西沢渓谷
- GPS
- 03:26
- 距離
- 11.0km
- 登り
- 1,226m
- 下り
- 1,216m
コースタイム
- 山行
- 3:16
- 休憩
- 0:11
- 合計
- 3:27
過去天気図(気象庁) | 2017年07月の天気図 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
久しぶりの子連れハイキングに西沢渓谷へ。ここには二度来ているが、いずれも甲武信ヶ岳の登頂が目的だったため、渓谷を散策することは無かった。今回、稜線からの景色が望めない悪天、子連れ登山の時間的な限界(今のところ3〜4時間)という2つの要素が重なり、この散策路を歩くことに決めた。
道の駅みとみ横にある駐車場に車を停め、歩き始める。ぽつぽつ小雨。子供に雨粒が当たらないように傘をさして散策路をゆく。「徳ちゃん新道登山口」から渓谷に入り、清流を脇に見ながら西沢の左岸を歩いていく。この日は少し気温が低く、また標高も高いため、肌寒いくらい。自分は歩いて身体を動かしているから良いが、背負っている子供の体温ケアは難しい。脚が冷えていても気がつかず、嫁に教えられる。
途中授乳などしてもらいながら、今回の折り返し地点となる七つ釜五段の滝に到着。よく写真で見る風景だが、実物はそれ以上に素晴らしかった。対岸に渡り高度を上げて、黒金山登山道に合流した後、駐車場に向けて使われなくなったトロッコ道をひたすら下る。このトロッコは1933年(S8年)から県有林を搬出するために使用されていたらしい。西沢のさらに上流にトロッコの廃道が続いているらしく、ネット上にいくつかレポートがあり、興味深く読ませて頂いた。
次第に雨は強くなったが、本降りになる頃には道の駅みとみで昼食を済ますことができた。帰宅後に田部重治の文学碑を写真から読んだが、何気なく書かれたそれがすごく冒険的な登山に感じられた。石楠花茂るこの山域では、整備された登山道が無ければ、沢を登路に選ぶことが合理的に思われる。未知の沢を行く中、あのような釜を備えた滝が出てきたら…何にも代え難い経験になったに違いない。
営為の対象としての山、冒険の対象としての山、歴史、知らないことばかりでまた少しこの山域に興味が湧いた良い一日だった。
霧雨が降っている時の沢も、しっとりとした佇まいで美しいですね。七ツ釜五段の滝の水の色が清々しい! 坊やもお父さんの背中から、水の色にも負けない澄んだ瞳で、楽しんだ事でしょう。
山を歩いていると、錆びついたトロッコや軌道、床板が腐り落ちた吊橋などに出会います。出かける前はいろいろ下調べをしますが、なかなかその山域の歴史までには及ばない。現地の古びた解説版で、昔は鉱山があった事実等を知る事が多いです。
私の沢仲間の一人に、そんな残骸の残る沢を辿るのを無上の喜びにしている者が居ます。閉鎖され藪に埋もれた鉱道入口を見つけると、鬼の首を採ったような得意顔! 冒険心が満たされるのでしょうね。
7月初めに行った西表島のそのまた離れ小島は、明治初期まで石炭を採掘していたとの事。トロピカル・アイランドはどれも隆起サンゴの島くらいの知識しか持たない私には、ジャングルに覆われた島が石炭層を含む隆起岩盤であった事にびっくり! また、苛刻な鉱山労働と国家や権力者の非情な搾取の歴史に触れて、心が重くなりました。
その山域に重層的に埋もれている歴史をひもとく余裕を、私も持ちたいと思いつつ、次の山行の準備に流されている現状を反省です。
mizuki
「高熱隧道」みたいなお話ですね!人の痕跡を辿るのも、旅に深みが出てある意味面白そうですね。私は普段「自然を」楽しみに行くと言っては歴史の勉強をさぼり、オンサイト主義と称してルートや地形の勉強もサボることが多々…あります
だから深い山に行けないのかも知れません
怖いときはプロテクションの情報等ググりまくるんですけどね…。
しかし、現地でこういったものに触れると好奇心を刺激されます。と、言いつつまたろくに調べずに次の山へ行ってしまいそうですが、今みたいに家で過ごす時間が多いときには本でも読んで予習したいですね〜。子守しながら
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