武甲山改め琴平丘陵散歩
- GPS
- 09:00
- 距離
- 25.4km
- 登り
- 776m
- 下り
- 769m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年03月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
道の状況:宇根鉱山に入ったら駄目。岩井堂の辺りは歩きにくいかも。 登山ポスト:無し 飲食店:橋立堂に茶店複数あり。 |
写真
感想
【参考】秩父往還作戦・往路
http://www.cyclering.com/modules/rec/detail-6273.html
前日、自転車で秩父へやってきた私は、秩父を回ろうと思いつつも、特にどこを見て回ろうとはあまり考えていなかった。
最初は秩父鉄道に乗って秩父さくら湖や大滝方面に行こうかなと思って駅へ向かったが、その足で秩父神社に参拝した後、武甲山にでも登るかと思い立ち、羊山公園へ向かう。もうしばらくすれば色鮮やかな芝桜が大地を覆うであろう公園内を、堂々たる武甲山を背景に咲き香る梅の花を愛でながら横瀬に至るハイキングコースに入る。そう、今日は横瀬から武甲山に登り秩父へ抜ける単峰行だ。
ハイキングコースから里に出て、武甲山登山口に至る道まで最短経路で行こうと手元の地図を見ながら進んだのだが、途中で地図上では点線でないが、実際見てみると草ぼうぼうの怪しい道に入る。最初は本当にこの道なのかと恐る恐る歩いたが、道端に石碑などがあったために勢い込んでさらに進む。その内もう明らかに人跡未踏の境地に至ってしまったが、何故か引き返す気持ちにならず、GPSで現在位置を確認して「あと数十m進めば道に出られる」と尾根によじ登ってさらに進撃。何かの施設の裏手に出て、有刺鉄線に気をつけながら道に下りる。
結果として道に出られたから良かったのだが、これで安心してしまった。車で上るのも大変そうな、ジグザグの坂を歩いていくと、建物とゲートがあって「宇根鉱山」。あれれ〜?というまでもなく間違いに気づき、さっさと引き返す。思えば、武甲山登山口と横瀬の間の道は、こんな明るい開かれた道ではなかった。下の方にもゲートがあって、ハイカーは入ってくるなという趣旨のことが書いてある。
歩いたことがある道を間違えたのは、それがいつか来た道ではなかったからだが、これによって武甲山に行く時間も気力も失われてしまった。
気持ちを切り換えて、琴平丘陵を歩くことにした。一旦横瀬の駅前に出て、最初は羊山公園から横瀬へ抜けた道を戻るつもりだったが、途中で羊山公園を示す標識があったので、それに従い進路変更。そしたらこちらもまた草ぼうぼうで倒木が何本もあって道がなくなるパターン。どこかで道を外したのだと思うが、ここでも引き返す気にはならず、獣対策の罠が仕掛けられている中を強行突破。遂に琴平ハイキングコースに復帰。その後、里の道に降りたところで道を間違え、道をロストしまくりなのだが、私の場合、道を誤るときは心の片隅に「この道は違うだろう」という気持ちがある一方で、「とりあえず行ってみよう」という気持ちがあり、その気持ちが敢えて道を誤らせているように思える。
軌道修正してすぐに武甲山旧登山口に至る。何年か前に、地図か何かに登山口と書いてあったので来てみたが、もう登ることができないと知って引き返したところである。武甲山を主たる目標にしたのは今回で2回目だが、また駄目だった。
琴平ハイキングコースについては、その後の札所のインパクトが強過ぎて残念ながら印象にあまり残っていないのだが、標高もせいぜい400m弱で苦ではなかった。
壁のような岩を階段で昇っていくと小さな堂宇と人と同じ位の大きさの仏像がある。その岩の下にあるのが岩井堂である。何でこんな所に建てたんだというくらいに岩にぴったりくっつけるような形で造られている。その立地と建物の赤色が気に入った。
この辺りは岩がゴツゴツして若干歩きにくいのだが、気をつけながら下りていくと秩父盆地が眼前に広がる場所に出る。そこにましますのが護国観音である。
建立された頃は、この辺りはもっと貧しいド田舎だったと思われるが、そこにこのような立派な観音像を建てたからには、秩父からも多くの人が出征したのだろう。故郷を離れた大陸や南洋で散華した若人が御霊となって戻り来て観音と共に故郷を見守っていることを考えれば、これほど有難いことはない。
こういう所に来ると「平和への祈り」とか「不戦の誓い」とかいちいち言う人がいたり、建立碑に「悲惨な戦争を二度と起こさぬよう云々」とわざわざ書いてあったりするが、なんとなく、日本や自衛隊を誉め称える時に「私は右翼じゃないけど」とエクスキューズするのと同じ姑息さというか嫌らしさを感じる。どんな祈りも、その一言で外面を気にしたパフォーマンスに堕する。
閑話休題。観音の麓にあるのが大淵寺で、ここにも延命水という湧き水があった。早速喉を潤して、腹が減ったと先を行く。
最後に訪れたのが橋立堂である。こちらもまたばかでかい大岩のすぐ手前に小さな堂宇が建っている。この辺りの人は岩の近くが好きなのかしら。堂宇の前にすっくと立つ大木も岩、堂宇との対比で面白い。一通り眺めた後、傍の茶屋で昼食。広すぎて最初は落ち着かないが、体が慣れてくるとノンビリしたくなる。15時を過ぎていたので客は私だけだった。
けんちんうどんとお茶をいただいた後、まだ時間があったので、鍾乳洞も見て回ることにした。体を屈める必要があるほど狭い道を右へ行ったり左へ行ったり上へ上ったりと楽しかったが、空間そのものを楽しみすぎて肝心の鍾乳石をあまり見ていなかった。通路がもしかして堂宇の後ろの岩の上まで続いているのではという期待を込めた予想が外れたのは残念だが、また訪れたいものである。
夕暮れなずむ静かな街中を秩父駅まで戻り、自転車で宿へ向かう。この日泊まったのは横瀬にある武甲の湯別館。武甲温泉が節電により20時までだったので、ゆったり温泉につかるというわけにはいかなかったが、翌日の、雨の中の銀輪行に備えて英気を養うのであった。
〜おしまい〜
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