っています。

11/6 10:03

2687m標高点から悪沢岳と荒川岳。

11/6 10:29

塩見岳バックに記念撮影

11/6 10:38

いやはや素晴らしい。前日下った前河内岳東尾根がよく見えます。

11/6 11:09

その先のハイマツの海は西側から巻きましたが・・、

11/6 11:19

これは失敗だったかもしれません。パワーで強引に押し切りました。「南アルプス・深南部」によると、東側からハイマツの境界を巻いていけばやり過ごせるとか？

11/6 11:19

このハイマツの海はしんどいけど頑張るしかないですw

11/6 11:45

何とか稜線に来たぜ！もうハイマツ漕ぎはない！！あそこに見えるジャンダルム目指して上がっていきます。

11/6 11:46

北俣源頭はまさにゲレンデ状態です。

11/6 11:58

楽園の2687m標高点と悪沢岳・荒川岳。

11/6 12:00

東池ノ沢源頭と前河内岳・烏帽子岳
西俣慣合もよく見えますね。

11/6 12:02

北俣尾根森林限界上核心部。塩見岳とジャンダルムが光ります。ジャンダルムは西側に巻いていきます。勿論経由することも可能ですよ。

11/6 12:02

北俣尾根から蝙蝠岳

11/6 12:20

いざ、塩見岳東峰へ！！

11/6 12:24

北俣尾根ジャンダルムと重なる悪沢岳・荒川岳。

11/6 12:30

あと一歩です。

11/6 13:16

塩見岳山頂に上った瞬間に南アルプス北部のこの展望が飛び込んできます！

11/6 12:50

塩見岳西峰と北アルプスの展望

11/6 13:14

最高のお菓子と最高のジュースと。

11/6 13:24

北俣尾根踏破〜。

11/6 13:27

さて、東峰から西峰へ。

11/6 13:28

北俣尾根踏破〜。

11/6 13:31

ジャンダルムと悪沢岳・荒川岳。

11/6 13:46

塩見岳直下の岩場。雪も大分とけてしまったので、アイゼン・ピッケルは結局使用しませんでしたが、前日朝などは必要だったことでしょう。

11/6 13:48

天狗岩。

11/6 13:51

ドーンと塩見岳。

11/6 14:10

塩見岳と天狗岩。

11/6 14:31

森林限界以下には凍結している箇所も。慎重に歩きました。

11/6 15:16

本谷山直下から塩見岳。

11/6 15:30

本谷山から悪沢岳。

11/6 15:33

小黒山〜二児山〜分杭峠。

11/6 16:06

染まる塩見岳。

11/6 16:08

恵那山の威厳・・。

11/6 16:08

二つの登り返しを何とか突破して三伏山。もう後は下るだけです。

11/6 16:46

凍結箇所には気をつけて。

撮影機器：

DSC-RX100 SONY

感想

Evergreen

今年の南アルプスは色々と行きたいところもあったのですが、天候や急な用事などで中々機会が得られず11月に入ってしまいました（今年は2月の辻山、5月の深南部一般ルート、9月の間ノ岳・農鳥岳＋三国沢程度しか訪れておらず、かなり悶々としておりました。

この土日は冬山に入る前最後の絶好の機会となりそうだったので、1泊2日で塩見岳北俣尾根を計画し、結果予定通りに歩き通してくることができました。前河内岳東尾根は小西俣三角点下がやや面倒なものの、西俣慣合への最短ルート。休憩を除けば鳥倉登山口から6-8時間程度で西俣慣合にたどり着くことができると思います。伝付峠を比べたメリットはなんといっても下山で色々なルートを取ることができることです。伝付峠だと二軒小屋から往路をほぼ戻るしか手がありません。欠点はあげるとすればアクセスの悪さです。諏訪ICから2時間程度なのでそこまで悪いかという感じではありますが。

初日は西俣慣合泊かなと思っていましたが、計画より早く辿りつけたため、北俣尾根の飯場跡まで上がってしまいました。結果2日目は北俣尾根をのんびりと堪能してくることができたので、この判断は正解だったと思います。南アの3000m稜線はやはり素晴らしいものです。この2日間はとても充実していた・・。満足です・・。

コメント

tomhig

面白そうなルート
白峰南嶺歩けば南アルプス、とりあえずメジャーなルート一通り歩いたことになるので少しづつマイナーなルートも織り交ぜていこうかと考えてます。

盆に蝙蝠下りましたが北俣尾根いい雰囲気だなと思い登ってみたくなりました。
本格的に雪降る前の静かな南アルプス、静かでいいですね。

Evergreen

Re: 面白そうなルート
tomhigさん

北俣尾根は上部のハイマツ漕ぎ以外にも結構樹間の狭いところが多くあるので始めての南アマイナールートにオススメできるかは微妙な感じはあります。ハイマツ漕ぎがもし何とかなりそうならそういう意味では悪沢岳の西小石尾根の方がオススメですかね。南アのマイナールートがいいのは普通では見れない南アの景色が見れるから、そして本当の意味で静かだからですね。是非足を踏み入れてみてください。