黒森山
- GPS
- --:--
- 距離
- 12.6km
- 登り
- 662m
- 下り
- 679m
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2007年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
2007年6月2日。
乙部三山最高峰の黒森山に登ってきました。
この日は久しぶりに休みの日に晴れてくれたので登る前からウキウキしていました。
大ヶ生地区をさらに奥に入っていき、昔の鉱山跡の万寿坑跡へと向かいます。
あちこちに看板が出ているので、マイナーな山にしては迷うことなく登山口へ行くことができます。
万寿坑見学者のための駐車場の片隅に車を置かせてもらい登山開始です。
ん?
古酒貯蔵庫?
…こ、これは気になるなぁ…。
下山したら見てみようかな…。
車を停めた場所から、さらに奥に向かって舗装道路を歩きます。
しばらくすると虫壁林道への分岐があります。
黒森山登山口の案内表記もあるので従います。
すぐに車両の通行を規制するチェーンが現れます。
南京錠で固く施錠されているので入って欲しくない度は高めのようです。
こちらは徒歩なので普通に乗り越えますが、この先へも車が入れたらもっと楽なのにナァ、と思わずにいられません。
車両の通行を規制している割には路面の状態も良いんですよね〜。
林道沿いには沢が流れています。
この沢はこの先ずっと道に沿って流れているのですが、これのおかげで冗長な林道歩きに対するうんざり度が緩和されます。
地元自治会などによって看板なども整備されています。
ありがたい♪
鍋倉の滝って言われても、見えないって(笑)
薮の向こうから水音が響くばかり…。
途中、集落の上水の揚水施設がありました。
多分、これがあるからあまり車に入ってきて欲しくないんですね。
不法投棄でもされたら大変ですからねぇ。
この揚水施設を過ぎると、途端に林道は荒れ始めます。
普通車ではちょっと進入は厳しいでしょう。
沢の流れも勢いを増していきます。
途中、何カ所か分岐している箇所がありますが本道以外は道が消失していたり、落橋していたりで通ることができないため迷うことはないかと思います。
分岐を一つ過ぎるたびに、どんどん道が悪くなっていくような気もしますが…。
姥湖清水という水場があります。
この道を下山路に選んだ人にとっては汗を拭うのに良いでしょうね〜。
残念ながら今は飲み水をたくさん持っているのでここはスルーです。
しばらく進むと沢の水音が変化します。
なんだろなーと思って薮を覗き込んでみると……おお、滝がありました。
「ガロの滝」です。
歩き始めて40分。
ガロの滝に到着しました。
ここまではだいたい標準コースタイムどおりに来ることができました。
なにやら看板が設置されています。なになに?
「この上の橋は老朽のため、車輌の通行禁止」
…それ以前に、ここって軽自動車でも無理じゃないか?
っていうか、ここに来る道がすでに廃道同然のような気が…。
ジムニーですら無理っぽいガレ場が何カ所かあったし。
この看板が何を意図して作られたのか分からないまま先へと進むと…
橋って、コレ?
いやいやいや! 車輌どころか徒歩でもやばいでしょ、コレ!
落ちていないのが不思議な程の腐れっぷり!
し、しかし「車輌通行禁止」とは書かれていたけれど「徒歩での通行禁止」とは書かれていないわけで…。
やばい…、ものすごく渡ってみたくなってきた…。
ただ、今日は一人山行。
期待通り「ばきっ、どぼん」をやっても誰も見てくれない…。
っていうか、見てくれないどころか、それをやった瞬間
「登山続行不能! とっととお帰り下さい」
状態になること必至。
ここは大人しく、安全に渡渉しておきましょう。
ガロの滝の近くから深沢登山道と峠登山道が分岐しています。
ここはガイドブックに従い、深沢登山道を進みたいと思いますが…。
これ、道か?
いや、ちゃんと標識もあるし、地図を見てもこっちの筈なんだけれど…。
倒木によって隠されているなんて、ゲームの隠れステージのような登山道です。
倒木をくぐり抜けると、一応道らしきモノがあるのですが滑りそうな岩の上を縫って歩かねばならず、ここで少々ビビリが入りました。
沢登りチックな道は、最初だけでした。
いや〜、これがずっと続いたら厳しかったな…。
あちこちに山つづじが咲いています。
一面の緑の中に、赤い色のアクセントが映えます。
途中、いくつも沢が分岐しています。
そして、そのどれもが踏み跡を伴って続いているというちょっと怖い状態です。
これでもかと言わんばかりに標識が建てられているのは、やはり道迷いが頻発したからなのでしょうか。
ある程度まで沢を登り詰めた登山道は、唐突に向きを変え、物凄い急傾斜で一気に尾根筋を目指します。
かなり強引な道の付け方だなぁ。
一度尾根まで上がってしまえば、先ほどの沢登りとは打って変わって明るい稜線上の登山道となります。
急傾斜と緩傾斜をくり返しながら、徐々に高度を稼いでいきます。
進むほどに傾斜は急になり、道幅も狭まってきます。
いよいよ頂上近し?
あと少しで頂上というところで、一人の登山者とすれ違いました。
今回の山行で唯一出会った登山者でした。
12時ジャスト、ちょうど標準コースタイム通りの所要時間で頂上に到達しました。
私にとっては珍しいことです。いつもコースタイムは超過してしまいますから。
先週の早池峰登山で学んだことが生かされてきたって事でしょうかね〜。
頂上にはベンチとテーブルが用意されていました。
山ツツジの群落もありますが、残念なことにほんの少しだけ時期が早かったようです。
もうすぐ咲きそうなつぼみでした。
頂上からはぐるっと周囲を見渡すことが出来ます。
先週登った早池峰方面だけは、残念ながら薮に覆われて見ることができませんけどね。
今日は良く晴れているので気持ちが良いです。
頂上で昼食&休息です♪
平和な昼食タイムが終わり、そろそろ下山しようかと撤収準備をしていると突然背後の茂みがガサガサっと大きく揺れました。
頂上直下に別の登山道があるため、最初は誰か登ってきたのかなと思っていたのですが誰も登ってくる気配がありません。
そして再びガサガサっと茂みが揺れます。
明らかに風ではないし、木の揺れかたから見てキツネや狸のような小動物でもありえません。
ゾクっと来ました。
こ、これはもしや…。
とりあえず、大急ぎで荷物をまとめ、いつでも動けるようにすると熊鈴を鳴らしたり、わざとらしく大きく咳払いをしてみたり…。
それでも「何かが居る」気配は消えてくれません。
1.5mくらいの木の棒を見つけたので、それを手に取り付近のイスや看板などを叩いて大きな音を出してみました。
するとその「何か」は、ガサガサと茂みを揺らしながら移動し私が登りで使った登山道を横切り、そして道がない薮の中へと移動していきました。
や、やっぱり人間じゃなかったか!
熊か鹿か…、熊でなかったら問題ないのですが、なんとも判断しがたく、いずれ長居は無用ということで大急ぎで撤収することにしました。
しかし、今「何か」が居た方向に下山しなくてはならないため、これは相当に緊張しました。先ほど手に入れた棒で、そこらじゅうの木を叩いて音を出しながら進むことにしました。
しかも下山路の重石コースは薮っぽく、あまり視界が良くありません。
出会い頭に「何か」に遭ってしまったらと思うと、茂み一つ掻き分けるのも物凄いストレスです。
また道がはっきりせず、それも重くストレスとしてのし掛かってきます。
こういう時は努めて冷静にならなくては…。
自分が浮き足立っているのが分かるのですが、いかんともし難いものがあります。
ようやく「黒森大権現」の立て看板を発見し、道を間違っていない確信が得られてほっとしました。
ここまでくると道もはっきりしてきて、まずは一安心です。
ただ、先ほどの後遺症で
「この岩の蔭に「何か」が居たら…」
とか、ついついろくでもない事を考えてしまい落ちつかないので
チラ見して、すぐに下山を再開しました。(←小心者)
湧き水が豊富な山なのか、途中何度も小さな沢に出会いました。
背の低い植林帯を抜けると林道にぶつかります。
車が走った形跡もあり、少し…いやだいぶ安心しました。
この林道とは別に登山道は再び林の中に細く続いているのですが、もう視界が効かない林の中に入っていく気持ちは湧かず林道をトレースして下山することにしました。
林道をかなりのハイペースで下山し、真新しい砂利が敷かれた基幹林道に合流。
「登山道」と書かれた札があって、正規の登山道を示していますが…どう見ても薮だよ〜。
もしこっちから登ろうと思って来ていたら引き返したくなっただろうな〜。
しばらく歩くと舗装道路になります。
昨今は林道でも立派な舗装がされていることが多く、この時はあまり疑問に思わなかったのですが、実はここで道を間違えていたのでした。
道間違えに気付かぬまま
「山里の風景もいいね〜。ノスタルジイだなぁ。」
などと、呑気なことを思いながら歩いていきます。
デリネーターに「都南村」の文字が残っていました。
しばらく歩くと県道にぶつかってしまいました。
…県道? なんで??? 林道を周回して元に戻るはずなんだけど…。
あわてて地図を見直すモノの時既に遅し。
どうやら林道は改修されていたようで、黒森山の裾を周回する林道との分岐を見逃してしまっていたようです。
下山してから道に迷うとは…orz
結局、大きく迂回することを強いられ、アスファルトの道を延々歩きました。
4〜5劼らいは歩いたんじゃないでしょうか?
しかも普通の県道を完全山装備で(笑)
照りつける太陽と、アスファルトからの輻射熱で死にそうになりながら車りました。
もう何をする気力も湧かず、あっけなく退散となりました。
往路の深沢コースは変化に富んでいて面白かったものの下山路の重石コースは、色々な要素が絡んでとにかく苦痛だった…それが黒森山に対する私の印象でした。
行きと帰りの印象がこれほど違う山も珍しかったです。
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