甲斐駒ヶ岳、アイゼン不調のため五合目で中止（竹宇駒ヶ岳神社から往復）

2017年02月18日(土) [日帰り]

• GPS: 16:15
• 距離: 14.6km
• 登り: 1,653m
• 下り: 1,742m

コースタイム

日帰り

• 山行: 15:01
• 休憩: 1:12
• 合計: 16:13

1:22 竹宇駒ヶ岳神社
3:47 3:55 笹の平分岐
6:27 6:30 刃渡り
7:36 7:50 刀利天狗
9:41 9:42 五合目小屋跡
9:49 10:28 屏風小屋跡
10:38 10:40 五合目小屋跡
12:49 12:50 刀利天狗
14:01 14:02 刃渡り
15:14 15:15 笹の平分岐
16:40 16:41 竹宇駒ヶ岳神社
16:52 16:53 尾白川渓谷駐車場
17:35 尾白の湯 べるが

1：20尾白渓谷駐車場→竹宇駒ヶ岳神社1：30→3：45笹ノ平分岐3：55→6：30刃渡り（ご来光）6：40→7：30刀利天狗（朝食）7：50→9：50五合目10：10→10：30五合目直上（アイゼン修理）10：50→五合目11：20→12：50刀利天狗（昼食）13：25→刃渡り14：00→15：15笹ノ平分岐15：25→16：40竹宇駒ヶ岳神社→尾白渓谷駐車場17：00→17：35尾白の湯…［16時間15分］

天候

晴れのち曇り

アクセス

利用交通機関：

電車 タクシー

（往路）
JR中央本線長坂駅→（セブンイレブン立ち寄り）→竹宇駒ヶ岳神社（北杜タクシー）￥4,400

（復路）
尾白の湯→JR中央本線長坂駅（北杜タクシー）￥3,320

写真

本日は終電＆タクシーで深夜1時に到着。

Blackを2缶、テルモスに注いでいきます。今日は軽装備、というほどではありませんが少々荷物を減らしました。テントはツェルト代わりの内張りだけとし、ストック、シュラフ、ゾウ足、ホカロン、毛糸の帽子はなし。他に着替え1組、手袋1組は減らしました。水も雪を解かせばいいやってことで、500mlペットボトル1本のみ。確かに軽くはなりましたが、ストックなしにしたのは後悔することになります。

車は管理人さんのほか2台。1台は後で追いかけてきたソロの方でした（以下、仮にAさんとします）。もう1台は？

登山届の机は雨でぬれていました。

いつも通り参拝してから出発します。

なんというか、肝試しに出かける心境？でも、じきに慣れます。

最初はぬれ落ち葉の道です。

が、ここを過ぎて間もなく

凍結の道。このあたりでAさんが追いついてきました。さすがに1時、2時などという超早出の人はあまりいないので、ここで人に会うのは珍しいことです。

以降、日陰斜面は凍結、日向斜面は落ち葉の道。Aさんはチェーンアイゼンを持ってこなかったので、前爪つきを着けたり外したり四苦八苦。軽量化で少々早足になった私に前屏風付近までお付き合いいただきました。

体調はかなりいい方。ただし、眠気を除けば。

笹ノ平分岐。神社から2時間15分だ。速い！

1600m付近。ここも昼間は解けてしまっているのですね。

八丁登り中盤。やっと冬山らしくなってきましたが、ここも表面は雨が降った感じ。この先、眠気に耐え切れず倒れこんでいたAさん、もう帰ると言い出したので、「もうすぐ明るくなるからまた気分が変わってきますよ。今降りても風呂開いてないし。」とたきつけ。このあと、元気を取り戻されたようです。本来、私などついては行けない快足の方。

八丁登り終盤。誰か泊まったのかな。ずいぶん立派な整地跡。眠気に耐え切れなくてテントを張るときは整地なんかしないワタクシ。

明るくなってきた。

ほ〜。やっぱり眠気は冷めてきます。もうすぐ刃渡り。

なんと、刃渡り到着時にご来光

しばし見とれます。

富士山と一緒に

そしてアップで。さあ、エネルギーもらって頑張りましょう。

静かに朝を迎える鳳凰三山

雪がついて丸みを帯びた刃渡り。危険個所がわかりにくくなっています。雪庇というほどではないですが、変なところを踏み抜くと真っ逆さまですのでご注意を。

今週降ったさらさらの新雪が積もっています。

さて、刀利天狗へのはしご。まず下部は問題なし。

中段。チェーンアイゼンで歩いて来ても、ここからは前爪つきにしましょう。しっかり蹴りこんで掘り起こして登ります。

上段。ヤバいです。凍結の方がむしろ技術的な対策は立てやすい？やわらかい雪が大量に積もったこういう場所はどうすればいいのでしょう。私は板の上を足の幅分だけいちいち除雪して進みました。

さらに上。ここは左右に取り付けばなんとかなる。やはり鎖にビレイするのが安心。

ふ〜、天狗様。ここでいろんなものをザックから胃に移動しながら思案。ここから先、おそらく雪が深い。行けるのか？

五合目への下降点まで、2時間でたどり着けなかったら帰ることにします。

前半は10cm程度の新雪の下を踏み固められた雪が支えている状態。その"路盤"をはみ出さなければなんとかスムーズに歩いて行けます。

だんだん雪が深くなります。比較的固い路盤の位置もわかりにくくなって、しばしばひざ上まで踏み抜きます。ストックはやっぱりあった方がよかったか…。雪が柔らかいところは3回踏み踏みしてから体重をかけて進みます。踏み抜いた体勢からの回復よりこの方がよほど楽。

前方でAさんもラッセルしているはずなのですが、雪が砂のように落ちてトレースをまた埋め戻していきます。

なんとか制限時間内には到達できそうだが…下るべきだろうか。体力の不安…下ったら、今日はもう小屋までいくしかない。

最後は腿までの雪をかき分け、

なんとか五合目に到着。

今日は無風。曇ってきてしまいましたが、穏やかな天気です。山頂付近はくっきり見えています。

一休みした後、完全武装していざ小屋へ。

五合目のはしごを登り切った先、崖をよじ登る恐怖のクサリ場で、あろうことかアイゼンのつま先がズレているのを発見。一度分解して組み立てなおしてみてもよく原因わからず。が、なんとなくかかとの金属板がゆがんで隙間が空いているような？それで前後をつなぐ板の穴からポッチが外れるのか。

こちらは正常な左足。靴のかかととアイゼンはぴったり密着しています。これが原因なら、とても自力では直せないな。道の状態から言って、この先をチェーンというのは危険すぎる。ちょうどこのとき、Aさんが小屋から引き返してきました。「いやあ、残念だけどアイゼンのせいにして下山します（笑）」

しばしAさんと話をした後、五合目に戻りました。

珍しく、悔しいという気持ちが…厳しい道ではあったものの、体調はすごくよかったのに！

とはいえ、今日は出発してすでに10時間が経過。本当に帰れるのか？下山の所要時間を足すと、16時間という未体験ゾーンになる。このあたりでもうひとり、ソロの方（Bさん）。「僕も五合目でご飯食べて帰ります。」

先ほど"踏み踏み"してきた自分の足跡をそろりそろりと歩き、わりと無難に刀利天狗に戻れました。ここまで来れば時間は読めるのでひとまず落ち着いて補給します。ここで戻ってきたBさんとしばしお話し、Bさん先行。以後、3人のソロの方が小屋を目指したようです。

刀利天狗をあとにし、はしごを下ります。登りはそれほど意識しなかったのですが、下るとやっぱり怖い。面倒がらずに確保して進みましょう。

刃渡りです。ここも見下ろすと怖い。コケて滑ったら、たまたまそこに木がない限りもう命はない、そんな場所。

でも、素晴らしい眺めは楽しまなきゃ。八ヶ岳から蓼科まで

金峰山はちょっとご機嫌ななめのようです

そして鳳凰三山

さて、危険地帯は過ぎました。出発して13時間、あとは気力で下山です。時間刻みを20分にして、次はあれ、次は…と自分の前にニンジンをぶら下げて歩きます。

しかし、思ったよりもしんどくない。

笹ノ平分岐。14時間経過。

こんなに調子が良かったとは。小屋についていたら、夕方までに八合目までトレースつけて、明日の未明から行けたなあ…と妄想。

到着。アクシデントはありましたが、けがもなく下山できたことを感謝しなきゃですね。

今日もソフトクリームは買えなかった。

さらに40分歩き、尾白の湯へ。16時間お疲れさま、とアイゼン不調の腹いせでビール2杯（笑）これで力尽きました。中央線の電車で、シートに横になって爆睡していたオヤジは私です。大変失礼いたしました〜

装備

個人装備

長袖シャツ 長袖インナー ハードシェル タイツ ズボン 靴下 手袋2 防寒着 雨具 ゲイター マフラー バラクラバ ゴーグル ヘルメット 着替え 靴 ザック アイゼン2 ピッケル カラビナ3 スリング3 ロープ20m 昼ご飯 行動食 非常食 飲料 水筒（保温性） ガスカートリッジ コンロ コッヘル 食器 調理器具 ライター 地図（地形図） コンパス 笛 計画書 ヘッドランプ2 予備電池 GPS 筆記用具 ファーストエイドキット 常備薬 保険証 携帯 時計 タオル ツェルト カメラ タブレットPC

コメント

tomhig

中盤は雪深かったようで…
お疲れさまでした。
体調すこぶるよかったようですが、ちょっとでも不安あったら引き返した方が堅いかもしれません。
私は脚を痛めそうなのでこの週末は山行スキップしました。
お会いした黒戸以来まともに歩いてないので山歩き再開するときは奥多摩から仕切り直しです。

hiyopa

Re: 中盤は雪深かったようで…
tomhig さん、こんばんは。

実は、前回の下りでも微妙におかしいなとは思っていたのですが、着け方が甘かったかな？ぐらいで忘れてしまっていました。今回、２回連続で同じ方が緩んだので、さすがにマズイと。
アイゼンなんて命を預けるものなわけで、点検を怠ってはいけませんね。ホント、大反省でした。

てっきりラッセルを楽しんでおられるのかと思ったら、意外でした。でも、無理せずお大事に。
私は、今回はたまたま好調でしたが、月１程度の山行ではそもそも修験のための体力など維持できないのかもと思ったり。。。といって、もっと増やせば体がぶっ壊れそうだし、難しいところですね。