夏期富士山(御殿場口・夜間登山)


- GPS
- 35:40
- 距離
- 19.9km
- 登り
- 2,394m
- 下り
- 2,394m
コースタイム
御殿場口新五合目(1440m) 2045
↓
新六合目(2590m) 2320
↓
六合目(2830m) 0003
↓
七合目(3030m) 0046
↓
七合五勺(3090m) 0105
↓
八合目手前の廃小屋 0150〜0300(仮眠)
↓
八合目(3400m) 0317
↓
御殿場口山頂 0418
↓(反時計回り)
剣が峰 0520
↓
下山開始 0550
↓
宝永山頂 0722
↓
御殿場口新五合目(下山) 0825
天候 | 7/28 晴 7/29 晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2010年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
御殿場ルートはとにかくコースが長いので、人気はない。 そのかわり、シーズン中でも静かな登山ができるので、 個人的には一番好きなルート。 1.御殿場口新五合目(1440m)〜大石茶屋(1550m) 足慣らしに最適。砂地だが、ところどころに石が混じっていて、結構歩きやすい。 2.大石茶屋〜新六合目(2590m) この区間は標高差が1150mもあり、とにかく長い。 基本的には柔らかい砂地の登りで、脚を取られやすいので、ここで案外消耗する。 飛ばしすぎると、8合目より上でバテる可能性があるので、無理はしない。 登りルートは途中から右に分かれるが、夜間時の登山では気づかずに直登してしまいやすい。 直登すると大砂走の下りなので、傾斜が非常に急。 よほど健脚でドMな方はやってみるといいかもしれないが、 直登しているうちに傾斜がおかしな位急になった場合は、大砂走を登っている恐れ大。 右にトラバースして登り用の一般ルートに戻ろう。 ここはジグザグの長い登り。ひたすらジグザグで、単調。 3.新六合目〜七合目・日ノ出館(3030m) 新六合目まで上がると、左手に宝永山がほぼ並んで見える。 そして変わらず、砂礫をジグザグトラバース。 こういう登りが嫌いなひとには、かなり苦痛かも。 4.七合目〜赤岩八合館(3300m)〜八合目(3400m) 砂礫にだんだん大きめの岩が混ざってきて、傾斜が急になってくる。 ここまでで消耗していると、ここでの急登がだいぶ堪える。 5.八合目〜頂上鳥居 岩稜の登りとなる。時々大落石があるので、注意が必要。 岩稜帯だが、コースが整備されていて、ルート上に浮き石は皆無と言ってよい。 傾斜は更に急になってくる。 高所に馴化していないと、ここからガクリとペースが落ちる。 視界の先に鳥居が見えてくれば、頂上。 頂上鳥居から右手が河口湖口、左手が富士宮口。 静かな御殿場ルートとは打って変わってのひとの数にびっくりするだろう。 |
予約できる山小屋 |
|
写真
感想
5度目の挑戦にして、やっとその頂に立つことができました。
天候条件は、これ以上ないくらいによく、
これで登れなかったらぼくの登山人生は一体なんなんだろう?
そう思うくらいでした。
予定では20時に御殿場口(標高1440m)から入山だったのですが、
諸々の事情と交通渋滞により、20時45分にずれ込みました。
4月に、午前3時入山で、2600m付近に達するのに4時間近く要したのと、
また、コースタイムが登り7時間半、とあったので、
御来光前に登頂するには、休憩を入れて8時間は必要だろう、と考えたのですが、
のっけから躓いてしまい、前途が思いやられます。
とは言え、積雪期に1度歩いているコース。
かなり気楽な気分で登り始めます。ひとは誰もいません。
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序盤は、多量の砂礫のために地面が柔らかいため、
脚がべったりと重くて、随分な疲労感を覚えます。
4月のときは砂礫が凍っていたし、ちょっと登ったらすぐ雪だったので、
アイゼンで固めた足元はかなり安定しており、
このあたりはむしろ4月よりも辛いくらいでした。
御殿場口新5合目から新6合目までは標高差が約1200mあり、
ここまでが序盤のひとつのヤマ、と言えます。
なお、4月は新6合目付近で滑落しました。
序盤に体力を使いすぎないよう、ペースを抑えていたつもりが、
知らず知らずのうちに前の若者のパーティーに追いついてしまったため、
オーヴァーペースにならないようにしばらくは彼らの後ろについていましたが、
結局パーティーの人数が多すぎて(10人くらいいた)みんなばらばらに歩いており、
逆に自分のペースが乱れて体力を消耗するのが嫌だったので、
「お先に」と声をかけて先を譲ってもらいました。
7合目の日の出館までは、とにかく固さが一定しない砂礫のジグザグ道を、
ただひたすら登るだけ。
斜度は次第に急になって行きましたが、
斜度よりも砂礫の固さで楽、しんどいが左右されます。
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7合目を過ぎると、砂礫よりも岩の数が増え、地面の固さが安定してきたので、
足にリズムが出てきました。
ところが、この時点でまだ1時を回ったばかり。
この調子だと、3時ごろに登頂できてしまい、早すぎるため、
またペースを抑えて登っていたのですが、
8合目手前まできても、まだ2時前だったこともあったし、
やや寝不足で眠かったこともあったので、
さすがに山頂でガタガタ震えながら待つくらいなら、
仮眠でも取った方がましだろうと考え、
持参してきたシュラフカバーを被り、廃小屋の脇で風をしのぎつつ、
1時間ばかり仮眠を取りました。
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3時過ぎに再出発。
看板には8合目から90分で登頂、とあり、
日の出時間が4時52分と教えてもらっていたため、
このペースであれば、日の出時間には十分間に合うだろうと考えていました。
9合目までくると、酸素濃度が14%程度になっているはずですが、
まったくと言っていいほど酸素不足を感じませんでした。
かつて、槍ヶ岳へアタックした際、高度馴化に失敗したことがあったため、
僅か数時間で2300mも標高を上げることに対して、
些かの不安がないわけでもなかったのですが、
もともと高地への適応力はあるほうだったし、
十分なトレーニングも積んでいたので、
その成果が出たのだろうと、好意的に解釈することにしました。
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そして4時18分に登頂。
仮眠1時間と休憩時間30分を除き、約6時間での登頂でした。
4時43分に、念願のご来光を見ることができ、
さすがに感激を禁じえませんでした。
復路は、宝永山を経由して、大砂走りを一気に下山。
休憩はほぼなしで2時間半足らずでした。
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4度も失敗したフジさんですが、こうして無事に登ることができました。
降りてきて思ったのは、
「やっぱり積雪期に登りたい!」
でした。
こりゃもうどうしようもないですね。
完全にビョーキです。
今回の登山は、まるで来るべき積雪期登山の偵察をしたかのようでした。
ぼくの中では、積雪期に御殿場口から完登するまでは、
富士山ではなく、フジさんなのです。
何故これまで「フジさん」と称していたのか。
別に気まぐれでもウケ狙いでもなんでもなく、
4度も挑戦を退け、長らく登頂を許さなかったその山に対して、
ぼくなりの敬意を示したものでした。
霊山と呼ばれるフジさんに対して、
お寺さんや仏さん、お地蔵さん、というのと類似した捉えかたで「さん」づけした、
いわば掛詞のようなものです。
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次は、11月です。
来る日に向けて、さらにトレーニングを重ねるだけです。
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