桑畑山 尻屋ルート 寒立馬(かんだちめ)にごあいさつ 岬周回
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- GPS
- 06:10
- 距離
- 11.6km
- 登り
- 437m
- 下り
- 441m
コースタイム
天候 | 吹雪時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
積雪10センチ程。吹きだまりラッセルはある。刺のあるブッシュあり。尻屋や岬口から稜線への道はもうないようだ。 下降ルートも薮濃く急斜面で、特に快適ではない。 東岸は岸島対岸あたりが除雪終点。西岸は北尾根末端の三叉路(岬口)から灯台へは除雪していない。 三叉路には寒立馬観光案内所のようなものがある。立派な待合室のような施設。管理人もいる。馬は、冬期はこの周辺にいるようだ。 |
写真
感想
冬型ガッチり決まったクリスマス、尻屋の主峰桑畑山へ。海から一直線の北尾根作戦を描いたが、道は廃れて久しいようだ。雪が乗らないとなかなか行けないので待ちに待っていた。今月は結構な降雪があり、勇んで出かけたが現地の積雪は10センチ。それでも夏の薮コギよりはましだろう。
車を停めた岬口には待合室風の建物があり、その近くに野放し馬カンダチメはいた。背中に雪を載せたずんぐりした馬。デカい。バンバを牽く重種の掛け合わせだろうか。頬をなで、「桑畑山を新ルートから登りに来たよ」と告げる。
尾根末端付近はすべて家畜囲い用の有刺鉄線で覆われていて、唯一。ゲートのあいているところから中に入れた。アカマツの植林の林は幹が地吹雪で樹氷と化している。積雪は無いのに薮は真っ白だ。立ち枯れの草本の斜面、灌木の少ない斜面を選び、時にスキーを投げ上げたりしながら上昇。イバラの刺が服にからみバリバリいう。203高地のような突撃で苦闘すること40分、大きな石灰岩の岩のある165高地に至る。背後に岬と灯台、脇に三菱の石灰岩採掘工場、行く手には高さ3mの金属柵が万里の長城のように南へ伸びている。たいして積雪が無いのになぜか雪崩用と看板に書いてある。
165高地南のコルには家畜用とみられるバラ線がひいてあり、プロレスラーのようにリングをくぐる。その先の斜面を登ると間もなく、林道の残骸がその脇に始まり、灌木ブッシュは終わる。積雪少ないとはいえ、吹きだまりのラッセルはやはり一人前にあり、スキーは助かる。風は時折強く吹雪になるが、気まぐれに視界は晴れ、頂天には青空さえ見える。冬型の日の太平洋側の気象だ。
山頂付近は松の木も落葉広葉樹も無く、荒涼たる強風地帯。この刺付きブッシュといい、まるでパタゴニアだ。ガスの中、遠くの風車が回転している。桑畑山西尾根の風車銀座は国内最大級かもしれない。山頂は小高い高まりに三角点。視界は3キロほどか。風が強いので早々に下る。気温は-3度くらい。
下りは・309の南のコルから北東に適当な尾根を下るが、凄いブッシュで、スキーをやる斜面ではなかった。でもまあ強引に下って尻屋集落最南端の民家の裏に出る。
岬までの無人地帯を反時計回りで周回する。東は太平洋、西は津軽海峡。アタカの半島、岸島のあたりで除雪終点。積雪は強風のため10センチ以下。車も来ないし海を見ながら黙々歩く。波濤と、遠くの青空。もしあのときのような津波が来たらこの半島部5キロ四方、高さ20m以下で、どこにも逃げ場が無いぞ、等とも考えた。この平地にはアカマツが広く植林され、見事な背の高い赤松の森になっていた。冬だから彷徨できるところか。
灯台まで行き振り返ると、桑畑山の全容が見えた。横に長く上が平らで断崖もあり、どこか函館山に似ている。むかし函館から、尻屋崎を良く見た。晴れた日だけにしか見えない、厚みの無い陸だった。海峡側の戻り道は風が正面で、時折吹雪いた。対岸の北海道亀田半島山地が白く、斜陽に輝き、少し紅色だった。右端には恵山が見える。左端断崖は汐首岬だろう。前に恵山沖でこの季節イカ漁の船に乗ったのを思い出した。ターナーの絵のような暗い群青色に輝く海。こちらは浪高し。下北半島本体は、雪雲の中、暗く淀んでいる。こちら尻屋の岬だけが雪雲から突き出た刺のような格好だ。
桑畑山も、尻屋崎も、五体で満喫。こんなちっぽけな山だって計画次第で充実の山行にできる。下北の駅前食堂で、あったかいもん食べて大間の橋さんと別れる。野辺地で大さんに降ろしてもらって青鉄でトコトコ帰る。青森市内のほうがよほど雪多し。駅から家まで雪道をスキー担いであるくと、学生時代を思い出した。
きょうこどもはスキー教室で横滑りとキックターンを習ってきた。
コメント
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私のクラブのサラは、レッスンあとすぐにお洋服を着て馬房にいるのに、このこたち、
たくましいです。足もしっかり
青森県東部は稲作ができず、12世紀から馬産地。17世紀から冬の雪中放し飼いを始めたそうです。南部馬というずんぐりした馬にいろんな馬を掛け合わせてさらに寒さに強いそうです。重種の舶来の種も入っているそうです。同じ馬でもサラちゃんと全然違うみたいですね。ほとんどヤクです。
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