龍ノ山 氷筍探訪
コースタイム
- 山行
- 3:00
- 休憩
- 0:30
- 合計
- 3:30
天候 | 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2017年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
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コース状況/ 危険箇所等 |
登山口近くに路上駐車スペース有り |
その他周辺情報 | いいでの湯 |
写真
装備
個人装備 |
アイゼン携行も使用せず
スノーシューは鞍部からP858の登下降時に使用
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感想
喜多方市山都町は、飯豊山遥拝登山口の一つである。その昔は、白装束に身を固め、遥拝登山が盛んであったらしい。飯豊山は、天候が安定せず全容を現すことは珍しい。街中から飯豊山方面を望むと、決まって見えるのは黒森山である。こんもりした山容は親しみを感じさせる。いつかは登ってみたいと思いながら、いまだに登ったことが無い。その黒森山の隣に龍ノ山はある。龍ノ山に氷筍が出来るというのを、2、3年前にヤマレコのレポートで読んだ。どっちにも行きたいのだが、氷筍というのは見たことが無い。それに期間限定である。どちらを優先するかと言えば、やっぱり龍ノ山だろう。ということで、黒森山をさて置いて、龍ノ山に出かける。
朝4時35分自宅発。高速道路をひた走りと言いたいところだが、倹約のため下道を走る。路面は、雪がうっすら積もっている個所や凍結している個所もあったが順調に走る。一ノ木を過ぎるとうっすら雪の積もった路面には足跡一つない。気分のいい走りである。登山口付近と思われる付近は、特に気を付けながら走ったのだが、藤巻の標識があるところまで進んでしまった。明らかな間違い。地図で確認するとやっぱり通り越していた。戻る途中、軽のジープとすれ違う。御同慶?の至りかも。
登山口と思われる辺りは、道が広くなっていて数台の駐車は可能である。車を降りると直ぐに先ほどすれ違った車がやって来た。
開口一番「氷筍?」と聞かれる。
昨日、雪崩で20人位一時取り残されたのだとか。
自分は、除雪の方をやっているとのこと。
実はさっき、道路に雪崩れたブロックが落ちていて、ほんのちょっとだがガリガリと車で乗り越えて行ったのだ。私の車の轍が付いているのを見て、駐車の位置とか、どんな者が登るのかとか確認に来たようだった。
「気温が上がると雪崩もあるし・・・・」と言う。
もとより「午前中には降りる」つもりなので、その旨告げると、特にあれこれの話は無かった。
道はすぐ前の斜面を指さして教えてくれた。良く見ると間違い無く踏み跡が有った。谷が深いので光が差さず、陰影が出来ないので気づかなかったのである。テープ類は無かった。「昨日、20人位登っているので道は分かるだろう」と言って戻って行った。
のっけから急登である。踏みあとは固く締まっていて歩きづらい。つま先を蹴り込んで登る。それでも抜かるよりはましだ。一登りすると沢状の地形となる。沢音がしてほんの一部分、水の流れている所が見えた。春が近いのだとちょっとばかりうれしい。ブナの木やサワグルミと思われる木が疎らに生える中を小一時間進むと鞍部に出る。大きな岩やその上に積もる雪が落ちたら大変だろうなあ、と思う。何しろ雪の季節に沢状地形の中を登るのだから。
鞍部には雪庇が発達していた。その雪庇の右側についている踏みあとから下る。雪庇は固く締まっているが、雪庇が崩れたらイチコロだなあ、とマジで思う。10分も歩くと洞窟となる。岩が穿かれて空間が出来ているのだ。その中に氷筍が林立する。天井から水の滴る音が聞こえる。氷筍の高さは大きい物で約50センチ。崩れた残骸も有り、すでに氷解が始まっているような雰囲気。何となくモヤモヤした感じ。クリスタルガラスのような色。根元が細く上部の方が太い微妙なバランス。いずれは崩れ落ち、水となり地に戻る。すでにその兆候は表れている。無機質な氷筍だが愛おしい不思議な感じ。少し下るともう一つの洞窟がある。
雪庇や雪塊の崩壊は無いと思うが、注意深く戻る。鞍部で一息入れて山名の書かれた標高点858へ登る。踏みあとは無く、スノーシューを履く。真正面は急斜面である。からめてから登ろうと思うが、そちらも同じようなもので、トラバースよりはマシと判断。しかし、これが間違い。わずかに積もる新雪の下は凍っていて足がかりを作るのに難儀する。ストックで崩したり、ストックを逆さまに突っ込んで支点として、足場を作る。手が冷たくなって、首や頬に当てて暖を取る。冬用の手袋もテムレスも持っていたのに普通の手袋で登ってしまったからだ。これも判断ミス、というよりはものぐさというかなんというべきか。
たった20m位登るのに30分も掛かってしまった。眺めは良かった。黒森山は直ぐ隣だが、形は半月状。見慣れた山容とは全然違っている。“ところ変われば品変わる”みたいな感じ。飯森山・鉢伏山・飯豊山・磐梯山・会津平野などが目に入る。磐梯山は、それと分かるだけで雲の中だった。尾根を下れば大岩や胎内くぐりが有るらしいが、尾根というよりは切れ落ちている感じで灌木を掴んで下る。胎内岩などはどこにあるか分からないので無理をしないで、降りることにする。結局、ピークに上がっただけで、山頂部を一回りして鞍部から20m位下った踏み跡に戻ったことになる。労多くして功なし。
後は忠実に踏み跡をたどり、登山口に戻る。予定通り、午前中に山間部を抜け、道々、次回以降に考えている山々を眺めたり、除雪の状況を確認しながら自宅に戻る。まあまあ、良い山行であった。
こんにちは
前日に雪崩で20人足止めですか!?
私ならその話を聞いただけで、止めてしまいますね(笑)
雪庇もですが、やはり雪山は注意の上に注意が必要、気をつけねば・・・
myoukohiuti さんはベテランですが、おひとりなのでお気をつけてくださいませ〜
氷の筍 とても面白ったです!!
「今日は氷筍一人旅 〜♪」 メロディが聞こえてきそうでした (^O^)
minkさん こんにちは
氷筍見学には、時期を選ぶことが一番大事です。当たり前ですけど。龍ノ山だと2月の中旬ですかね。今回は、ちょっと遅くなった感がありましたので融けちゃったかなあなんて思ったのですが、まあ、何とか間に合いました。
それよりも道中の道路法面からの雪崩が心配でした。気温も高い日が続きましたので。当日は日が射すと暖かかったのでなおさらです。アンダーシャツと夏シャツで登って、汗かかなかったんですから。予定通り午前中で降りられたので良かったです。
雪が締まっていれば、山そのものは危険な所はないですね。minkさんがいつも登っている仙台近郊の山と同じような感じです。氷筍の洞窟まで往復3時間くらいですから比較的楽です。ワカンやスノーシューを必要とするときは別ですが。
今日の朝クリスマスローズの緑の蕾が大きくなっていました。角田山の雪割草も来週には咲き出すでしょう。いよいよ春ですね(^^)/
氷柱は軒先で見ますが
下から育つ氷はまだ見たことがありません。
鍾乳洞の石筍と同じ生い立ちなんですか?
誰でも自然のクリスタルを見に行かれないから
なおさら綺麗ですね。
雪崩の季節気を付けてください!
hobbitさん こんばんは。
氷筍は私も初めて見ました。上よりも下の方が微妙に細いので、何となく弱々しい感じ。助けてやりたくなりました。可愛いです。
氷筍の出来方は、基本的に石筍と同じなようです。上から落ちた水滴が地面で凍り、上へ向かって伸びて行くようです。地面が零度以下で上から水滴が継続的に落ちてくることが条件のようです。どこにでも出来るという物ではないみたいですが、武尊川上流の裏見ノ滝に出来るとヤマレコで見たことが有ります。その他にも1件見たような気がするのですが思い出せません。出来る条件が厳しいんですね、きっと。
雪が消えるまでは、雪崩は起こるわけですから、十分に注意をはらっていきたいと思います。雪崩に襲われたんではおしまいですもんね。安全優先で楽しみます。ではまた。
妙高さん、こんばんは〜。
珍しいものがあるんですね。
綺麗でかわいらしくて、面白いです。
いいものを見せてもらいました。
お気をつけて歩いてくださいね。
飯豊山が大きくて美しいです。
harunonekoさん こんばんは。
私も初めて見たんですね。こんなのが有るとは知りませんでした。鍾乳洞にある石筍は何回も見ましたが、氷のものが有るとは知りませんでしたので。まあ、あってもおかしくはないのですが。
石筍は普通は下部が太くて安定しています。がっしりして壊れそうにありませんが、氷筍は今にも壊れそうな感じです。アンバランスな感じも微妙です。助けてやりたいような気分になりますね。
無機質な物質ですが、愛おしく感じてしまいます。不思議です。
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