(過去レコ)蒲田富士
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- GPS
- --:--
- 距離
- 15.9km
- 登り
- 1,767m
- 下り
- 1,763m
コースタイム
- 山行
- 12:23
- 休憩
- 0:37
- 合計
- 13:00
西尾根取付き点=1556m
蒲田富士・標高点=2742m
蒲田富士・最高点=2770m
天候 | 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2014年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
蒲田富士は涸沢岳西尾根上の顕著なピークである。 冬季の涸沢岳へのメインルートだが、無雪期でも蒲田富士までは登頂可能。 藪の中に目印、踏み跡がある。危険個所にはフィックスロープが張ってある。 標高点(2742m)から少し先の最高点からは滝谷源頭部の絶壁が圧巻である。 |
写真
装備
個人装備 |
GPS無し
地形図で十分だった。
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感想
【山行記録投稿=2017年7月24日】
北は利尻富士から南は薩摩富士まで、広く知られたご当地富士は数多くあるが、何れも俗称であり、正規の山名は別にある。
涸沢岳西尾根の蒲田富士に関しては、これが正しい山名で、俗称も通称もない。
右俣林道から見上げると富士山形に見えるのが山名の由来らしい。
通常は涸沢岳への冬季ルートとして歩かれ、無雪期に蒲田富士目当てで登られることはほとんど無さそうだ。
ネットの記録を読むと踏み跡や目印はあるようなので行ってみた。
右俣林道は白出沢出合が終点で、沢では砂防工事が行われていた。
伏流水となった沢を渡って少し行くと、右側の藪に目印のテープと踏み跡がある。
ネットの記録には登り2時間40分、下り1時間40分というのがあり、割と簡単に行けるのでは?と思っていたが、現状はとてもそんなにスムーズに歩ける状況ではなく、私は尾根取付き点から標高点まで4時間半以上かかった。
西尾根下部は所により背丈を超える笹薮、中間部の長い区間は所により巨岩の急斜面があり、上部はハイマツがルートを隠す大変歩きにくいルートだった。
しかし、赤やピンクの目印が多く、地面には道形が認められることから、かってはよく歩かれていたものと想像される。
激藪なので道形だけを頼りにして進むのは困難で、もし目印が全くなければとても歩けなかった。
下る途中、標高2600m付近のハイマツ帯で南西の尾根に入り、目印も微かな道形も全くなくなり、変だと思って引き返して事なきを得た。
上りでも下りでもルートミスはこの時だけで、ルーファイはそれほど難しくはない。
山頂直下の急な岩場にはフィックスロープがあるが、冬季用の物だろう。
2742mの標高点は東西に長い頂稜の西の肩という位置で、地形図では東側に2750mの等高線がある。さらに東側は『F沢のコル』と言われる鞍部で、尾根はコルに向かって急激に落ち込んでいる。
コルの手前の北側に2770mの等高線が引かれている部分があり、ネットでここに立った記録は見当たらない。標高点と区別するため、ここを便宜上最高点として、簡単に行けそうなので行ってみた。
最高点から見た光景は、北穂高岳西側(滝谷源頭部)が絶壁の屏風を連ね、ある種の凄絶さと畏怖を感じさせる圧倒的な景観だ。
ここを登る人がいるというのがにわかには信じられない凄い絶壁である。
F沢のコルは草付きで、人が繰り返し歩くことによってできる草の枯れた道がある。
コルから涸沢岳へは凄い急斜面だが、ハイマツが縦縞模様に幾筋も生えており、これにしっかり掴まっていれば上がれなくもないように見えた。
日の長い時期に出直してここを攀じ登りたいと強く思ったが、コルから頂上まではまだ360mもあり、見えている急斜面を無事に登り切ったとしてもその先がどうなっているか分からない。地形図では読み取れない悪場があるかも知れない。
前進も後退もできない岩場があるかも知れず、単独では決断しかねている。
蒲田富士は素晴らしい展望の山であると同時に、更に高みを目指す登行欲を刺激してやまない”知られざる名峰”であった。
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