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Yamareco

記録ID: 166731
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
八ヶ岳・蓼科

箕冠山・根石岳(烈風で敗退)

2012年02月04日(土) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
7.3km
登り
606m
下り
606m

コースタイム

5:35 夏沢鉱泉
6:17 オーレン小屋
6:51 夏沢峠
8:13 箕冠山
9:05 根石岳
9:35 箕冠山
10:18 夏沢峠
11:06 オーレン小屋
11:35 夏沢鉱泉
天候 曇り(箕冠山〜根石岳間は猛烈な風)
過去天気図(気象庁) 2012年02月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車
夏沢鉱泉〜(送迎)〜JR茅野駅
夏沢峠。昨日の晴天とは打って変わって硫黄岳の姿は見えず、強い風にときおり雪煙が舞う。安全地帯にいるうちに・・・と、少し早いが建物のかげでアイゼンを装着。
夏沢峠。昨日の晴天とは打って変わって硫黄岳の姿は見えず、強い風にときおり雪煙が舞う。安全地帯にいるうちに・・・と、少し早いが建物のかげでアイゼンを装着。
箕冠山へ向かう。あちらもガスっているようだ。
箕冠山へ向かう。あちらもガスっているようだ。
箕冠山までは樹林帯の中。トレースはあるが、ときどき風で消えてしまっているところも。
箕冠山までは樹林帯の中。トレースはあるが、ときどき風で消えてしまっているところも。
箕冠山に到着。山頂というより、ただの分岐のようだ。
箕冠山に到着。山頂というより、ただの分岐のようだ。
道標が上下二段になっているのは、夏用と冬用?
道標が上下二段になっているのは、夏用と冬用?
箕冠山から根石岳へ、まずは樹林帯を下っていく。わりとはっきりした足跡があるが、今日のものだろうか?
箕冠山から根石岳へ、まずは樹林帯を下っていく。わりとはっきりした足跡があるが、今日のものだろうか?
すぐに樹林帯を抜けると、荒涼とした景色が広がっていた。
すぐに樹林帯を抜けると、荒涼とした景色が広がっていた。
砂礫地帯に出る。この写真を撮って数歩進んだ途端、立っていられないほどの猛烈な強風が真横(西)から吹きつけてきた!! これほど凄まじい風を体験するのは生まれて初めてだ。 
砂礫地帯に出る。この写真を撮って数歩進んだ途端、立っていられないほどの猛烈な強風が真横(西)から吹きつけてきた!! これほど凄まじい風を体験するのは生まれて初めてだ。 
一旦引き返す。このあたりは樹林帯の外なのに、なぜか風はそれほど強くない。今日はここまでで帰ろうと箕冠山まで戻ったが、やっぱり考え直して何としても根石岳までは行くことに決めた(詳しくは感想欄)。再び烈風地帯へ足を踏み入れる。
一旦引き返す。このあたりは樹林帯の外なのに、なぜか風はそれほど強くない。今日はここまでで帰ろうと箕冠山まで戻ったが、やっぱり考え直して何としても根石岳までは行くことに決めた(詳しくは感想欄)。再び烈風地帯へ足を踏み入れる。
通常の何倍の時間がかかっただろう。ものすごい強風の中、なんとか根石岳山頂に辿り着く。
通常の何倍の時間がかかっただろう。ものすごい強風の中、なんとか根石岳山頂に辿り着く。
しかし本当の最高地点は、あの岩の上のようだ。
しかし本当の最高地点は、あの岩の上のようだ。
ということで、風上側から岩場に取り付き(そうすれば強い風が吹いても岩に押しつけられるだけなので)、岩の上まで登る。これで根石岳は登った。今日はここまでだ。
ということで、風上側から岩場に取り付き(そうすれば強い風が吹いても岩に押しつけられるだけなので)、岩の上まで登る。これで根石岳は登った。今日はここまでだ。
再び烈風地帯を引き返して箕冠山へ。思わぬ退却に足取り重く、夏沢峠に戻ってきた。
再び烈風地帯を引き返して箕冠山へ。思わぬ退却に足取り重く、夏沢峠に戻ってきた。
だんだんガスが晴れてきたようにも見えるが・・・もう少し粘っていれば、風も弱くなったのだろうか?
だんだんガスが晴れてきたようにも見えるが・・・もう少し粘っていれば、風も弱くなったのだろうか?
往路を戻って夏沢鉱泉に帰着。これから出発する人たちが向かうのは硫黄だろうか、天狗だろうか。あの強風の中、山頂まで行けるのだろうか。
往路を戻って夏沢鉱泉に帰着。これから出発する人たちが向かうのは硫黄だろうか、天狗だろうか。あの強風の中、山頂まで行けるのだろうか。
以下2枚の写真は、帰りのあずさの車窓から撮ったもの。ほかは晴れているのに八ヶ岳の上だけ雲がかかっている。
以下2枚の写真は、帰りのあずさの車窓から撮ったもの。ほかは晴れているのに八ヶ岳の上だけ雲がかかっている。
八ヶ岳のほぼ真南から。西の斜面を吹き上がった風が上空で雲を作り、八ヶ岳を厚く覆っているのが見て取れる。周囲に風を遮る山のない、八ヶ岳ならではの現象なのだろう。
八ヶ岳のほぼ真南から。西の斜面を吹き上がった風が上空で雲を作り、八ヶ岳を厚く覆っているのが見て取れる。周囲に風を遮る山のない、八ヶ岳ならではの現象なのだろう。

感想

■ 前日のレコ(http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-166483.html)で書いたとおり、今日の予定は:
「夏沢鉱泉から箕冠山、根石岳を経由して東天狗・西天狗へ登り、東天狗で引き返した先週のリベンジを果たす。余裕があれば中山方面へ」
というもの。しかし、凄まじい烈風に行く手を阻まれ、西天狗はおろか根石岳で敗退することになってしまった。

■ 行動時間が長くなりそうなので、まだ暗い5時半に夏沢鉱泉を出発(本当は5時に出発したかったが、準備に手間取ってしまった)。まずは前日も通った樹林帯のルートを夏沢峠へ向かう。木に積もった雪が風に散り、ヘッデンの光芒の中でキラキラときらめいている。ときおり「ぎい〜っ」と風で木の枝がこすれ合う音が聞こえる。思えばこのときすでに上空は風が強かったのだろう。

すっかり明るくなった7時少し前に夏沢峠に到着。ここでも風が強めだったが、まだ当然天狗岳まで行けるものと思っていた。箕冠山までのルートも樹林帯の中なので、あまり風の強さを意識することはなかった。

■ 箕冠山の山頂を過ぎて樹林帯を抜け、砂礫地帯に出た。すると突然スイッチが入ったように、真横(西)から猛烈な強風が吹き付けてきた。立っていられないほどの凄まじい風で、気を抜くと吹き飛ばされてしまいそうだ。耐風姿勢の真似事などしてみるが、緩急なく常に強風が吹き付けてくるので、このままでは一歩も前に進めない。両足を踏ん張って、上体を低くしたままじりじりと前進してみるが、ときどき「ととっ・・・」と二、三歩横によろめいてしまう。

なんとか根石山荘への分岐の看板があるところまで進んだが、こりゃあ駄目だと判断して樹林帯の近くまで引き返す。同じ樹林帯の外でも、砂礫地帯の手前まではさほど風は強くない。なにか地形の関係なのだろう。

今日はここまでで帰ろうと一旦箕冠山まで戻ったが、時計を見るとまだ8時台。「諦めるのは早すぎる」と考え直した。「今日は箕冠山まで行きました」ではあまりに情けない。烈風地帯に入ってから根石岳まではせいぜい200m。どんなに時間がかかっても根石岳までは行こう。

登山道は平坦な広い稜線上にあり、東側の切れ落ちた崖からは少し離れているので、万一風に押し倒されてもいきなり転落する危険はない。また、登山道の両側にコースロープが張ってあったので、それに掴まっていくこともできる。安全性には問題なしと判断した上で(まあ、安全性にもいろんなレベルがあるものだが・・・)、再び烈風地帯へ足を踏み入れた。

■ 足を踏ん張りながらじわじわと前進。フードのバサバサいう音が一層緊張感を煽る。視界はあり、登山道の両側に杭が立っているので道を見失う心配はないが、だんだんと東側の崖のほうへ近づいているようだ。周囲を見渡すと、崖と反対の左前方に標柱らしきものが見える。あれが山頂か、とそちらへ歩を進める。ようやく標柱に辿り着くと、やはり「根石岳山頂」と書かれていた。

しかし本当の最高地点は、その背後の岩場の上にあるようだ。そこまで登らないと気が済まず、風上側から岩場に取り付いててっぺんまで登った。これでようやく根石岳登頂だ。登頂、といっても山頂という感じではなく、登山道の途中にあるちょっとした岩場という感じだったが・・・。

■ この岩場を回り込むと、道は東天狗へと続く。しかしここから先は稜線が細くなり、転倒が即転落に繋がりかねない。そこを通るだけでも危険だし、もし通過できたとしても、この強風の中で山頂直下にあるという岩場を登るのは自分には無理だ。今日はここまでと判断し、来た道を引き返すことにした。

復路ももちろん烈風の中。曇ったサングラスが凍りついて前が見えなくなってしまったので外した途端、風に飛ばされてしまった(幸い2〜3m先に落ちていたので拾うことができたが)。その後はしばらくサングラスなしで歩いたが、うっかり風上を向くと細かい氷の粒が目玉に突き刺さってくる。それでもなんとか無事に箕冠山の樹林帯まで戻ることができた。

■ 昨日の快晴が天国なら、今日の烈風は地獄か。山の持つ2つの顔を見せてくれた今回の山行だった。しかしまたしても、西天狗への登頂ならず。いつか必ず、また再挑戦したい。西天狗まで登らないと、天狗岳に登ったことにならんのだよ。

※今回の山行前に、honsamaさんの下記のレコを参考にさせていただきました。
 http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-156794.html

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