羅臼岳再訪
- GPS
- 08:53
- 距離
- 17.2km
- 登り
- 1,826m
- 下り
- 1,827m
コースタイム
天候 | 曇りのち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
泊場から登りの道が不明瞭 |
写真
感想
羅臼に訪れたのは4回目だった。1度目はバイクツーリング、2度目は家族旅行でいずれも知床峠から眺めるだけだった。登頂のチャンスを得たのは2017年。ウトロ側を早朝に出発して全力で登ったが「ヒグマ出没頻度が非常に高い」と記された場所で、背丈の高い笹藪からガサガサという一向に遠ざからない音が聞こえ、結果的に退散したのだった。
鹿はすぐ逃げるので、"そうではない何か"だと思った。
ウトロ側からの登山はトラウマとなり、今年は羅臼側から再挑戦した。
朝5時に出発準備を整える。そして1つのパーティと2人の単独行者を「よしよし」と見送った。単独行が危険なのは分かっているので今年はツアーへの参加も検討したが、結局「金魚の糞作戦」を採用。つまりは他のパーティにこっそりくっついていくのだ。そのために今回は時間の余裕も折り込んだ。
こうしてなんとなくリラックスした気持ちでスタートしたのだが、山で一仕事を終えたと思われる地元のおじさんに「これから登るの?」と声をかけられる。そして「熊に気を付けて」と釘を刺され、楽観ムードが崩れてしまう。
その一幕を経て、金魚の糞作戦は一瞬で無効となった。出発して一時間もたたずに先行パーティーを全部抜かしてしまったのだ。抜かさずに作戦を実行すれば? いやそれはだめだ。「余裕を見たんじゃ無かったのか?」と自問するが、夜8時の女満別のフライトに合わせるには3時には下山したい。そうなると標準コースタイムで歩く登山者に付いていくと厳しいことに気づいたのだ。
結局その日の登山者の先頭となり、単独行が始まった。あたかも命綱なしで宇宙に放り出された宇宙飛行士のような気分である。
羅臼側のコースは見通しの効くところが多く、その点は安心だった。しかし黒い木の塊や陰がたびたび熊に見えて足が止まった。跳ねる鹿には何度も驚かされたが、鹿が登山道を横切った時は肝を冷やした。
泊場では道を失って慌てた。山と高原地図の「上流に向かって一番右の沢を利用」の説明に引き寄せられて、右の沢に入り込んだのだ(「一番右の沢」という説明は水場の話だった)。この辺りは道標もなく道に迷い安い。登りも下りもおかしな所を歩いてしまった。
屏風岩まで行くと森林限界を超えていよいよ見通しがきいたので伸び伸びと登れるようになった。やれやれ。熊に会わなくて済むぞ。稜線までいくとウトロ側からの登山者と合流。
羅臼側は出発時は小雨もあったほど天気は良くなかったが稜線は雲海を抜けて快晴となった。天気が悪いのは羅臼側だけで、山を挟んでウトロ側は素晴らしく晴れ渡り、青い海が広がっていた。去年は雨だったので今年再訪した甲斐がより高まった。
頂上からは知床岬に続く稜線がよく見えた。行ってみたいとは思うが、ここはもう熊の世界。臆病な私はここから安全に下山するのが限界だった。
二度目の挑戦で報われ、1時間も頂上で風景を楽しんだ。
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