剱岳・早月尾根滑降2900mから
- GPS
- --:--
- 距離
- 14.1km
- 登り
- 2,277m
- 下り
- 2,267m
コースタイム
天候 | 晴れ後ガス |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年05月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
早月尾根1000m過ぎ松尾平は雪で登山道不明迷いやすい。 雪は1500mからほぼつながりだす。 早月小屋から上部の登山道は所々雪切れあるが池ノ谷側はビッシリ |
その他周辺情報 | 馬場島荘にてお風呂や食事、宿泊も可能 |
写真
感想
シーズン終盤だが、この山のピークを踏まずして終われない。今日は単独で剣岳を目指した。今日の課題は早月尾根のスキー可能最高点からできるだけ下まで滑ること。深夜11時に自宅を出てコンビニで買い出しして馬場島へ向かう、深夜1時過ぎに着くが車はほとんどない。15日で剱岳条例届出期間は終わりようやく天候を見ての速攻登山が可能になった。
深夜1時半板を担いでズックで歩き出す。暖かい朝だ。重荷が肩にずっしり来る。汗が滴る。気合いでガシガシ登って行く。1000mを過ぎた松尾平で雪がたくさん出て来て登山道が不明瞭になる。方向を見失うがGPS でかろうじてワンでリングは避けられた。1400m位からボチボチ雪が出て来た。まだ行ける。1500mから雪が繋がった。もう少し頑張って1600mでズックをデポしてスキー靴に履き替えスキーで歩くことにした。ようやく重荷から少し解放された。振り返ると富山平野の夜景が綺麗だ。帰りは1600mから東面を白萩川に滑れるか?
雪は硬いのでクトーで歩く。1800mくらいでようやく白んで来た。今日もマンダムな朝だ。大日岳、猫又山が赤く染まり出して来た。富山平野にも朝が来た。4時間かけてようやく早月小屋に着いた。小屋は8割方埋まっていた。今年は雪が多い。誰かいるかと思ったがテントも皆無。小屋も人気はない。ここに帰りの食料をデポしてまた荷は軽くなった。
ここからも板で行く。そろそろ日が差して来て暑くなって来た。登山道は所々雪は切れているが池ノ谷側はびっしり雪はついている。2600mまで問題なくスキーで登り、ここからはアイゼンとスキーを雪質を見て交換した。ツボ足はゴボルのでスキーが楽な場面も多かった。さあドンドン高度を上げる。今日は貸切かと思ったら一人単独の後続が見えた。抜かれるわけにはいかない。
2800mを過ぎてまだ帰りのスキーは行けそうだ。もう少し持ち上げる。獅子頭を巻く鎖は完全に埋まっていて獅子頭をそのまま超えた。2900mまでスキーを持ち上げここから鎖場の壁斜面となる。岩も出ているのでこの上は滑れないと判断してここで板をデポした。帰りはここから滑る。
最後の壁はカチカチでアイゼンをガシガシ効かせてダブルアックスで登り切ると別山尾根の合流点に飛び出した。さあ山頂の祠が見えた。今日の一番乗りだ。山頂で記念写真を撮って少し休んだら降りよう。別山尾根からワンパーティ、早月尾根から後続の単独行が登って来た。
嫌らしい壁を慎重に降りてスキーデポに着いた。ここからの滑りは気を抜けない、転ければ池ノ谷に真っ逆さまとなる。問題は雪質だ。しばらくは硬い斜面が続くだろう。気合いを入れて慎重に行く。幸い氷はなさそうだ。早月尾根東面は日当たりによって雪質が全く異なるのでしっかり見極めながら滑走する。苦労してスキーを持ち上げた甲斐があってとても快適に降りて行ける。ツボ足ならゴボってかなり難儀するだろう。
2500m付近は少し降り過ぎてハイマツ帯に遮られて難儀して時間を食ったががここ以外は快適に滑り1時間で早月小屋に着いた。ここでデポしたコーラや食料を食べ一息ついた。ここから下はガスで視界は効かない、嫌らしいガスだがGPSを見ながら慎重に降りて行く。雪は緩み快適な下りが続く。1600mでズックを回収。視界が効けば白萩川へ滑り込むが全くガスで雪のつながりが見えないので諦めて早月尾根を忠実に下ることにした。
1600mで板を担いで登山道をズックで下山。無事馬場島へ降りて記念写真を撮った。今日も辛くも楽しい1日であった。もういつシーズンを終えても良い気分だ。
今日も完全燃焼、剱岳は甘くはなかった。
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