高湯から登る一切経山(シモフリ新道経由)
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- GPS
- 10:17
- 距離
- 17.5km
- 登り
- 1,348m
- 下り
- 1,377m
コースタイム
天候 | 晴れ、曇り、雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
現在除雪車の待機スペースも兼ねています |
コース状況/ 危険箇所等 |
高湯ゲート〜不動沢橋分岐〜賽の河原 地面が露出しているところはほとんどありません。コースには慶応山荘の方によって緑や赤の布が付けられてわかりやすくなっています。磐梯吾妻スカイラインを横断するところが一ヶ所あり、車が通行しているので注意して横断します。 賽の河原〜不動沢渡渉点 コースに目印はありません。雪が深いのか藪らしい藪もほとんどありません。不動沢渡渉点へ下りるには急な斜面を降りていきます。細かい沢筋が多く走っているので、急斜面をトラバースは厳しいようです。雪のある時期は不動沢の出合付近に真っ直ぐ落ちていくように進むと良いかもしれません。 不動沢渡渉点〜ラクダ尾根 渡渉点から取り付く尾根はかなり急斜面です。左右に逃げるところも無さそうなので真っ直ぐ登るのが一番いいようです。藪気味です ラクダ尾根〜ラクダ山〜一切経山 尾根に出てしまうと歩きやすくなります。尾根筋は雪が無いところも多いので雪を探しながら歩きます。ラクダ山は急なガレ場です。人が通らないので浮石が多く一歩一歩足元を確かめながら歩きます。細尾根もあるので転落注意。地面が露出しているところは一見歩きやすそうですが、水を吸った地盤がかなり緩く置いた足が抵抗無く埋まります。上の5cm程度の厚さの層ですが大変滑りやすいです。 一切経山〜五色沼〜大根森 一切経山の下りは途中までガレ場を進みます。中ほどから残雪を歩きますが急なところも多く足元注意。五色沼の畔は急な斜面のトラバースで滑ると場合によっては沼に嵌る恐れがあります。この辺りは強風地帯なので風に煽られないように進みます。 大根森〜硯石〜慶応山荘分岐〜吾妻スキー場跡 テープのコース表示が多数あります。トレースも多いので歩きやすくなっています。ただコースが樹林帯を通るので見通しが悪く進む方向には注意します。スキー場跡方面はテープはありません。スキー場跡にはまだリフトがかかっていますが、麓に下りるまで人の気配はありません。半ば藪となっているところもありコースの案内板はないので、進む方向に気をつけます。 |
その他周辺情報 | 高湯温泉共同浴場「あったか湯」\250 備え付けの石鹸やシャンプー無、からんからは真水が出るので泡立ちます。 |
写真
感想
先日アップされていたレコを拝見し、触発されて以前から気になっていたシモフリ新道にチャレンジしてみることに。
この日は磐梯吾妻スカイラインの開通日で、早朝から並んでいる車や関係者が沢山居り、車を停める場所探しにしばらくウロウロします。どうやらイベントでマスコミも押し寄せるらしく、係りの人に聞いて端の方に停めさせて貰います。
駐車したところから登山口までは少し車道を歩きます。舗装路はさすがにスキー靴だと歩き辛い。ようやくたどり着いた まだ閉まっている高湯ゲートを越えて登山道へ。大分温度の高い日が続いていましたが雪はまだまだ沢山です。残雪の腐った雪ですがシールを効かせて登っていきます。ラッセルが無いので大分楽に上がって行けます。登山道は道沿いに慶応山荘のカラー布テープが下がっていてほとんど地図を見る必要がありません。
途中一箇所スカイラインを横断するところがありますが、スカイラインが開通したので車の通行に注意しなければなりません。
ここを過ぎると起伏の少ない林の中を進んでいきます。ハッキリした道型はありませんが案内用のカラー布に導かれながら賽の河原へ。「賽の河原」の看板が見えたところで左の方にコースを取ります。この先テープはもちろん案内板などもほぼありません。不動沢までは割となだらかで進みやすい斜面が続きます。不動沢の沢音が聞こえる辺りまで来ると、スキーで滑り降りるのに気持ちよさそうな斜面が現れます。ついつい一気に降りたくなる気持ちを抑え、周りを見ながら下りていきます。ある程度下りたところで沢の全容が見えてきます。不動沢の本流は水がかなりの勢いで流れていて渡渉不可能。しかし出合から上流は雪が詰まっているようです。そちらへ向かおうとトラバース始めますが細かい沢筋が邪魔をしてなかなか前に進めません。上の方から真っ直ぐ出合めがけて下りていくほうが下りやすいかもしれません。それでもそれほど苦労せず沢へ滑り立つことが出来ました。沢の中から見上げる対岸の斜面はスキーを履いたままでは無理なようです。
対岸は急な斜面で雪が薄く、地面が露出しているところもありスキーを脱いで進みます。スキーはザックにつけて登りたいところですが、途中に生えている藪が引っかかって大変なことになりそうなので、手首に紐でくくり付けてあがることにします。おかげで両手が利かず滑落の予感と戦いながら何とかよじ登ります。このときはスキーを履いてきて後悔しました。距離にすると50mくらいかもしれませんが、果てしなく遠く感じます。
ここを過ぎるとだんだん視界が開けて、まもなくラクダ尾根に出ます。尾根に上がると吾妻小富士やスカイライン、レストハウスなども見えてきます。晴れていればおそらく絶景が広がるのでしょう。さすがに風が強く吹くところ、雪は薄く稜線はすっかり地面が現れています。それでもラクダ山まではなんとか雪が残っているところを拾いながら進むことができました。
ラクダ山は完全な岩陵帯で 昔の踏み跡が残っていますが、浮石が多く気をつけて進まないと足元がそっくり滑り落ちます。両側が切れ落ちているところもありますので、ザックにつけた板が引っかからないように慎重に通過します。ここを過ぎると一切経まで一本尾根になります。
尾根上に雪はありませんが、雪解け水を含んだ地盤はかなり緩くプリンのようです。足を置くと何の抵抗も無く沈んでいきます。5cmほど下には固い層があってそれ以上沈むことはありませんが、表面に散らばる石ごと動くので大変滑りやすくなっています。
一切経山はいつもの通りの強風です。体が引っ張られて真っ直ぐ立っているのが大変です。写真を撮ったら用事は無いので急いで下山します。
一切経の山頂付近から五色沼にかけて途中まで雪はありません。中ほどから雪が出てきますが、五色沼周辺は結構斜面が急なので凍結すると危険です。この辺りへいく場合はピッケルアイゼンは持っていったほうが無難です。
五色沼周辺も強風のせいで雪が薄く地面が出ているところもありますが、縁のほうは結構残っています。雪がやわらかいのでスキーでトラバースします。縁を回りきったところで雪が無くなり再度スキーを脱ぎますが、ほんの数十メートル進むと再びスキーを履く事が出来ます。ここから先は下りだけなのでシールを外して滑りだすことができます。今回はテント泊が目的だったので慶応小屋にあまり近くない平らなところにあまり人目につかないようにテントを張ります。かなり気温が高かったため夕方から夜は雨がパラパラ降っていました。
翌日は降るだけです。距離もそれほど無いのでゆっくり準備します。幸い雨は夜のうちだけだったようで天気は悪くありません。夜が明けても生ぬるい空気で雪は相変わらずグズグズです。出発してしばらくは慶応小屋のトレースをたどりますが、賽の河原の手前からスキー場跡を目指します。ゲレンデに来ると木もまばらになり福島市内が一望できて大変気持ちの良い斜面が現れます。ここはスノーモービルも走りに来ているようで跡が沢山ありました。
ゲレンデには案内板は一切無いので降り口を見つけるのに少し時間がかかりました。三本あるうちの一番下のリフトの降り場から南に下がっていくのですが、一見すると沢の中へ入っていくように見えてしばらく辺りをグルグル見渡しました。ちなみにこの一番のコースが一番藪が濃くなっていました。
ゴールは温泉の建物の真ん中、薬師堂の小さな建物が目印です。目の前に共同浴場の「あったか湯」があります。車を回収し温泉につかると今回の山行の終了です。
tommy76さんのレコとトレース参考にさせて頂きました。ありがとうございます。
コメント
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chicken_manさん、はじめまして!
いつも驚異的な山行、拝見していました(^ ^) 私は渡渉点へ下りるところから、対面の斜面を見た時に、総合的にこれ以上は無理だと判断し引き返しました。
chicken_manさんですら手こずったと。私、引き返して本当によかったみたいです( ;∀;)笑
どんなだったか気になっていて。chicken_manさんのおかげで、スッキリしました。それと同時に、私もいつかまたチャレンジしたいと思いました★
五色沼の色も淡いブルーで綺麗でしたね!
貴重なレコをありがとうございます(^ ^)
コメントありがとうございます
tommy76さんのレコが無ければ、まだしばらくチャレンジしなかったと思います。
情報の少ない不動沢は想像も付かなかったので、この時期のものは大変参考になりました。
雪の状態など貴重な写真や情報、感謝いたします。
これからもレコ楽しみにしております。
chicken_manさん、初めまして
シモフリ新道への挑戦、お疲れ様でした。
このルート、無雪期は藪が煩いのですが、積雪期は不動沢越えが核心部になるんですね。
雪が締まっていない不動沢対岸の急斜面を”スキーを手首に紐でくくり付けて、滑落の予感と戦いながら何とかよじ登ります”って、想像するだけで恐ろしいです
ご苦労お察しいたします。
間もなく目覚めそうな瞳ちゃんに会えて良かったですね
Hide6さん、コメントありがとうございます。
たしかにここの登りは少しスリリングだったんですが、時間にすると30分もかからず通っているのでそれほど大変ではなかったように感じました。
それよりラクダ山のガレ場をスキー板を背負って風に煽られながらスキー靴で通過するほうが大変でした。疲れて足がフラフラで踏ん張り利かず転ばないように歩くのが精一杯で(笑
目が覚める寸前の魔女の瞳も青みがかって違う色っぽさがありました。下から見たときガスの中だったのがウソのようでした。
魔女の瞳の淡い薄水色が何とも言えませんね。
瞳が開き始めるのももう少しですかね
氷が薄くなって いい色になってますよね。
湖面は所々クラックが入ってたので もう間もなく目覚める頃かと思います。
その頃また見に来れたらと考えてます。
すんごいルート行きますなぁ〜〜〜
高湯温泉は好きで時々行くけど、界隈の山はあまり入ってませんわ。
高湯はかなりの人気で驚いてしまいます。
この辺りの山は、小さい頃に住んでたためか かなり親近感があって好きなんです。
今回のコースは夏に行ったらかなり厳しそうですが、雪のおかげで楽に行けました。
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