下は快晴、上は大荒れ・・・強風の乗鞍岳
- GPS
- 06:16
- 距離
- 14.0km
- 登り
- 1,211m
- 下り
- 1,221m
コースタイム
天候 | 晴れのち曇り時々雪 上部はとてつもない強風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
大雪渓あたりはアイスバーン多し。 |
写真
感想
遅ればせながら、今年初の本格的な山登り&BCスキー。
大阪から日帰りでちょっときついが、タフな連中なんで大丈夫。
天気予報は曇り時々雪、前日より冷え込み、風も20m/s前後ということで、あまり良くなさ気。
しかしながら着いてみると雲一つない青空、快晴だ。
目指す剣ケ峰もバッチリ見えます。テンションも自然と上がる。
こんな日って結構崩れるんだよな・・・。(そんな予感が現実となる)
リフトを乗り継ぎ、1番にスキー場TOPへ。
準備を整え、いざ出発。
いきなりの急斜面で、しょっぱなからつまづく。
今回、中古で購入した極太スキーを持参。別の板に使っていたシールを貼ったがこれが誤算。
板に対してシールの幅が狭く、思うように登れない。あ痛、た、た、た。(泣)
早々にシール登行は諦め、ザックに縛る。
やはり道具は合ったものを使わねばならないことを痛感させられる。
しかし、いい天気だ。汗も吹き出し、気持ちがよい。
それもここまで。
この天気は長く続かず、雲が出て来たかと思うと、みるみる曇り、風も強くなって来た。
体感気温もかなり寒い。
強風の中、肩の小屋口バス停あたりまでなんとかたどり着く。
バス停付近の避難小屋の陰で風をしのごうとするが、そんなところは見当たらない。
しばし休憩をとり、この後の行動を思案する。
ここで3号は断念し、引き返す。
私とハタヤンは、とりあえず山頂をめざし、肩の小屋へ。
ここから肩の小屋までの道のりが一番辛かった。
肩の小屋の姿が見えたところで別の登山人が撤退を決断した。
(この方とはこれまでの道中、なんどか言葉を交わしていた)
僕らは、とにかく肩の小屋まで行こうと・・・。
さらに風が強さを増してきた。
ザックに取り付けている板が風を受け、身体も何度かよろける。
何度も心が折れかけたが、やっとのことで肩の小屋へ到着。
ハタヤンと顔を見合い、「撤退しよ」と。
肩の小屋を目指しているときは、荷物を小屋にデポして山頂へ・・・とも思ったが
肩の小屋手前で、そんな思いはすでにどっかに飛んで行っていた。ハタヤンの手袋のように。
肩の小屋で風をしのげるところを見つけ(しのげるというかマシなところって感じ)、
下山仕度を整える。
僕はシールを剥がしているときにチートシートが・・・、ハタヤンはオーバーグローブが
吹き飛ばされた。
あっと言う間にガスの中へ消えていったのだ。(予備の手袋を持っていたので最悪の状況は回避)
目標物も見えない霧中、しかも強風のなかの滑走。
平衡感覚も失い、知らぬ間に横になってこけている自分がいる。こんなことが2回。
なんとか肩の小屋口まで下りてくると視界が多少は回復してくる。
ここから下は、風も弱まり、アイスバーンと吹きだまりが交互に現れ滑りにくいがスキーを楽しめた。
フカフカの誰も滑っていない急斜面も現れ、ファーストトラックをつける。
これが、たまんないんだよなぁ〜。
あっそう、奇跡がふたつあったのだ。
ハタヤンの飛ばされたグローブ発見。そしてもう一つは私のチートシートも発見。
ハタヤンのグローブはともかく、私のチートシート、これは神がかり的だ。
こんなところで運を使ってしまうのはもったいない気もした。どうせなら宝くじでも当たってくれと。
って思ってたら、私のBCお決まりのえらい目に合う。
コースをかなり外れ、杉林の中を必死に戻る。
コースに戻ってきたのは、スキー場TOPからの最初の急斜面の上のところ。
またまたかなり手こずったが、本日の肩の小屋の周辺の出来事に比べたら屁でもない。
ここまで下りて来たら晴天であった。
上と下では、別世界であった。
あとはゲレンデをヨレヨレにながら滑り下りた。あ〜疲れた。
第3駐車場のところで、3号と合流。
3号も帰路、いろいろとあったようだ。
湯けむり館で温泉に入り帰路についた。
「くそ〜、いつかリベンジしてやる」と心に誓うのであった。
このまま遭難して死ぬかと思った。3000m級の山の春はまだまだのようです。
この日は強行軍。前日岡山へ1泊旅行、夜の9時帰宅。準備するだけで12時の出発時間に。あかん、身体持つのか?
しかも畳平までバスで行けると思っていたワタシ。冬季閉鎖中ってウソぉ山頂までどんだけかかる?
天気も午後から崩れるという。不安も募る。
不安をよそに現地は雲日ひとつない青空、スキー組2名のテンションが上がるのを見て一人旅を決意。
スキーしないのでリフトに乗るのも初めて。
意外とスピード早いし、リュックがつかえてしっかり座れない、ずり落ちたら悲惨。
ビクビクしながらリフトを乗り継ぎ終点に到着、準備する。
今日はおニューのアイゼンなので少し機嫌よく出発。
スキー組はすごい荷物だけど、そのぐらいの負荷かけてもらわないとヘタレな私は到底ついていけない。
やはり天気が良いと気分も良い。しんどいながらも頑張って登る。
しかし、天候の悪化とともに次第に気持ちが凹んできた。
とにかく寒い。風で舞い上がった雪が顔にビシビシ当たるし、鼻水も凍りそうな勢い。
いったい今何度なんだろう。横風にあおられヨロヨロしながら歩く。
天気はどんどん悪くなる。スキー組はともかく、歩いて下山する私はそれなりに時間もかかる。
しかも一人、迷ったら終わりだなーと思い、バス停で戦線離脱を決意。
「左に向かって下りて行けよー」「はーい」と返事。
来た道を戻っているはずが、いつの間にかコースを外れていたみたい。
風で雪が飛ばされ、トレースもない。自分がどこから来たかわからない。
たしか来る時乗鞍が左に見えたから… えーっと えーっと えーっと…
乗鞍岳を背に歩こうにも山がすべて雲に隠れて自分がどちらに向いているかもわからない。
どんどん視界は悪くなってくるし、思わず泣きそうになる。
吹雪の中で叫ぶ織田裕二の姿が脳裏に浮かぶ。これは、ホワイトアウトか?(たぶん違う)
必死に乗鞍岳の左側にあった山の姿を探し、それを背に歩く。
ムッ?遠くの方に人影が見えるような…
雪山を転がるように下り、四つん這いで登り、ようやく人影がいたあたりにたどり着く。
と、上から別のスキーヤーが下りてきた。天の助け。
彼のスキーの跡を追っていくと人がいた〜。半泣きでゲレンデはどっちか聞く。
帰る方向がわかり、一安心したところで気がつく。
もしかしてサングラスのせいで周りが暗く見えていた?私って恥ずかしい奴。
そこからは気分も上がり、鼻歌交じりにザクザク下りる。
途中すれ違う人にあいさつしたり、話したりする余裕も出てきた。楽しい。
リフトのチケット売り場の人が
「アイゼン履いててもゲレンデ歩いて下りていいですよ」と言ってくれたけど、さすがに気が引ける。
時折ゲレンデを横切りながら、基本は隅っこの方をつぼ足で歩く。
ご機嫌で駐車場に到着。ベンチでコーヒー飲みながらまったりしているとスキー組が帰ってきた。
おや?思ったより早い。さすがだな〜と思って見ていたら、かなり疲労しているみたい。
話を聞くと色々あったようで…。
リベンジは当分やめましょうね。
ピークハントしてないぞ〜
あかん、山頂なんぞ行けたもんじゃなかったで。
死ぬ気で行ったら、死んでまう〜 って感じやった。
またこんどリベンジします。
って、もう2回は登ってますけど
やるなー、まけへんで!
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