中央分水嶺 須金岳 竹ノ子森ダイレクト尾根を行く
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- GPS
- 06:57
- 距離
- 10.2km
- 登り
- 1,085m
- 下り
- 1,087m
コースタイム
- 山行
- 6:21
- 休憩
- 0:37
- 合計
- 6:58
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
🐻登りに使用したタケノコダイレクト尾根〜タケノコ森〜須金岳(仮の山頂)に至る登山道は無く、無雪期藪漕ぎを別にすれば、積雪期限定ルートである。 🐻今時期の寒湯沢はそれなりの水量があり、濡れずに対岸へ渡るのは中々難しいと思う。登りは初めの堰堤を越えた辺りから飛び石を利用して渡渉した。下りは登山口のすぐ手前辺りが渡渉ポイントとなる。沢石は滑り易いので、ストックやピッケルを利用してなるべく体重を分散させて突破されたい。 🐻中ノ沢森までの尾根は細長い形をしているので、迷うことはないだろう。尾根上にはうっすらと踏み跡が確認できる。細尾根にもかかわらず倒木が多いが、回避は可能。須金岳〜タケノコ森の稜線が美しく目を引く。中ノ沢森までなら、ちょっとした里山歩きの様相。 🐻中ノ沢森まで登ると、栗駒が顔を出す。稼いだ標高をすぐに吐き出すように鞍部へ降りる。タケノコダイレクト尾根は等高線の混み具合からわかるように結構な傾斜だ。タケノコ森直下は膝が斜面に着くくらいの傾斜ポイントが数十メートルに渡る。僕は一度不意を突かれたように踏み抜いて態勢を崩して、そのまま滑落しそうになったので、ピッケルは必須である。足元装備はアイゼンを使用した。 🐻タケノコ森から須金にかけての稜線上は素晴らしい眺望が広がる。特筆すべきは須金岳へ続く分水嶺の稜線と、荒々しい虎毛山の東斜面の姿。この二つが並んだ姿は、かなりレアな構図ではないだろうか。稜線上は所々藪が出ており、やや歩きにくい。鞍部を過ぎて傾斜がきつくなると、ブロック状の雪塊と藪が交互に現れる。須金岳山頂に近づくとだんだん傾斜が緩くなって白亜の世界が広がる。 🐻須金岳から下った尾根は夏道がついている。特筆するような危険個所はないが、一点だけ。Co980付近の尾根が二股に分かれるポイントは迷いやすいと思うので注意してほしい。左手に小ピーク850を見つけて進むとよい。 【関連記録】 山猫森 竹ノ子森ダイレクト尾根を行く https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-428347.html 山猫森北東1017峰 幻の分水嶺を行く https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-619897.html 虎毛山 中央分水嶺をゆく https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-185278.html |
写真
感想
須金岳は本当の山頂までの登山道が無く、分水嶺上に仮の山頂を置く山だ。禿岳、栗駒、虎毛山、神室山などメイジャーな山々に囲まれているからだろうか、須金の登山道はいつもひっそりとしていて、ひたすら森の中を歩く印象が強い。そんな寂峰なのだが、静かな山歩きを堪能できる喜びに満ちている。この山域は僕のお気に入りだ。
今回の山行は4年前に山猫森に到達した分水嶺歩きの続きでもあるし、6年前に寒湯沢から虎毛山に至った続きでもある。
竹ノ子森ダイレクト尾根はその行程に山登り技術の要素がぎゅっと凝縮されている魅惑的なルートだ。里山から始まって、急坂下降、踏み抜きトラップの急登、登り詰めるともう何も遮るものがない。抜群に美しい眺望広がる竹ノ子森の山頂に到達する。運が良ければ竹ノ子森山頂から鳥海山が見えるのだが、僕はこの風景見たさにいつかまた竹ノ子森を訪れることがあるような気がする。
竹ノ子森から鞍部に至り、須金岳へ続く稜線はワイルドトレッキングといった趣き。クラストした固い雪にアイゼンの刃が気持ちよく刺さる。標高を稼いでいくと、いつの間にかまっ平らな白亜の世界に迷い込んでしまったような気持ちになった。これが須金岳の本当の山頂。
もし今回の周回ルートに夏道を通したら、もう少し魅力的になる気がするのは僕だけだろうか。せっかく夏道をつくっても藪がひどくて眺望なんて期待できないんじゃない?という声も聞こえてきそうだ。
美景が広がるこの山域も決して多くの人の目に触れることは無いだろう。少し勿体なさを感じる半面、秘境は秘境らしくひっそりと在り続ければいい。時折鈍い光が差し込むくらいがちょうど良いのかもしれない。
コメント
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24番の写真なんか見ると、tooleさんがこの山域をお気に入りなのもわかるような気がしますね
でも実際に登るとなると、竹ノ子森ダイレクト尾根の急斜面はもちろん、須金岳への崩壊しつつある雪庇と藪のミックス・・ここに鈍い光を差し込むのは、tooleさんと
mountrexさんぐらいでは・・
夏道作るんなら、須金から虎毛東壁と万滝が見れるポイントが欲しいところかなあ
ところで下山時のポイントですが、こういう傾斜に変化がない広い尾根は難しいですね。右の尾根の方が大きく見えたら引っ張られそうです。
須金と虎毛をとらえたNo.24の写真は竹ノ子森の山頂でしか見られない構図なんですよね。竹ノ子森も地味な山ですが、中ノ沢森からNo.16のようなベストショットが見られます。このような地味な山をいくら宣伝しても人気化することは無いでしょうから、鈍い光がほんの少しでもあたってくれれば良いのかなという感じです
mountrexさんは三角点ハンタ―藪漕ぎのスペシャリストなので、この山域のまた違った風景をご存知なのだと思います。
虎毛山も宮城側から登山道があったほうが面白いと思うのですが、山頂が秋田の山だから難しいのでしょうね、きっと。
仰る通りで広尾根の下りは難しいですね。右手の斜面の方が緩くて思わず進みそうになりました。地形図でこの先小さなピークを通過するということを覚えてないと、加えて視界が良好でないと、遭難につながることもありそうです。
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