美ヶ原三城牧場ルート
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- GPS
- --:--
- 距離
- 9.4km
- 登り
- 674m
- 下り
- 673m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2008年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
特になし |
感想
08年1月5日(日)
三城牧場入り口の三城荘付近に車を停めて王ヶ頭のダイレクトコースから登る。7:55発。大門沢に沿ってまっすぐ登る。風がなくじきに暑くなり、立ち止まってオーバーヤッケを脱ぐ(8:25)。沢音を聞きながらカラマツ林の急登を直上すると林道に突き当たり(8:35)、10分ほど林道を歩くと砂防ダムに出て、そこから左折して再び山道に入る(8:45)。
岩まじりの道をジグザグに歩いて15分で壁に無数のキツツキの穴がある,今は使われていない山小屋を通過。そこから道が左に曲がってシラビソ,コメツガの林の中をトラバース気味に進む。
大岩が多く歩きにくくなる辺りから再び急斜面をジグザグに登る道となると、南南東方向に南アルプスの甲斐駒,仙丈岳,南南西方向に雪を纏った御岳が競りあがって来て、さらに登ると乗鞍岳が現れる。きれいに晴れていて頂上からの素晴らしい展望が約束される予感。
9:25小休止。見上げると王ヶ頭の2本のアンテナが見える。南望すると目の前の鉢伏山の向こうに中央アルプスが見えてきた。
10分の休憩後出発。ジグザグの急登となり、次々と競りあがってくる山々を見ながら登るのは楽しくてたまらない。やがて王ヶ頭のアンテナ群が間近にせまり、逆に三城牧場の全体が俯瞰できるようになる。写真を撮りながらゆっくり登る。絶好の展望日和となった。
王ヶ頭から王ヶ鼻へ
途中で石切り場からの登山道を合わせ、ジグザグを小1時間かけて登る。白く輝くアンテナは実際より近くに見える。頂上直下付近から吹きさらしとなる。
10:26登頂。じっとしていられない寒さでオーバーヤッケと目出帽を着ける。王ヶ頭の山頂には王ヶ頭ホテルに宿泊している客がいて次々とやってくる。彼らは王ヶ頭ホテルの送迎バスで駒越林道を経由して上がって来るのだ。
写真を撮って王ヶ鼻へ向かおうとしていると若い女性客に『どこへ行かれるんですか?』と聞かれたので『王ヶ鼻へ』と応えると怪訝な顔をしていた。美ヶ原はメジャーでも王ヶ鼻はマイナーなのだろう。かく言う自分も名前を知っている程度に過ぎず、2008年にかこつけた登山でなければ振り向きもしなかったかもしれない。 10:35発,アンテナの側を通って駒越林道に下り、林道を歩いて王ヶ鼻へ向かう。林道にはいくつかのグループがスノーシューで歩いていたり写真を撮ったりしていたが、登山者は殆どいないようだ。
林道から分かれて王ヶ鼻へ向かい、王ヶ鼻のアンテナからさらに王ヶ鼻のピークを目指し11:00着。
山頂からの展望はまさに360度を欲しいままである。即ち,北西から北北西にかけて穂高,槍,常念,燕,蓮華,爺,鹿島,五竜,白馬三山の北アルプス。西から南にかけて乗鞍,御岳,中央アルプス,南南東に甲斐駒,北,仙丈岳を擁する南アルプス,南東に富士山と八ヶ岳,秩父山塊を隔てて東北東から北東にかけて浅間山,四阿山,志賀高原,北北東から北にかけて火打,妙高,焼山,雨飾山等々・・。
展望もさることながら、山頂にある石仏群にも目を奪われる。苔むした仏達の顔がいいのだ。
美ヶ原・雪原の台上を歩く
帰りは来た道をただ下るのではつまらないし、時間も充分にあるので美ヶ原を縦断して百曲りコースから三城牧場に下ろうということになって12:15に出発。雪上車に固められた道を歩いて塩くれ場に向かう。
はるか先に塩くれ場のトイレがあり、少し離れて美しの塔がぽつんと立っていてその向こうに山本小屋の屋根が見えている。そこまでの道の両脇に設けられた柵が延々と続いている他は何もなく、ただただ広いだけの雪原である。そのうんざりするほどの長さも、左手東方の浅間山,ほぼ南方正面の八ヶ岳,右手美ヶ原の南端の崖の頭越しに覗く2006mの茶臼山,そのさらに向こうの南アや中央アルプス・・と、信州から見えるほぼすべての銀嶺を独占して眺める快感の前には物足らないほどの距離でしかなく、途中ですれ違ったこの日ただ1人の登山者と言葉を交わしたりしながら贅を惜しむ思いのうちに塩くれ場に着く。
この日は2つの道具をテストするつもりだった。1つは十数年前に使ったまましまいこんでいたプラブーツで、もう1つはそのブーツへのアイゼンの装着である。プラブーツは1990年代のもので、その頃はプラブーツの突然破壊と言う問題が頻発し、壊れたブーツにアイゼンをシュリンゲでぐるぐる巻きにして氷雪の岩場から生還したなどと言う物騒な事故があったりして国会でも取り上げられたことがあった時代の、言わば前世紀の遺物みたいなものなので使用するのに不安があったのだ。
紫外線に弱いプラスチックであるので乾燥した冷暗所に保管してきたとは言え、いきなりアルプスで履く気にはなれず、一昨年5月の白馬岳では使えなかった。今回はもし壊れたら、その時点でインナーブーツだけで下るつもりで履いてみたが何の支障もなかった。
アイゼンの方は使うほどの場面がなくつぼ足でここまで来てしまったが、雪原で装着してテストしておくべきだったと後悔した。何のために持ってきただか・・。
12:50,塩くれ場の案内板から山本小屋方面への道を分けて下山路に入る。
下山
下山路に入った途端に風がなくなり午後の陽射しが照りつけてきて暑くなったので目出帽とオーバーヤッケを脱ぐ。
百曲りは名前に違わぬジグザクの連続で、小刻みな屈曲を繰り返しながらどんどんと下る。途中で離れてしまったので5分ほど休んでjun1さんを待っていると『この下りでアイゼンを着けた』と言いながら降りてきた。なるほどそれも有りか・・,しかし雪が緩んで滑りやすくなってきたので、ここは踵の滑りを利用しながら降りた方が速い。
あっという間に樹林帯まで下り、13:37,広木場着,休憩。13:45発。三城牧場まで2.6kmとの標識があるがそんなにあったかな・・と首かしげながら沢沿いに下ると15分で登山口に出る。そこから車を置いた所まで車道を歩いて14:20に車を置いた三城牧場に戻る。
実は道から振り仰ぐと王ヶ頭はすぐ間近に見えている。距離も高度さもほどほどなのだ。そんなわけで今回は自分の重い尻を蹴飛ばす意味だけでなく、今期の『境界線』の雪山入門前段階の雪のある山へのアプローチの下見を兼ねていたのでもあった。結論から言うと天気さえよければ最適のコースである。
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