(過去レコ)知床連山縦走


- GPS
- --:--
- 距離
- 20.3km
- 登り
- 2,118m
- 下り
- 2,146m
コースタイム
- 山行
- 12:32
- 休憩
- 0:55
- 合計
- 13:27
駐車場から奥の知床林道は一般者立入禁止だが、登山者に限り『道路特別使用許可申請書』を提出すれば通行可。(駐車場に投函ポストあり)
下山した岩尾別温泉からカムイワッカ橋までは予約していたタクシーで戻る。
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー 自家用車
|
写真
感想
【山行記録投稿=2017年7月30日】
北海道で予定していた○○名山と言われる山に完登の目途が付いた頃、知床連山縦走に触手が伸びた。
ネットの縦走記録を漁っても日帰りで縦走したという記録はないが、硫黄山登山口から上がり、羅臼をピストンして岩尾別温泉までは15時間20分ほどである。
休憩込みで12時間程度に短縮するか、それとも羅臼のピストンを中止するかすれば、12時間程度の日帰り縦走が可能だろうと判断して計画する。
今回は4度目の北海道遠征で、7月23日から12日間、車は乗り慣れたマイカー。
12日間のうち、雨ならどの山にも登らず、知床縦走には晴天が確実な日を選ぶ。
山行前日までに、カムイワッカ橋から硫黄山登山口までの歩行申請書の作成と、岩尾別からカムイワッカまでのタクシーの予約を済ませる。
予約して利用することは遠征前にも確認していた。
前日24日の北海道は全域的に天候不良で、道央では小雨だったが、知床はよく晴れ、国道から眺める斜里岳の雄姿に魅せられる。
5年前の2度目の利尻山も、北海道全域が悪天候の中で利尻だけは快晴だった。
前泊した道の駅『うとろ・シリエトク』で目を覚ましたのは午前3時ころ。
前日に近くのコンビニで買っていた弁当を食べ、カムイワッカへ急ぐ。
夏の北海道は夜明けが早く、晴れていれば4時前には明るい。
駐車場から600mほどは車道歩きなので、3時半にはスタートするつもりだった。
北海道は車での移動に意外と時間が掛かることを承知していながら、予定より一時間遅れの4時24分スタートとなる。
暗いうちに歩き出すのは熊対策上は好ましくないが…
熊鈴は遠くまでよく響く物を2個、常時鳴らしながら歩く。
新噴火口最上部までは針葉樹を主体とした雑木林、そこから硫黄沢出合まではハイマツが多い。沢出合でおにぎりを食べ、沢水をたっぷり飲む。
エキノコックスは全く気にしない。北海道の生水を飲み、エキノコックスの発症率がとても高いのなら別だが。
沢出合のすぐ上から雪渓歩きとなるが、30分くらいで雪渓を上がり切ると尾根状のルートとなる。【硫黄山→】の標識を見て、あまり軽くはないザックのまま急斜面の硫黄山へ。(後で分かったが、ここは縦走路との分岐であり、ザックはデポして方が楽だった。踏み跡が輻輳していて、分岐だとは気づかず。)
8時25分、憧れの硫黄山に登頂し、心の中で快哉を叫ぶ。長年に渡り、夢に見ていた地の果てのピークだ。高層雲はあるものの快晴に近い好天で、遮るもののないパーフェクトな360度の展望だ。
半島の羅臼側は霧が発生しやすく、羅臼岳から奥の山々は雲海上に浮かぶ。山を越えた霧は徐々に消えつつある。風が強ければ滝雲が見られる状況だ。
縦走路に入り、第1、第2の前衛峰を過ぎた尾根の東側で、距離にして20m〜30mの雪渓トラバースがあったが、アイゼンを着けるほどの急斜面ではない。
知円別岳は基部の東側を巻き、山頂への道はないようだ。東岳方向には踏み跡あり。
南岳頂上に標識はないが、高度計で確認。
二ツ池(天の池・地の池)へ出るルートは新しく開かれたのか、ハイマツが切られて歩きやすかった。二ツ池にはそれぞれキャンプサイトがある。
オッカバケ岳の下りから前方に大きな山が見え、一瞬 三ツ峰かと思ったが、サシルイ岳で、三ツ峰はまだまだ遠い。
サシルイへの登りにも長い雪渓があり、雪面からの照り返しが強く、サングラスを持って来なかったのを後悔する。このピークも頂上の西側のトラバースとなる。
三ツ峰キャンプ場は雰囲気が良いが、地図に書かれているフードロッカーはどこにも見当たらない。
三ツ峰基部に着いたのは14時過ぎ。羅臼へピストンするかどうかの決断を迫られる。
休憩込みでピストンすれば2時間ほど要し、岩尾別下山は19時頃か?
ライトで照らして下れば問題なさそうだが、実はもうそれ以上に疲れ切っていた。
羅臼が未登ならまだしも、岩尾別からのほか、羅臼温泉からも登っている。
知床連山の全山日帰り縦走とはならないが、3度目の羅臼はないことにして、その代わり、未登の三ツ峰に立つことにする。
連山の縦走路は東西のピークのコルを通る。羅臼頂上から見て、三ツ峰の山名の由来である三つのピークは分かりにくいが、三ツ峰の最高点に立つと三つのピークがよく分かる。羅臼から見て最高点は右側で、左側には手前と奥にピークがあり、手前は奥より10mほど高い。
三ツ峰の下りで予約してあるタクシー会社へ、岩尾別下山の大体の時刻を連絡する。
すると、この時初めて意外なことを言われる。「夕方5時半までには下山してください」と。事前に予約した際、下山時刻については一切何も言われていない。もし言われていればそれを守れるように行動したか、下山地で宿泊するなど別の手を考えただろう。とやかく言っても仕方がないので、なるべく早く下山することにする。
羅臼へピストンする余力があったとしても、タクシーとの関係で無理だった。
羅臼平からの下りでは、もう一つ忘れられないことがあった。
大沢の雪渓に差し掛かった所で、今日初めてほかの登山者に会う。雪渓は上下に分かれていて、その間は雪が消えていた。
軽アイゼンを着け、下の雪渓を下る途中に一組のカップルに追い付く。少し話をした後、先にどんどん下る。雪の中に靴跡がなくなり、変だと思っていた時、後方のカップルから大声で呼び止められる。
足元ばかりを見ながら急いでいたので、途中から左の山道に入る所に気付かなかったのだ。同じルートを往復するなら、起こり得ない初歩的なミスだが・・・・・
上下の雪渓の切れ間では、別の単独の男性が道を整備されていた。
気付かずに下り過ぎた雪渓を登り返して登山道を下る途中、その男性と色々お話しする機会があった。ガイド業だが、仕事がない日は登山道を整備しているとのこと。
何とその方は知床山考舎代表の滝澤大徳さんで、翌年8月末、新冠幌尻山荘経由で幌尻岳に登頂した際にもお会いした。額平川コースからのお客をガイドされていた。
瀧澤さんはBS-TVで、北海道の山番組にも出演されていた。
休憩込みで13時間半近く、17時51分、這う這うの体(てい)で木下小屋へ下山。
公衆電話を借りてタクシーを呼ぶ。
小屋の外で腰を下ろして休んでいる時、カップルが下山して来たので、丁重にお礼を言う。あの時、呼び止められなかったら更にどんどん下っていただろうか、それとも靴跡がないのはおかしいと思い、引き返していただろうか?
知床は熊の生息密度が高いが、その姿は遠目にも見かけることはなかった。
カムイワッカの駐車場には明日硫黄山までピストンするという旭川の男性がいた。
右肩に微かな違和感があったが、それはどうでもいいほど疲れ切っていた。
昨日と同じウトロの道の駅で車中泊。
26〜27日も山へは行く気がしない天候不良。
26日は旭川市内のBH泊、右肩にはマダニがしっかりと食い込んでいる。
27日は市内の皮膚科へ。快晴の山日和だったら、病院か山か悩むところであった。
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