井戸沢遡行(八甲田)
- GPS
- --:--
- 距離
- 10.0km
- 登り
- 817m
- 下り
- 542m
コースタイム
天候 | 曇り後雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
前日の天気予報は小雨。
入渓してすぐ、昨夜の雨にもかかわらず、1週間前とあんまり水量変わらないなと思ったのですが、それは、沢のことを知らなかったからでした。
はじめは、「白神みたい」という幻想的な景色、適度に小滝が続き、自分に合わせたコースを選び、お助けひもも何度か出してもらって安全に登っていきます。
水はまだ冷たくなく、何度も腰まで浸かりますが寒くありません。滝を攻めて、落ちるのを楽しんでいる人も、そんな楽しい沢歩きだったのです。雨は降ったりやんだり、水の色はにごってて、とても飲めません。でも予定時間より1時間早いという余裕からこわさは感じなかったのです。
12:30最後の休憩、「あと30分でヤブこぎなしで湿原に出ます。」の声で、なごやかにトマトやパンを食べました。出発してすぐ、大粒の雨、そして、沢幅は、両手広げたぐらいなのに、しぶきをあげて、すごい濁流が流れてきます。あっという間に間隔が開き、前も後ろの人も見えません。細い沢を石が音をたてて流れて行きます。こわくなってやぶの上にあがって、トドマツにつかまり、後続を待ちます。このまま水から離れて藪をこぎたくなりましたが、リーダーに「もうヤブ漕ぎの体力は残っていないから、沢を歩く」と言われ、その通り、ついこの前も、ここの藪で遭難した人もいるのに、と反省しました。覚悟を決めて沢にもどると、確かに歩きやすい。両側の笹をにぎり、水に対抗して歩きます。ふだん水が流れていないところなので、沢底が滑りません。
笹薮に隠れてしまうほど細い沢をくねくねしてやっと、湿原の広い景色に、ほっとしました。あのスコールもやんでます。次から次と笹からポッと人が出てきます。「あと二人は、遅れている。でもTさんが一緒だから大丈夫。このままでは、体が冷えてしまう」と、小屋に向かいました。あの濁流を下る体力はないのです。
小さなストーブに火をつけて、着替えて待ちました。時間差はありましたが、元気な二人が帰ってきました。水のひくのを少し待ったそうです。よかった。
今回は、源流に近いところなのに、雨は一気に濁流となりました。川の下流が濁流になるまでは時間がかかるかも知れないけれど、上流であればあるほど早いのでしょう。いい勉強になりました。
そして的確な判断を下すリーダーと、経験豊かな面々に助けられました。ありがとうございます。また沢経験は浅くても、しっかりした新人さんたちはとてもたのもしかったです。女性4人組はにぎやかさで終始笑顔に貢献できたのではと思っています。
「やられでまる!」
Oさんがよく口にする言葉。増水で遡行が困難になった話を幾度となく聞いていたのに。
雨が強くなってもそんなに慌てることはなく歩いていたが、鈍感な私でも水の量が一気に増えたのがわかった。
まるで時間を早回ししたかのように。
それから、一気に緊張感が高まる。
エスケープルートはないし、詰め上がるしかない。
水がひくのを待つのも一つの手だけど。
「やられでまる」か・・・。水は濁り、水圧に足をすくわれ、うまく歩けない。
でも、こんな増水は、「やられでまる」のうちに入らないそう。
沢を初めて5年経つが、遡行中に増水を目の当たりにしたのは初めてだった。
こういう経験もしておいたほうが、いざという時、冷静に行動できると感じた。
上からも下からも水を浴び続け、すっかり体が冷えて、「唇が青いよ」と言われる始末。
いつか「やられて」しまわないように、技術をもっと身につけたい。
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