羽後朝日岳 和賀山塊の秘峰を歩く
- GPS
- 08:39
- 距離
- 17.4km
- 登り
- 1,304m
- 下り
- 1,297m
コースタイム
0749 渡渉点
1040 沢尻岳
1134 大荒沢岳
1209 羽後朝日岳
1240 出発
1314 大荒沢岳
1351 沢尻岳
1548 駐車地点戻る
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
一番奥の民家からひとつ手前の民家が所有者。快諾を得た。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
*羽後朝日岳1376mは、和賀山塊の秘峰と呼ばれる。沢以外稜線に夏道はなく、残雪を利用していくのが一般的だ。岩手側の貝沢集落からだと往復で17キロはあり、健脚向きのルートとなる。 *この時期林道の除雪は、最終民家まで。お断りをして止めさせてもらった。 *今回登りは直登の冬尾根をとったが、2回渡渉があった。GPS軌跡を後で見るとちょっと遠回りしたようだ。渡渉は、朝は靴が濡れる程度だったが、帰りは脛までに増水。スパッツを固く巻いて、ジャブジャブと入る。水は侵入しなかった。 *稜線までは急登が二箇所。稜線で夏道と合流すると展望の尾根を歩くが、雪堤は崩れ始めており、来週は厳しいかも。夏道が10m程度でており、ワカンのまま突破。 *沢尻の登りは問題ないが、大荒沢の最終上りでは、頂上の大雪庇を超えられそうになく左にトラバースしながら雪庇を避ける。 *大荒沢から羽後朝日への道は、右の雪庇に注意しながら急斜面を降りる。かなりの登下降に見えるが実際はそれほどでもない。 *山頂は360度の大展望。岩手山、八幡平、秋田駒、森吉山、和賀岳、鳥海山、高下岳、焼石連峰、早池峰が全部座ったままで見えた。 *アイゼン、ピッケルの重装備だったが、今日は必要なかった。全てワカンで。雪の締まったうちに牧場を突破したかったが時すでに遅し…出だしから消耗。大荒沢トラバース時に念のためピッケルを出す。 *本日は、二人だけの貸切登山。下の方にスノーシューの跡があったがお見かけしていない。 *長く遠い道。最後の牧野歩き、暑くて堪えました。 |
写真
感想
*私より二回りも若い秋田のtooleさんとの親子パーティ。3月の翁以来である。前回の不完全燃焼の思いを晴らすべく、和賀の秘峰、夏道のない羽後朝日岳を目指した。アイスバーンの稜線を予想し装備と心の準備は万全だったが…、思いがけず気温が上がり、滑落の危険はなくなったものの、雪庇の崩壊や腐れ雪のラッセルなど新たな問題が発生。なんとか登頂を果たし、予定時間で無事に下山できた。標高差は先週pamir88さんと歩いた毛無森よりやや少ないが、17キロのロング山行。体力勝負の山だった。私を励ましてくれた若くパワフルなtooleさんに感謝、登頂させてくれた山の神様に感謝である。
*前日は2時間ほどしか眠れず、朝の3時半に起床。寝不足と仕事でたまった疲れで胃の調子が悪く、最初の尾根に取り付くまでに結構消耗。ペースを落としてじりじりと登っていった。稜線は最高の展望で、体調もやや回復。誰一人いない道、トレースの全くない尾根を歩く喜びに、再び気力が満ちてきた。もっとここにいたい、もっと歩いていたいとさえ…いつまでも忘れられない山行となるだろう。
*シニアハイカーの自分にとって、県外に出るときはどこも「一期一会」の登山である。二度と来れないだろうと思うから、一つ一つ心を込めて登りたい。今回は長く辛い登りだったが、下ばかりを向かず顔を上げて山を見ながら登った。快晴の春の一日に、憧れの羽後朝日岳を歩くことができて本当に幸せであった。
茹でた蛸のように赤く日に焼けた顔を人に見られる度にこの山行の話をするが、今のところこの山を知る人は僕の周りにはいない。和賀山塊という山域の名前さえもみんな知らないのだ。でも多くの人がこの山のことを知らなくても特に困ることはないし、あの青空の下、名峰を眺めながら歩いた風景が色褪せることはない。稜線を歩くと次々と現れる名峰たちに、羽後朝日岳の懐の深さに、僕は圧倒された。
”秘峰”という言葉の響きに僕は弱い。いったいどういう山がそう呼ばれるのか。人を寄せ付けないほど難しいルートとはどんなルートだ? そこからどんな景色が見えるのか? 思えば想うほど僕にはこの山がミステリアスで魅力的に映った。
いつの日か一人で挑戦しようと考えていたが、最近の僕は別の山のバリエーションルートに気が向いていて羽後朝日の存在をすっかり忘れていた。kiyoshiさん、誘ってくれてありがとう。憧れの羽後朝日岳を歩けて僕も幸せでした。
何と言うか・・言葉が見つかりません・・・
感動しています・・
見たことのない景色に圧倒され、興奮して写真を拝見しました。
しかしkiyoshiさんのコメントにはジン・・ときましたよ。
私も「一期一会」という気持ちで山に登っていますが、「下ばかりを向かず顔を上げて山を見ながら登った」というコメント、本当にそうだなって思います。
tooleさん、先日、「見ていてください」とコメントしていた山は、羽後朝日だったのですね
「いつかきっと、あの高みへ」とコメントしていた山へ、登頂おめでとう
幸せな時間を共有したお二人に、心から拍手です!!
さっそくのコメントありがとうございます。
なんとか無事に行ってこれました。
山の神様とお天気の神様のおかげで、素晴らしい稜線を堪能できました。長くて暑くて大変でしたが、それ以上に充実感で一杯でした
kamadamさんやtoooleさんの秋田内陸からだと、ホームの山域ですね。私にははるか遠い山でしたが、やはり「秘峰」の魅力には抗えません
登りたい山は沢山あるので、ここを再訪するのはずっと先になるかも…でも自分の中ではベストの山となりました
気持ち良さそうです。山深いところが良いでね。
kiyoshiさん、岩手以南の東北の山はほとんど登られたのでしょうか。次はどこを目指すのですか 。
パミルさんのおかげで、多少自信を持って氷結の稜線に臨みましたが…ちょっと拍子抜けでした。
快晴の中、奥深い和賀の山並みを満喫できました
東北南部もそんなに登っていないんですよ
春山ロング可能ならもう一つと思っていましたが、週末は雨の様子。一気に解けてくるので厳しいかもしれませんね
また、ご指導を受ける機会があれば、遠くへでも参上いたします
これは素晴らしい!
ただただ羨ましい限りです。
憧れの山のてっぺん、本当におめでとうございます
コメントありがとうございます。
結構疲れました〜
いい山まだまだたくさんあるから、東北南部でまたご一緒しましょう
GWの予定送ったから、じっくり検討してくださいね
・・・仕事中のkiyoshiより
深い深い青い空、真っ白な雪原、お二人を囲む名峰・・・。
本当にすばらしい記録拝見させていただきました。
この日、kiyoshiさんのお誕生日山行かな?(前祝とか・・・)なんて勝手に想像していましたが、このような至福の時間を過ごされていたとは!
秋田駒ヶ岳〜岩手山、縦走できるんだよね。なんて主人と話していたので二つの山がつながっている写真には感動です。
そして和賀山塊、山歩きを始めるまではまったく知らなかったその山々、今年はぜひ訪れたいと思っていたので、もうたまらない気分になってしまいました。勝手に呼ばれた気分にすでになっています
kiyoshiさんとtooleさんの感想、なんだかぐっときてしまいました。
ずうずうしくも私もそんな気持ちで山に臨んでいるよと。
下山して山を見上げた時、どんな時でもいい時間をありがとうとつぶやく。みなさんそうなんだなぁと思ってとても嬉しくなりました。
忘れられない時間をお互いに過ごしていきたいですね。
これからも心にストライクの記録、楽しみにしてます!
お誕生日は明日です といってもここ数年忘れられていますがね
和賀はなかなかワイルドで好きな山域です。特に岩手側からの和賀の登山道、川の渡渉…目が点になります、足が痺れます
keen2さん、最近とっても健脚になられたので、大丈夫。
私が保証します(但し自己責任で )
ところで、この日の羽後朝日は本当に天気に助けらた雪山ハイキングでした。私たちは雪山初心者なので、吹雪けば難しかったと思います。いつも準備をしっかりして雪山にはいらなければと、改めて思っています。
kamadamさん興奮しないでください(笑)
kiyoshiさんも前日眠れなかったとコメントされてますが、実は僕も山行の前夜はよく眠れませんでした。
快晴の山行を想い描いて興奮して眠れなかったのです。
kiyoshiさんの眠れなかった理由は僕とは違うと思いますけどね。
kamadamさん、僕が「見ていてください」と行った山はまだこれからです
kiyoshiさんと偶然にも同じバリエーションを考えていたのです。
楽しみにしていてください。
和賀の山々を歩きながらkiyoshiさんはずーっとpamir88さんのお話をされていましたよ。
pamir88さんとの先週の鶏頭山〜毛無森の山行がkiyoshiさんはよっぽど印象的だったんだと思いました
今回の山行はアイゼン使えなかった(使わずに済んだ)のが一番の誤算だった?かもしれません。
今度いつの日かpamir88さん直伝のアイゼンワーク教えてもらいます。
コメントありがとうございます。
mokkedanoさんともいつの日かご一緒でしたいですね。
やっぱり山形と秋田の県境辺りがいいのかなぁ、なんてkiyoshiさんと話していましたよ
楽しみにしています。
yamaya7さんも出てこないかな〜
はじめまして。
僕も山頂でkiyoshiさんのお誕生日をお祝いしようかと一度提案したのですが、あんまりそんな余裕がなかったというのが本音でしょうか
山行の翌日は僕も誕生日だったんですけどね。
kiyoshiさんとは二日違いなのでした。
この山行自体が山の神様からのプレゼントだったのかもと僕は勝手に思っています
和賀山塊ですが、山の懐が深いので静かな山行を楽しまれたいのであれば東北では屈指の山域と思います。
ただ冬期は本当に厳しい気候の山域です
お天気の神様がkeen2さんとma-kuroさんに微笑んでくれることを願っています。
お疲れ様でした。
堀内沢からマンダノ沢とつないで
計画した朝日岳
寄り道した和賀岳帰りの怪我
想い出します。
この時期なのですね
ため息ばかりの写真の数々
う〜ん、素晴らしい
kazikaさん、東北の山と沢全部歩いてるから話が早いや マンダノ沢覗いて、あ、これがkazikaさん上がってきたところだな〜って思ってましたよ 怪我の件記録にありましたっけ、もう一回読んでみようっと 全く同じ年とは思えません、スーパー仙人
そうそう、誕生日おめでとうございます〜
ここは夏でも人はほとんどいませんが、今回は本当に一人もいませんでした〜裏側の薬師岳をkamadamさんが歩いておられましたけど
今回ご一緒したtooleさんは、山梨におられて丹沢や南アを歩かれていた方、いろいろお話をお聞きしました。
さてさて、今年は会津に入りますよ〜
羽後朝日、沢を詰めて登られたんですね〜
スゴいですね
山頂から沢すじを眺めましたが、傾斜が違いましたよ
こんな所登ってくるんだねってkiyoshiさんと話していました。
沢登れる方が羨ましいです
今頃になって参上です。
kiyoshiさん、改めましてお誕生日おめでとうございます。
pamir88さんの次はtooleさんとですね。
素敵なコラボが続きますね。壮大な写真と、印象的なセリフにはいつも圧倒されます。
tooleさん、kiyoshiさんとの夢のような空中散歩、お疲れ様でした。
雪山ロング、予定時間内に戻って来られるのは流石ですね。
tooleさんの写真とセリフは、愛が溢れていて大好きですよ。
コメントはいつでもOKですよ〜ありがとう。
誕生日はもう過去のことなので・・・
壮大な写真と印象的なセリフは、tooleさんね
私は淡々と登って、食って、降りてくるだけよ〜 愛が枯渇しちゃってるから
それより、夏山始まりましたよ。
6月くらいにどこかご一緒しましょうか
コメントありがとうございます。
今思い返してもあれは夢だったのかもしれないと思うほどの空でした
予定通りに事が運んだのはすべてkiyoshiさんのおかげですからね
もし僕一人だったら、写真を撮るのにのんびりしすぎて日が暮れていた事でしょう(笑)
いやいや、いつも愛に満ちているyamaya7さんだからそういう言葉が出てくるんでしょうね〜
僕はあいにく "愛" は持ち合わせておりません
あるとすれば、"哀" の方ですかね〜
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