武奈ヶ岳で刻んだ小さいステップ
- GPS
- 08:45
- 距離
- 11.7km
- 登り
- 1,401m
- 下り
- 1,391m
コースタイム
天候 | 薄日が差すものの曇りの一日。 その割には山頂からの視界は予想以上でした。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
他の方のレコで登りはアイゼン不要と記述がありましたが、今日は明王院前の登山口からしっかり必要でした。 御殿山コースは終始トレースもしっかり付いて、そこを辿る限り踏み抜くことはまずありません。 コヤマノ岳から中峠へのルートはトレースがなく、その東隣の尾根から金糞峠に抜けるルートが目立っていてそちらに釣られてしまいます。 |
写真
感想
アイゼンに加えてワカンを手に入れた私は先週・先々週と張り切って雪の中を歩き回っていました。
ただモノはあっても使う技術があるわけじゃなく、2度歩いたところで教わる必要を感じたのです。
はじめから教えてもらえよ! との突っ込みは自分の中でもあるのですが、まず体で試してみて何が足りないのか実感するのが先と、頑固にプロセスを守っているわけです。
そこでまたお世話になるのが好日山荘。(フォレオ一里山店の皆さん、いつもありがとう!)
店で立ち話の数分でポイントを教えてもらいました。
その内容を実践するのが今回の目的です。
なんだそれだけかと笑われると恥ずかしいのですが、ほとんど独学で体験を積むステップは限りなく小さいのです。
先月雪の積もりはじめにイン谷口から登った武奈ヶ岳ですが、時間の余裕を考えて坊村からのルートを選択しました。
西南稜を歩く楽しみは逃すわけにはいきません。
ただのピストンも面白くない気がしてちょっとスパイスを利かせてみます。
ワカンの練習なら尾根道より谷道じゃないか?
大橋から牛コバ経由で坊村までの谷道を辿るのがよさそう。
単調さを嫌って周回ルートにしてみましたが、冬のレコを見るとこのルートを歩いた記録が見当たらないのはなぜだろう・・・?
この点情報が不足していることを心に留めておきます。
当日の天気予報はほぼ終日曇り。
比良ではガスに覆われる一日になると覚悟して自宅を出ました。
明るくなるタイミングで7時のスタートですが、案外空も明るく周囲も見えています。
坊村の市民センター、いつもの場所に車を停めます。
先に着いていたのは1台だけ。
数名のグループが出発の用意をしています。
すっかり明るくなった道を歩き始めます。
スタート時の高揚感は毎回新鮮です。
自分の窓が全開であるとイメージしながらゆっくりゆっくりのスタート。
明王院の前を過ぎて山道にかかります。
よくこのルートは「よく踏まれていて登りはアイゼン不要」と書かれています。
先入観通りに数歩登ってみましたが、滑って泥だらけになるのは時間の問題です。
結局戻ってアイゼンをつけて登りなおします。
トレースはもちろんしっかり付いていてこの道を歩く人の多さがわかります。
アイゼンの跡よりもスノーシューの方が断然多いように見受けられます。
スノーシューをつけて歩いているのを見ると羨ましいですね。
でも自分では今持とうとは思っていません。
アイゼンの技術、ワカンの技術をモノにしないと世界が広がらないような思いがあって、スピードや便利さはその次でいいと考えています。
(いつの間にか頑固なおっちゃんになってる・・・?)
気温は0度前後ですが、体は火照って汗ばんでいます。
息を切らさないペースを守って稜線までたどり着きました。
もうアイゼンでは無理のある積雪量でいよいよワカンをつけます。
出る前に靴に合わせてベルトを調整してはいますが、屋内でつけて歩くわけにはいかずに形だけ合わせたようなものです(汗)
それでも前回よりはよほど足に馴染んでくれているようで、歩くペースも快調です!
途中で出会った雪だるまにツーショットをお願いしたり相変わらず道草を食いながらの登り道。
グループ登山ならえらい迷惑かけてると思います・・・
御殿場山からワサビ峠、そして西南稜の景色の中をゆっくり歩いています。
前にはさっき言葉を交わして私を抜いていった男性が一人。
後ろには誰も見えませんがグループ登山の一団が登ってきているはずです。
気温も高めで風も穏やかな思いがけない好条件の山歩きになりました。
行く手の山頂もくっきりと姿を見せてくれています。
見回すと湖北からぐるりと京都北山の峰々が黒く重なっています。
ひと目見た時の高揚感が過ぎると自分の中の感情の波がスーッと引いて静かな水面のようになるのを感じます。
喜怒哀楽から離れて無心に黒い山と向かい合ってるほんの数分間、不思議な充実感を感じています。
11時に山頂に着きました。
ワカンのずれを調整します。
まだ取り付け方が下手なんですね。
ここまでは尾根道で積雪といっても想定内の状況です。
ここからが情報の少ない谷道に向かうルート。
昼食前にもう少し進んでおきたいと早々に出発します。
稜線からコヤマノ岳に向かっていったん斜面を一気に下ります。
下り始めたところで下から登ってきたベテランらしい男性と挨拶を交わします。
どこに向かうのかを聞かれて予定ルートを伝えました。
ついでに状況をご存知か伺うと、
谷沿いの道は雪がまだ安定していなくてトレースもないのでラッセルするのもかなり大変。
藪の上に雪が乗っているがまだやわらかいので踏み抜くとやっかい。
雪が締まると歩行が可能になるが、あと1ヶ月ほどは時期を待つべき。
見事に的を得た理詰めの解説をしていただいたこの男性に感謝です!
時間があるのならと教えてもらったルートはコヤマノ岳から中峠経由で谷越えし、ワサビ峠に登りなおすルート。
周回は小さくなりますがその道を辿ります。
コヤマノ岳から南西に伸びる尾根にトレースが続いています。
地形図で見ると120mほどの下りですが、歩いているうちにそれ以上に下っている感覚になってきました。
内心首をかしげながら歩いた先に峠があり、休憩中の男性が一人。
中峠かと聞くと違う(!)との返事。
金糞峠に向かうトレースにつられて下ってきたようです。
雪の季節は地図にない道ができるのを初めて実感した瞬間でした。
ここからワサビ峠に向かう谷道はやはりトレースがなく、ラッセルするか武奈ヶ岳に引き返すかの選択を迫られます。
時間は13:30。
これからトレースのない谷道を進むのは不安があり、引き返すことにしました。
コヤマノ岳から降りる尾根を間違えたところを見に行きます。
このルートは次回もう一度歩きたいので分岐を覚えておきます。
この日2度目の武奈ヶ岳山頂は私一人でした。
午前とは全く違う強風の中、それでもまた無心の数分を味わうために立ち止まります。
冷えて痛くなった耳を隠すためにフードを絞りながら稜線を引き返します。
坊村まで下りると時間は15:45でした。
山頂往復だけだとこんなに時間は取らなかったのですが、寄り道、回り道、引き返しなんてムダを重ねながら自分の栄養にしていければ意味のあることですよね。
結局ピストンになってしまった今回の山行ですが、単独行で成長の遅い私の山修行の小さいステップは刻めたようです。
谷道をちゃんと歩きに来ますよ!
尾てい骨、折れてたんですか!
それなのにこんなに歩けるなんてびっくり。
強いですね〜
0度くらいだと雪山は暑いくらいですよね。
武奈ヶ岳はあったかかったんですね。
雪山装備、いろいろ増えてきて楽しいでしょうね〜
次の雪山も楽しみにしてます
折れてたようです
仰向けに寝ることができなくて毎日横を向いていました。
日常生活には全く支障がなかったのが幸いです。
もちろん歩くのは平気でした。
(山でまたしりもちをつくのが冗談抜きに恐怖でしたが・・・ )
この日の山は暖かかったですね
ただ午後になると冷えてきて下山時には−5度位に下がっていました。(強風で体感温度はずっと下です!)
monsieurさん こんばんは
同じ日に登ってますね 時間的には微妙ですが山頂付近でお会いしていたかも
この日は、kikyo-yaさんも登られていましたし、それぞれ微妙なタイミングですね
またお会いできること楽しみにしてます
ひょっとして・・・ですね
私はオレンジ色のレインウェアでした。
(写真の通りです )
活動する山域が重なっているのでまたお会いできそうですね
そのときにはよろしくです!
この日の午後の山頂は寒かったですよ
またまた行かれましたね、武奈ヶ岳
景色は本当にキレイで、モノクロの世界がまた絵になりますね〜。
武奈ヶ岳では、スノーシュー、ワカンが役に立つんですね。
情報ありがとうございます。
ワサビ峠に向かう谷道にはトレースがなかったとのこと、
ラッセルするか引き返すか、、、微妙な心境、わかります〜。
我がファミリー、まだまだ初心者でラッセルしなければ
ならないような道は躊躇してしまいます
最初にラッセルして道を開いてくださった登山者さんがいることが、
ありがたいですよね
またまた来てしまいました
utaotoファミリーにはとても及びませんが、淡白な私でも引き込まれる引力がありますよ、この山には。
slowlifeファミリーが初心者ってのは、私の聞き間違いですね
回数よりも毎回の密度が高くていいですよね〜
今回入らなかった谷道にはここ数週間のうちに入りますよ!
尾根を間違えてるような地図読みのレベルを上げないと自分の身を守れないですから
尾てい骨を骨折していたのですか
聞いたことがあるのですが、ギプスが出来ない場所だから、整形外科に行っても
鎮痛剤と胃薬しか処方されないとか…大変でしたね
でも回復されてきている様で良かったです。
寄り道、回り道、引き返し…ムダじゃないですよ〜。
ちゃんと情報収集して、谷沿いは先のお楽しみが出来たし、
雪の季節は地図にない道ができる…実際に歩かないと分からないことですよね、とても勉強になりました。
小さなことからコツコツと なんて目の大きい 方が言ってましたが、その通りです
また楽しみにしておりますね
ところで31枚目の写真は西部警察の方ですか ??
まさか折れていたとは・・・
雪深い比良だとメジャールート以外のトレースは少ないみたいですね
坊村からのピストン以外だと正面谷とダケ道、そして八雲周辺とコヤマノ南尾根くらいなのでしょうか・・・
西南稜とコヤマノ岳の霧氷をセットに歩いてみたいんですけどね・・・
ワサビ峠に抜けるのもトレースないと大変そう
この冬にもう一度くらいテント泊してゆっくり道探してみます
そんなええもんとちゃいますわ
1970〜80年代あたりの映画やテレビではよく出てきたようなイメージですけどね
だらだらと垂れ流したような冗長なレコで反省しきりなのですが、付き合ってくれてありがとうございます
先々には良くも悪くも慣れてしまうことでも今だから全身で反応できる、ある意味貴重なルーキー期間を楽しみましょう
utaotoさん、こんばんは
雪の季節の道の様子をはじめて実感できましたよ
でも、おっしゃるとおりコヤマノ岳からワサビ峠のルートはあって欲しいですよね
私も近いうちにそのルートを抜けてみようと思っています。
それができると坊村からの周回ルートになります
歩けるかどうかやってみなきゃわかりませんが
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