【相双作戦二日目2・南相馬市】国見山【戊10.6*】
![情報量の目安: S](https://yamareco.org/themes/bootstrap3/img/detail_level_S2.png)
![都道府県](/modules/yamainfo/images/icon_japan.png)
- GPS
- 02:10
- 距離
- 6.0km
- 登り
- 435m
- 下り
- 429m
コースタイム
- 山行
- 1:58
- 休憩
- 0:12
- 合計
- 2:10
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
落葉や折れ枝が大量に積もっている。これからの季節、藪が伸びてくると思うが、刈り払われるのだろうか。否、行政は復興で手一杯だ。有志で踏み跡をつけたり、枝打ちをして道を維持すればよい話だ。 |
写真
感想
徐々に避難指示解除区域が拡大しつつある南相馬市の国見山を歩く。
【契機・計画】
この1年の間に川内村および川俣町の全域、葛尾村および飯舘村ならびに富岡町の大部分、南相馬市の指定区域の大部分、浪江町の沿岸部と各地域の避難指示、居住制限が順次解除されたことを受け、今春は福島の桜を愛でつつ、復興の歩みを始めつつある相双地域の弥栄を天神地祇に祈り、合わせて各故郷の山を巡ることとした。
【山行概要】
冠嶺神社に参拝の後、高の倉ダムへ。除染土を詰めたトンバッグのすぐ傍に駐車するのは若干躊躇われたが、他に場所が無いので駐車する。
往路は沢沿い、復路は尾根沿いの道を歩いたが、昨年7月に規制が解除されて、さあ国見山を歩くぞと考える奇特な方もそんなにいなかったと見えて、落葉や折れ枝の堆積が目立つ。ただ、歩きにくくはない。一部を除き藪の状態も大したことはない。
山頂からは東の太平洋側を望むことができる。海が見える山は良い。風が通って快適だ。山頂に原町第三小学校PTA親子登山の記念柱があったが、人々が早期に長閑な日常を取り戻し、再度、気軽にハイキングに来られるようになるよう、ただただ祈る。
【コラムあるいはツイート】
スラックティビズム、ヘイトのはびこる今日だが、いずれにも共通するのは事象の表層に脊椎反射的な反応、短絡的な解釈をし、自分の側が正義だと思い込んでおり、冷静な議論をすることができないということだ。
先般、今村復興担当相が辞任した。「震災、東北で良かった」というニュースのヘッドラインを見た時は「馬鹿か!」と思ったのだが、実際に発言している場面を見てみると、政治家として言葉遣いへの注意が足りないものの悪意や冗談で言っているのではないとわかる。単に「首都圏で起きていたらもっと甚大な被害が出ていた」と言っただけだ。マスコミが大はしゃぎするのは大臣を辞任に追い込んだら殊勲となるからなので仕方がないが、我々まで彼らの無邪気な嗜好に付き合う必要はない。
また、以前に、今村前大臣が「自主避難は自己責任」と発言したことも問題とされたた。その発言自体が問題だというのだが、これは議論の封殺ではないか。福島産の小麦でラーメンを作ったTOKIOや福島駅伝主催者を「人殺し」と呼んだり、南相馬市に暮らす作家の柳美里氏に罵詈雑言を浴びせたりするのと何ら変わらない。
そこには何の論理性も無く、また、問題の解決に役立たないばかりでなく、かえって混乱、迷走させる害悪でしかない。責任追及ばかりが話題に上って、“自主避難”者の現状と展望について十分に掘り下げたメディアはほとんど無かったように思う。単に「可哀想な避難者」対「冷徹な政府」という構図で世論を煽っただけだ。
ただ、今村氏の「自主避難は自己責任」という発言の背景には「馬鹿につける薬はない」と"自主避難"者を突き放した感が少なからずあったのではないかと私は想像する。自衛官が「自衛隊に反対する人も守るのが自衛隊」と言ったという都市伝説があるが、“自主避難”が無意味だとしても、政府として”自主避難”者も尊重し、問題を解決に導くための不断の努力が必要だ。"自主避難"者は一体何から避難しているのか、現在どういう状況にあるのか、今後どうしたいと考えているのか等々、考え、対処すべきことは数多ある。
今年の追悼式典において秋篠宮殿下が言及されたように「困難な状況にある人々誰もが取り残されることなく、平穏な暮らしを取り戻すことができる日が来ること」が最重要だ。この後も「問題」「課題」がいろいろと出てくるだろうが、マスコミによる報道が物事の本質をついているのか、有意義で建設的な議論がなされているか、過激な言説やデマを弄して国民や被災者を分断させるような動きが混ざりこんでいないか、冷静に見極めていく必要があろう。
(参考)
林智裕『あなたの思う福島はどんな福島ですか?』SYNODOS 2016.09.16
【まとめあるいはおわび】
今回、山行と関係無い事を長々と書き連ね、レコ汚しのようになってしまったことについては真に申し訳ない限りだが、福島をはじめとする被災地を取り巻く状況について、いろいろと思うところあり、山行記録を記す中でその情いよいよ已みがたく、遂に迸らしめてしまった。ご容赦願いたい。
言いたいことは概ね言い尽くしたので、福島の一連の山行に係る記録を終えたところで、また平常に戻る。
【バックナンバー】
1.楢葉町・木戸川渓谷
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1113624.html
2.富岡町・麓山
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1114733.html
3.川内村・五社山
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1114826.html
4.葛尾村・五十人山
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1114879.html
5.飯舘村・虎捕山
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1115513.html
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する