三ツ峠山 屏風岩 中央カンテ
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- GPS
- --:--
- 距離
- 9.5km
- 登り
- 672m
- 下り
- 1,273m
コースタイム
天候 | 曇り時々晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2017年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
→土日祝日はもう一本早いバスあり |
コース状況/ 危険箇所等 |
・屏風岩は岩が硬く、ペツル等の残置が多い ・岩棚には浮石が多く、落石注意 |
その他周辺情報 | ・河口湖周辺は温泉がたくさんある |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
長袖インナー
ソフトシェル
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
雨具
着替え
靴
ザックカバー
サブザック
行動食
飲料
地図(地形図)
トポ
コンパス
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
保険証
携帯
時計
カメラ
ロープ
クライミングシューズ
ハーネス
ヘルメット
確保機
ロックカラビナ
カラビナ
クイックドロー
スリング
ロープスリング
キャメロット
ストッパー
カム
ナッツキー
ギアスリング
ナイフブレード
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感想
先週は本当にガッカリさせられた。なぜなら、前々から準備し、今年で一番の山行の一つと思っていた剱岳本峰南壁と八ツ峰6峰Cフェースの登攀が、台風5号の影響による悪天候のため壁にも取り付くことすらできずに帰ってきてしまったからである。ここ最近の天候不順には強い怒りを覚える。十数日に渡って日本の周りをウロウロした台風5号のせいで全てが台無しだ。まぁ、天候のことなので不可抗力ではあるのだが… だが、このまま何もせずに引き下がるわけにはいかない。なんとしてでも今年の夏には1つでも大きな壁を登らなくては!そう考えて剣沢小屋のテント場で幕営中に思いついたのが三ツ峠山 屏風岩中央カンテ登攀の計画である。映画「岳」のロケで使われ、小栗旬が本当に登った壁だ。昔から多くのクライマーが登攀技術を鍛えた古典的な壁でもある。実家から近くて多少ガスがかかっていても登れる+程よい難易度であることが決め手となった。剱岳登攀敗退の借りを返しに行くぞ! 燃えたぎる闘志を抱いて三ツ峠へと向かった。
・岩壁までのアプローチ
富士急の河口湖駅でザイルパートナーのnoguchikと待ち合わせ、バスで三ツ峠登山口まで向かう。富士スバルラインへ行くバス停は大混雑している。富士山のすぐ近くまで来ながら、富士山には目もくれず、三ツ峠の岩壁へ向かう我々… いかにもクライマーっぽいことをしているなと我ながら感じてしまった。アプローチはこの先の天気が心配だったので、少しでも登攀開始の時刻を早くするために短いルートをとった。結局、最後まで雨は降らなかったのでよかったと思う。三ツ峠登山口のバス停から登りだす。車が通れそうなくらい広い道をいつもより早いペースで登って行く。何パーティーものハイカー軍団を追い抜き、驚異的なペースで屏風岩直下に到着した。登攀装備を身につけ、中央カンテの登攀を開始する。
・1P目 ll級
1P目は第1バンドまでとした。リードはnoguchikが担当する。このピッチはフリーソロで登っているパーティーも記録では見るが、高度感もあるため、ロープを出した。難易度は高くない。階段状である。終了点には立派なラッペルステーションがあった。
・2P目 lll級
通称、左上ランペを登る。リードはnoguchik。このピッチもそんなに難しくはない。残置も多くあるが、ナチュラルプロテクションを使ってみたりもした。終了点にはペツルが2つある。
・3P目 V級
このピッチはグレードが急に上がる。リードは変わって私が担当。クラックを登る。カムはよく決まるが、何より高度感があり、クラックに手を突っ込み、チムニーみたいなところをズリズリと這い上がる奮闘的な登りを強いられる。終了点は2箇所にそれぞれ2つの残置ボルトがあり、どちらでビレイしても良いと思う。
・4P目 IV〜V級?
このピッチも続けて私がリードを担当。最初はレイバックから始まる。高度感もあり、怖いが、しっかりとレイバックのムーブで登れば落ちる可能性は低いと思う。スメアリングも効き、いい感じ。その上部ではルートミスをしてしまった。レイバックの上部にあるハングを巻いたあたりからルートを左側にとりすぎて変なところを登ってしまう。ロープの流れも悪い。今度から注意したい。終了点にはペツルか2つ
登攀を終了してから、山頂に向かおうとしたが、急な岩壁に当たり、また登攀装備を出して登攀するのも面倒くさくなったので懸垂下降することにした。屏風岩の左側を懸垂下降したが、懸垂下降するには条件が悪い場所であった。懸垂下降1回目はブッシュがうるさく、2回目は空中懸垂が入る。2回目は50mロープでは長さがギリギリ。さらに、2回目の懸垂下降ではロープが回収できなくなるというアクシデントも発生する。上にいたnoguchik に伝えて、ロープをセットし直してもらう。最初に降りた人がロープが回収できるかを確認するのは重要だ。あのまま2人とも降りたら、とんでもないところをプルージック登攀で登り返さなければならないところだった。また、登って来たところを懸垂下降すればよかったと後悔している。そちらの方がラッペルステーション等が整備されていて懸垂下降しやすい。noguchikが懸垂下降中に落石が発生した。ビューンと風を切る音をたてながら落ちて来た。あんなのが直撃したらひとたまりもない。三ツ峠屏風岩には3本の岩棚が横切っているが、どれも浮石だらけである。後続が懸垂下降する時には下にいる人は落石に細心の注意を払わなければならないことを実感した。なんとか無事に懸垂下降を終え、登山道を三つ峠駅まで降りた。
剱岳登攀は敗退してしまい残念だったが、その代わりに三ツ峠の屏風岩を登攀することができてよかった。来週はまた北アルプスのバリエーションルートに挑戦する。ここのところ天候不順が続いているが、なんとか晴れてほしいものだ。
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