蕨山ー大持山ー小持山ー武甲山縦走
- GPS
- 09:20
- 距離
- 20.7km
- 登り
- 1,731m
- 下り
- 1,806m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
帰り:横瀬駅 |
感想
先週の雪で、奥武蔵の山にもかなりの雪が積もったらしい。
元々、名郷から蕨山、大持山、小持山、武甲山と歩こうという計画を立てていたのだが、これは無雪状態の計画だったので、とても無理そうだ。
とりあえず名郷から登り出して、積雪の具合で、エスケープすることにする。幸い、このルートであれば、蕨山→さわらびの湯、鳥首峠→名郷、大持山→名郷と、色々とエスケープが可能だ。
名郷に向かうバスには、10人弱の登山者。皆と一緒に、バスの中でスパッツを着ける。
名郷から、すぐに未舗装の林道になり、しばらく沢沿いに登って行く。
北側斜面なので、雪が沢山残っていると予想したのだが、意外と雪は少なく、1、2cm程度だ。
これなら、武甲山まで行けるのではないかと期待が膨らむ。
稜線まで出ると、雪が出てきたが、まだ5cmくらいだ。ここからは、積雪が増えるはずなので、早めにアイゼンを付ける。
下り1名、登り1名の足跡が残っている。そのトレースに従って登って行くと、急に雪が増え始めた。10cm,20cm,30cmと増えて行き、膝下まで埋まる。しかし、先行者の足跡を踏んで行けば、まだ大丈夫。
登りの途中で先行者に追いついた。50〜60代くらいの方で、これから鳥首峠まで行くとのこと。私と同じ方向だ。どちらまでと聞かれて、つい武甲山までと言ってしまう。
男性と別れて急坂を登って行く。これからは、前日に歩いたと思われる、下りのトレースのみだ。所々、40cmくらい埋まっている所もある。その雪穴に忠実に足を差し込んで行くも、下りと登りでは、歩幅が違い、辛い。
蕨山との稜線に到着する。足跡は、東側(蕨山の山頂標のある方向)から来ている。
私が向かう有間山の方には、何のトレースもない。蕨山からの下りのトレースが1人分しか無かったことから当然予想されたことだが、雪の中を歩いた経験が少ないので心配になってきた。
誰も歩いていない新雪の踏んで、有間山方面に進む。雪の深さは30cmほどだ。なだらかに登って行くと蕨山(1044m)に到着した。ここが最高点なのだが、道標も展望も何もない。東側のピーク(1033m)が眺めがよいので、こちらは忘れられてしまっているようだ。
ゆるやかに下って行くと林道との合流地点に来た。ここから有間山に向かっての急登が始まる。こんなに急だったかなと思うくらいの急坂で、思うように進まない。本当は、くねくねと道がつけられているはずだが、夏道がどこにあるのか分からないので、直登する。
雪は粉状でアイゼンがあまり役に立たない。急坂で何度も滑る。手で斜面に穴をあけてから、そこに足を差し込んで行く方式で、少しずつ登って行った。
しかし、体力の消耗が激しい。先行者の跡を追うのとは全く違う。先ほどの人に武甲山までと言ってしまったのが悔やまれる。これでは、大持山にも辿り着けないのではないか。
なんとか有間山(橋小屋ノ頭)に到着したが、すっかり自信がなくなってしまった。なんだか、ここから、蕨山に戻ってしまいたい気分だ。
しかし、まだ時間は10時にもなっていないし、天気もよく、これから向かう稜線もはっきり見える。少し休憩してから、鳥首峠に向かうことにする。
雪は相変わらず、膝の辺りまであるが、登りと比べると下りは楽だ。ずっと下りならいいけれど、細かいアップダウンが何度も出てくる。登りになると急に遅くなる。
途中、滝ノ入頭の手前辺りは、東側の木がすべて伐採されていた。切られた大量の木が、谷に打ち捨てられているところを見ると、林業での伐採ではないのではないか。ここも武甲山のように削られていく運命なのかもしれない。ここからも北西を見ると、白岩の石灰石の採石場があり、今日も重機が動いているのが見える。
西からの強風が冷たい。風に煽られて東側に雪庇ができている。岩場もあり、気をつけながら進む。稜線沿いのため、雪が積もっていても、道を誤ることはない。
足の筋肉が疲れてきた。まだ6kmくらいしか歩いていないというのに、普段の20kmくらい歩いた時の疲れ具合だ。今日は大持山が限界そうだ。
しかし、鳥首峠に向かって最後の下りに入った所で、突然、トレースが出てきた。どうやら、鳥首峠から有間山に向かって登ってきたけれど、ここで諦めて戻った人の足跡のようだ。
足跡を追って下って行くと鳥首峠に到着した。結局、普段の倍近い時間がかかってしまった。ここから名郷方面に下る道にも、大持山に向かう道にもトレースがある。
岩に座って昼食を取りながら、この先の行程を考える。ここでトレースがあるということは、大持山までは確実に踏み跡があるはずで、その先もすべて踏まれていそうな気がする。
とりあえず、大持山まで進んで、そこで考えることにして進む。
大持山までは、350m程の登りだが、踏み跡を追って行けば、有間山の登りと比べて断然楽だ。途中で、ようやく対向する登山者と遭遇。5人ほどのグループだ。
この先は、雪が踏まれ、しっかりした道ができている。足の調子も回復してきた。
分岐から少し登って大持山に到着。山頂からは、武川山、伊豆ヶ岳方面の眺めがよい。西側には、ひときわ目立つ両神山が確認できた。やはり冬は空気が澄んでいていい。
大持山からエスケープするのであれば、少し手前まで戻り、妻坂峠に下りることになる。そちらにもしっかりしたトレースがあったが、もうそちらに向かう気はなくなっていた。
大持山からは細かくアップダウンを繰り返すと、すぐに小持山に着いた。雪はまだ30cmほどはある。山頂からは武甲山が間近に見える。
シラジクボまで下りる。ここから林道に向かうか迷う。今日はかなり疲れたけれど、武甲山は、すぐ目の前だ。こんなに近くに見えると登らずに帰るのはもったいない気になってくる。
武甲山の北側は痛々しい限りだが、南から見ると、まだまだ立派な山だ。疲れた体に鞭打って最後の200mの登りに入る。南に面しているせいか、雪が減って10cmくらいになり、土が出ているところもあった。
黄色がかった日に照らされながら登って行くと、頂上直下の神社に到着。その手前の屋根付き休憩所で横になると、疲れで、もう動きたくない気分だ。
少し休んでから展望所に向かう。ここからは秩父の町がよく見える。なかなかの高度感と思うが、これからあそこまで歩いて行かないといけないと思うと、先の長さに少し気が重い。
下りは表参道を降りた。よく踏み固められた雪道を下って行く。ここは歩いたことがあるが、雪があると全く印象が違う。やっとのことで林道に降り立った。
ここから横瀬駅まで、薄暗くなった道を、石灰石の処理工場や20匹ほどの猿の大群を眺めながら歩いた。
結局、当初の予定通り、蕨山から武甲山まで歩くことができたが、時間的にも体力的にも、少し無理があったようだ。雪山は低山でも危険が増す。特に、下山時に雪に埋もれた道で、迷うのが危ないと思う。
今回は、後半は盛大なトレースがあったお陰で、遅い時間まで歩けたものの、本来は、もっと早めに切り上げるべきだったと思う。
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