真昼山地 川口渓谷から北ノ又岳
- GPS
- --:--
- 距離
- 19.6km
- 登り
- 1,508m
- 下り
- 1,509m
コースタイム
- 山行
- 7:55
- 休憩
- 0:48
- 合計
- 8:43
天候 | 概ね晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
ルート図は概略です。 自然観察指導員 倉田さんのブログhttp://www.obako.or.jp/kurasan/yamagaido1index.html |
その他周辺情報 | 川口渓谷入口に温泉宿泊施設「奥羽山荘」。広大な敷地に施設充実。日帰り入浴500円。 |
写真
感想
今年、和賀岳から真昼岳・女神山への秋田・岩手県境稜線縦走を計画している方がおられるかもしれない。この長い縦走路では、和賀岳〜薬師岳と峰越林道〜真昼岳〜女神山は道が明瞭で登山者も多いが、それ以外の区間で人に会うのは稀だ。特に、峰越林道から北東側、鹿ノ子山にかけての区間は、記録も少ない。縦走する方の参考になればというのと、歩きがいがあって静かなルート、何より愛犬の散歩の時間を確保するために近場がいいので、川口渓谷に向かった。
川口渓谷沿いの林道は車両通行止めになっているが、歩行者も禁止とは知らなかった。構わずゲートを通る。林道はしっかり整地されているが、確かに落石のリスクはゼロではないので、一応注意しながら歩く。川口渓谷沿いを歩くのは二度目。前回は紅葉の時期で、川に流れ込む数々の滝の流れを眺めつつ歩いた。
水無沢口の標柱から山へ入る。二年前に刈り払いがされたようで、思っていたよりわかり易い。このコースは沢から離れ、急斜面を登っていく。傾斜が緩くなると、県境縦走路は近い。
水無沢分岐から縦走路を南西へ。この区間は、たとえば南八幡平縦走路の大深分岐〜曲崎山〜大白森のような、道ははっきりしているのに藪がうるさいという状態ではなく、道型・踏み跡自体が薄い。だが密藪ではないので、落ち着いて目を凝らせば、見極めることは可能だ。尾根が細くなると、だいぶ明瞭になる。
西側に峰越林道が通る姥捨山への登りは、短いが急斜面。背の高い草が薄い踏み跡を覆い隠し、ルートの判別が少し難しい。和賀岳から縦走して南下してきた場合、ここが一番の頑張りどころになるだろう。二日目の幕営地を峰越林道か真昼岳山頂神社にするとすれば、この姥捨山の登りの手前で水や体力を使い切ることのないようにしたい。上部で少し右手へトラバースし、細い溝状の所を少し登るが、さらに左手に上がって、見晴らしのいい稜線に抜け出る。
和賀岳〜真昼・女神山縦走の場合、問題は水場である。今回は行かなかったが、峰越林道を秋田側へ15分程?下ると、うまい水が湧き出ている。この水場はとても貴重だ。今回下山で通った川口県境から少し下ると水は得られるが、鉱山の跡もあって、そのまま飲める感じはしない。
峰越林道の登山口には、6台の車が駐車していた。皆さん真昼岳に向かった模様。北ノ又岳に登って戻る間にも、新たな登山者と出会った。帰りは水無沢分岐からさらに県境稜線を北東へ。分岐から先の登山道は明瞭だったが、笹が伸びてきていて顔に当たる。鹿ノ子山分岐から鹿ノ子山を目指そうかとも思ったが、藪で時間がかかりそうなので、少し登って止めた。
次の分岐は川口県境。川口県境から下山する際の登山道は、しっかりした道ではあるが、近年歩く人が少ない感じで判別し辛い箇所もある。二次林と思われる、気持ちのいいブナの緑に包まれつつ下った。
森から林道に抜け出る。この川口登山口は草が伸びていて、林道から入山する時は少し分かり辛いかもしれない。左手上部には、ツクシ森の険しい西面岩壁が見える。あとは林道を黙々と下った。
秋田県では人がクマに襲われたというニュースや、国道などで車に衝突したという事故が報道されている。最近のクマは、人を怖がらなくなったのか。もしも襲われた時には、傘をクマの前でバッと開くのがいいという話を聞いたので、今回手に持ちつつ山を歩いた。ところが、足元が藪でよく見えない所で、持っていた傘に体重を乗せてしまい、あっけなく折れてしまった(笑)。ストックでも曲げてしまったことがあるのだから、こうなることは当たり前だよなぁ。その後はもう開き直り。クマ鈴は春ゼミの賑やかな鳴き声にかき消されて、クマの耳には聞こえていないだろう。
登山道に数か所、クマの一物は落ちていた。クマがいるのは確かだが、不思議と目の前に現れる感じはしない。人が滅多に立ち入らない和賀・真昼山塊は、自然界全体としての調和がとれているのではないだろうか。山にゴミを捨てていく一部の人がいる、タケノコ・山菜採りの人たちもまったく見かけなかった。人の捨てたゴミは、クマにとっては味が濃くて、麻薬のようなものだという。最近の異常さは、野山にゴミを捨てる人が招いたという側面もあるような気がしてならない。
*自然観察指導員 倉田さんのブログによると、今回歩いた県境稜線上のルートはこの夏、刈り払いが行われたようです。
コメント
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kamadamさんの詳細な記録は参考になります。写真を拝見すると、錫杖の森の辺りよりもさらに踏み跡が不明瞭な感じですね。曲崎山の辺りの表現は歩いたことがあるので、とても分かりやすいです。
僕も地元の人間なんで、何となく写真を見た雰囲気だけで歩いたような感じがしてきました
そういえば、一昨年araigengaさんがここ歩かれてましたね。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-742195.html
グリーンシーズンに縦走を試みると、ああいうワイルドな山行になってしまうんですよね。標高1000mの稜線と侮ることなかれの山域ですよね。
僕が山で会ったクマたちはとても臆病で僕の姿を見たら、一目散に逃げていきましたけどね。kamadamさんのおっしゃる人間の捨てたゴミの味に依存してしまった個体が里に下りてきて悪さをするっていうのは、あるかもしれませんね。特に山菜取りの人たちはゴミで山を汚すということに無頓着な人が多い気がします。
今日も近所の森を走ってきましたが、警察がいてクマを取り締まっていました
クマの取り締まりですか 笑っちゃいけないけど、プッと吹き出しました
araigengaさんは確か白岩岳も往復して、さらに真昼・女神まで南下したのでしたね。登山道が開かれたルートを完全縦走した素晴らしい記録です。
普段この稜線をよく眺めているのだから、私もいつか通して歩きたいと思うのですが、山登りに丸二日以上充てることができるなら、飯豊など他の山へ行きたいのが正直なところ。
地味なルートであるのは確かですね。
でも以前、秋に川口渓谷から水無沢口〜県境稜線〜川口県境〜川口登山口と周回した時は、すばらしいブナの黄葉に目を奪われました。このあたりの低山は、やっぱり秋がいいでしょうね
kamadam さん、こんばんは。
県境縦走路ですね。
私は峰越から風鞍間が未踏区間です。
いつかはと思っていますが・・・
年々障害者???(失礼)になりつつあります。
横沢から県境に向かう道路・・・
かつての奥産道路ですね。
夢破れて・・・という感じです。
確かに県境稜線の最大の課題は・・・
水場ですね。
相当の水分を荷揚げしないといけないことになりますね。
確かに・・・ヤバい沢もありますし・・・
上流だからすべて安全とは限りません。
自己の責任で・・・
私は動物的勘で・・・大丈夫です。
秋田ではあちらこちらで・・・
クマがニュースになっています。
秋田魁ではクマの目撃情報が記事になっています。
まさに異常です。みなさん過敏に反応しすぎです。
toole さんも言われていますが・・・
クマたちはとても臆病です。
私が出会ったクマたちも自分から逃げていきました。
問題はゴミですよ。
タケノコ採りの欲たかれ達はゴミを大量に捨てていきます。
大白森〜乳頭間では合羽やヘメルットもありました。
悪いのはゴミを捨てる人間・・・
クマのせいではありません。
たまにクマに「有害駆除」されるのも仕方ないことでしょう。
人間の命は重いですが・・・
その原因は人間自身にあるように思います。
クマだけを悪者にしている現状・・・納得いかない気がします。
すみません・・・
ヤマレコからそれてしまいました。
ご苦労さまでした。
大白森〜乳頭は本当に酷いですね。朝からこういう話題で恐縮ですが・・
昨年のお盆にそこを歩いてゴミの状況がわかったので、実はその後ゴミ回収のために山に入りました。蟹場の横から入る道を入って、小沢を詰めていったら、辿りついた高みには空き缶の山。持参した袋にはとても入りきらず、半分以上残したまま下山しました。仙北市役所には報告しましたが、その後の状況はわかりません。
捨てるのは一部の人・・じゃなくて、ここに来るタケノコ採りの全員じゃないか・・そんな憤りを覚えましたよ。
ゴミを捨ててきたことが、現在の状況を招いている一因ではないか・・
タケノコ採りの人たちの意識が変わるように、もっと報じられた方がいいと思います。
kamadamさん、こんばんは。
静かな山旅、お疲れ様でした。
クマのこと、kamadamさんの感想、tooleさんや750RSさんのコメントを
拝読して、とても共感いたしました。
山のゴミは問題です。「つい、うっかり」は仕方ないと思いますが
おにぎりの包み紙などが無造作に捨てられいるのを見つけると悲しい気持ちになります。駆除ではなく共生の道を探ってほしいと願います。
動物も話ができればいいのになぁ。
太平山で、ついうっかり落としたゴミを拾いに一時間も往復してきたwaqueさんの爪の垢でも飲ませたいです。タケノコ採りの連中に
本当に、動物と話ができたらいいのにね。たぶんクマとのせめぎあいは、今後もしばらく続くのでしょう。
県境稜線まで立ち入ると、そこはもうクマたちの領域なので、「ちょっと通らせてくださいね〜」という気持ちになります
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