nature trip(^^♪梅雨の合間に尾瀬沼&燧裏林道

- GPS
- 11:13
- 距離
- 31.0km
- 登り
- 717m
- 下り
- 917m
コースタイム
- 山行
- 5:51
- 休憩
- 1:52
- 合計
- 7:43
- 山行
- 3:10
- 休憩
- 0:18
- 合計
- 3:28
1日目の桧枝岐小屋での休憩中にGPSが暴れていて、2kmくらい距離が上増しされています。
| 天候 | くもり |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2019年07月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
御池駐車場 →1,000円/回の有料ですが、尾瀬檜枝岐温泉観光協会加盟の施設に宿泊すると無料になります。チェックイン時などに申告するとコインを貰えるので、駐車場を出るときに駐車券とコインを入れます。 【バス】 会津バス 御池→沼山峠(590円) →御池〜沼山峠はマイカー規制のため公共交通機関でしか通れません。 季節にも依りますが、バスは5:30から運行しており、概ね30分間隔で運行しています。 |
| コース状況/ 危険箇所等 |
【コース概況】 1)沼山峠〜尾瀬沼ビジターセンター 全線に渡り木道が整備されています。 2)尾瀬沼ビジターセンター〜沼尻休憩所(尾瀬沼南岸経由) 部分的に木道の整備された道ですが、朽ちている木道が多数あり、やや歩きにくい道。 斜めに傾いているものもあり、雨後などは余計に歩きにくいと思います。 高低差こそ小さいもののアップダウンがあるので、山歩きに慣れていない人は通らない方が賢明と思います。 これといった見所にも乏しいので、好んで歩く理由はあまりない・・・? 3)沼尻休憩所〜見晴 大半の区間は木道が整備済みです。 一部、湿原を通過しますがそれを除くとあまり展望のない道。 橋が一部壊れているところもありますが、特に通過に支障はありませんでした。 4)見晴〜三条の滝 主な案内には、「片道1時間半、往復3時間(休憩除く)」と紹介されているので、所要時間的にちょっと気軽には行けないかも。 道の状況は、急な階段の登り下りあり、雨後の泥濘あり、小刻み且つ複数のアップダウンありでハイキングコースのレベルではなく登山道の実質の印象でした。 5)見晴〜御池(燧裏林道) 燧裏林道は裏燧林道とも呼ばれていることがあり、呼称が混在している模様。 御池寄りのところにいくつか「○○田代」と名の付く湿原がありますが、そこを除くと展望はほとんどなし。 沢を超えるのに下っては登ってを繰り返すので、地味に体力を使います。 沢を超える橋は、しっかりとした作りのものから角材を数本渡しただけの簡易なものまでいろいろ。 尾瀬ヶ原に出るまで途中に水場やトイレ、売店がなく、休憩適地も少ないので山歩き慣れした人向けだと思います。 【トイレ】 御池・沼山峠・尾瀬沼・沼尻休憩所・見晴・温泉小屋 【水場】 尾瀬沼ビジターセンター前・長蔵小屋前・見晴 |
| その他周辺情報 | 【温泉】 燧の湯 内湯・露天風呂 貴重品ロッカー・ドライヤー・ボディソープ・シャンプーあり 福島県南会津郡檜枝岐村檜枝岐村上ノ台208-1 筺0241-75-2290 営業時間 6:00〜21:00(最終受付20:30) 火曜日のみ 12:00〜21:00(最終受付20:30) 料金 大人 500円 子供 250円 |
写真
傾いた木道とか普通にあって、歩きにくい(・・;)
今回はmont-bellのリバーシブルグリッパーを使って滑り止めにしていますが、麻紐を靴に巻きつける方法もあります。
麻紐ならもし千切れても土に還ります。
もともと100円だったのが、200円になったのかな?
払わずにいる人いそうだし、いろいろコストも掛かるでしょうから・・・。
こういうときのため、尾瀬では小銭があったほうがいいですね。
ひと安心できる道に着いたので、ジュースを買って一息入れます。
なお、山の中ですから、値段の相場はいずれも500円前後。
何よりも、「冷えている」のが有難いです(^^♪
ビールが欲しくなりますが、ガマン我慢(^o^;
ちなみに三条の滝は片道1時間30分、往復3時間30分。
慣れた人ならそこまでは掛からないとは思いますが、それでも気軽に行くにはちょっと遠い距離かな。
沼山峠から鳩待峠へ抜けられるバスの乗車券があるようです。
生憎、自分の場合は東京から行くわけじゃないから変わったアクセスになるけど、それを使った山行計画を立ててみるのも面白そう。
尾瀬に行きたがっている友達がいれば、オススメできそうですね。
お酒は缶ビールのほかに、ハイボールとチューハイあります。
缶ビールはアサヒとキリンの両方があるのがいいですね。
飲み慣れているアサヒが自分は好きですが、キリンの一番搾りも捨てがたいな(^^♪
周りの人も、皆カメラを手に、シャッターを切っていました。
誰もが呆気に取られる、そんな光景が目の前に。
本当にラッキーでした。
こういう一面に出逢えるからこそ、山の夜は素晴らしいものになります。
日頃の行いが悪いはずなのに、こんな幸運に逢っちゃっていいのかな?(^^;
そう思うと、数年に一度来るだけじゃ勿体ないような気がしてきます。
いろんなときに来て、いろんな表情を見たい。
一般観光客とは違って、それを可能にする装備と体力があるのだから、来ないのって勿体ない気がするのですね。
装備
| 個人装備 |
ヘッドランプ(1)
折畳傘(1)
1/25000地形図(1)
虫除けスプレー(1)
シルバコンパス(1)
熊鈴(1)
筆記具(1)
保険証(1)
飲料水
ティッシュ(1)
医薬品類(1)
タオル(1)
雨具(1)
携帯電話(1)
計画書(1)
ウェットティッシュ(1)
腕時計(1)
食糧
携帯用簡易トイレ(1)
ツェルト(1)
調理用バーナー(1)
バーナー用ガス(1)
行動食
コッヘル
チタンカップ(1)
着替え
|
|---|
感想
今朝のことが、遠い昔のようだ。
平和で穏やかな山の夜。
枕に頭を乗せると、今日一日のことが頭をよぎる。
スマホのアラームで目覚めた車中泊の朝。
御池から沼山峠へ向かうバスの道中で、運転手さんが気を利かせてバスを止め、撮らせてくれた写真。
グチャグチャで歩きにくかった尾瀬沼南岸の道。
それらは全て今日という同じ一日の中にあったはずなのだが、全然そういう気がしない。
5才の女の子に叱られるのがウリのNHKのある番組では、一日が短く感じられるのは受ける刺激が少なくなったからだと解説していたが、それなら山ではどうだろう。
刺激がありすぎて一日が長く感じてしまう、ということになるだろうか。
何もかもが自分への刺激になる、なんてことはやはり山以外では起こり得ないな。
眠りに落ちながら、そういうことを考えていた。
平日だからなのか、天気が余り良くないからなのか、バスを降りた沼山峠は予想外に静かだった。
何せ、満車で次の一台を促されることすら想定していた御池から沼山峠へのバスは、自分を入れて乗客は3人だけだったのだから。
とはいえ、これは嬉しい誤算だ。
グループの後ろを付いて、行列の一部となりながら歩かざるを得なかった前回と違い、今度は自分のペースで歩くことができる。
辺りに咲くワタスゲやタテヤマリンドウにカメラを向け、思い出の一枚を撮ろうと立ち止まっても、誰か通る人がいたりしないだろうかと後ろを気にしなくて良いのは何とも気が楽だ。
時折見覚えのある眺めに前回のことを回想しながら歩き、尾瀬沼ビジターセンターのベンチに腰を下ろすと、行動食をザックから取り出して口に入れた。
沼山峠、大清水、燧ヶ岳、尾瀬ヶ原など各方面へ伸びる道が集まる、尾瀬における交通の要所とも言えるこの地は、とても施設が充実している。
山小屋にトイレ、休憩所を備えた売店に水場、テント場、そして尾瀬沼ビジターセンター。
さらにはカフェまでもがある。
日の高い時間帯なら人で賑わうであろうこの場所も、午前8時前とあってはさすがに静かな佇まいを見せている。
既に営業を始めている売店に、山という地を日々の営みの場所にする人間の朝の早さを感じながら、せっかくなので尾瀬沼ビジターセンターに足を踏み入れた。
館内は、山の中であるにも関わらず、それを感じさせないほど明るく綺麗に整頓されている。
内部の写真だけ見せられたら、まさか山の中の施設だとは思えないだろう。
歩荷さんや熊の生態、尾瀬のことなどに触れた展示物は、街中にあるような資料館や歴史館と比べても全く遜色がないくらい充実している。
やはり尾瀬は特別だ、と感心しながら尾瀬沼を発った。
ここからは尾瀬沼南岸を進んでいく。
尾瀬沼南岸にも尾瀬らしく木道が敷かれてはいるものの、朽ちかけていたり斜めに傾いたりして、整備状況はやや劣り歩きづらい。
特に濡れた木道は滑りやすいことこの上ないので、足を置く場所には注意を払わなければならない。
だが、尾瀬沼で靴に装着しておいたmont-bell リバーシブルグリッパーが効果を発揮し、転倒することも不安を感じることもなかった。
かゆいところに手が届く装備があるのは、さすがmont-bellといったところだろうか。
時折右手に尾瀬沼の水面が現れるが、それ以外に眺めらしい眺めは余りなく、黙々と歩を進めていく。
雨でグチャグチャなところもあるが、ゲイターさえ着けていれば平気だ。
山小屋で泊まることにしている日は、山小屋の寝具を汚したくないので、ゲイターは例え晴天であろうと自分の中では必需品である。
空いていて静かな尾瀬沼南岸を抜け出ると、湿原が一気に広がりを見せ、その中に綺麗な木造の建物が現れた。
沼尻休憩所だ。
沼尻休憩所は2015年に火事により焼失してしまったが、2018年6月に再建が完了し、現在は売店が営業している。
きれいな木造のテラスは、まるでカフェだ。
売店内の自販機で買ったソルティライチでさっぱりと喉を潤したら、トイレを済ませ、見晴までの区間に足を踏み出した。
ここを抜ければビールにありつくことができる。
何だか呑兵衛みたいな思惑が頭をよぎるようになるが、これを楽しみに歩くことができるのも今夜の宿が約束されてこそのことだ。
普段、車で日帰り登山ばかりしているので、お酒のことを楽しみにできるのはこうした宿泊を伴う山行のときだけなのである。
自分と同じように見晴へ向かう子どもたちのご一行を交わすつもりが、行列のど真ん中にハマってしまい、停滞してしまう誤算はあったものの、キツい登り下りのない道にサクサク進み、高まる期待とともに見晴に着く。
見晴は、尾瀬ヶ原の奥座敷のような場所に数軒の山小屋が立ち並ぶ、山小屋銀座とでも言うべき界隈である。
山小屋だけでなく、公衆トイレや水場、キャンプ場もあり、尾瀬で一番の要所とも言えるかもしれない。
泊まるのにどこにしようか迷ってしまうくらい何軒も山小屋があるが、今回はその中で桧枝岐小屋に宿泊を予約していた。
時刻は10時半くらいで、朝食が朝早かったことを考えれば、もう昼食にしても良い時間帯だ。
尾瀬の山小屋はその多くが昼食の提供をしているが、桧枝岐小屋もまた例外ではなく昼食営業をしている。
どんなメニューがあるかな、と店を覗いてみると、「焼肉定食」の四文字に目が留まった。
もう、これしかない。
白飯を焼肉とともに頬張り、味噌汁で流し込む幸せに、言葉もなくただ箸を口へと動かし続けた。
尾瀬最高。
ビールも一緒にいただきたくなるが、それは後に取っておこう。
ついでに、チェックインも済ませておく。
通常、宿泊の受付は午後○時からとか指定されている山小屋が多いので、大丈夫なのかおずおずと聞いてみると、午前中でもあっさりとOKを得られ、早速手続きを済ませる。
さらにビックリなことに、今晩の宿泊客は自分一人だけということを聞く。
事実上の貸し切り、というわけで、こんなことは初めてである。
それも、尾瀬の山小屋で、だ。
すぐにでも部屋でゴロゴロして貸し切り状態を満喫したかったが、まだ12時前だったので三条の滝を見てくることにした。
あちらこちらで三条の滝の案内があるので、近いような印象を持ってしまっていたが、実際に行ってみるとやはりすぐには着かない。
途中の休憩所で荷物を預かってもらうこともできるが、雨具がないと不安な天気だったのでザックを背負ったまま向かう。
三条の滝までの道は泥濘や細かいアップダウンで思いのほか歩きにくかったが、梅雨の雨で水量がダイナミックに増した三条の滝は圧巻だ。
見晴に戻ると時計は14時頃だった。
思いのほか自由時間が多くできたので、そそくさと桧枝岐小屋の部屋にザックを下ろし、売店メニューのおでんと生ビールで祝杯を挙げた。
無事に宿に着いた安堵感を感じつつ飲むビールは、やはり格別だ。
さらに缶ビールを買って、場所を変えて二杯目と洒落込む。
尾瀬ヶ原の眺めを前にしてビールが飲めるとは、なんという贅沢なのだろう。
徐々に夜の帳が下りていく見晴の一瞬一瞬を忘れまいと、眠りにつくまで何度も外を見ていた。
翌日は燧裏林道を進む。
三条の滝へ向かう道を左手に分けたら、道はいよいよ本格さを増していく。
大部分に木道が敷かれてはいるものの、朽ちている木道が多い。
その上、沢を越えるところに来る度に下って登ってを繰り返すものだから、それが地味に体力を使う。
今回の起点でありゴールでもある御池は尾瀬ヶ原よりも標高が高いので、見晴からの燧裏林道では基本的に登り基調になるが、5mの標高を稼ぐのに、5m下ってから10mを登るような、そんな繰り返しだ。
でも、考えてみれば今までが楽な道だったのだ。
こんな道があるからこそ、山歩きの気分を盛り上げてくれる。
平らな木道ばかりでは愛用のトレッキングポールは活躍してくれない。
徐々に狭まっていく御池との標高差に、ゴールの近さを予想しながら歩いていると、眺めの良い湿原に出た。
都合の良いことにベンチもある。
行動食にと用意していたドーナツが余っていたので、コーヒーを淹れた。
誰も通らない、静かな道。
遠くには、見知らぬ誰かがきっと登っているであろう山並みが連なっている。
沼山峠からここまで遥々歩いてきた。
車では入れないようなところを、背中のザックとともに歩いてきた。
ゴールはきっと近い。
自然の中の旅も終盤だ。
でも、これが終われば、また別な自然の旅が待っている。
今度は、どんな旅になるだろうか。
次の切符はもうこの手の中にある。
さて、行くとしよう。
ザックに荷物をまとめて、再び歩き出す。
終わってしまう寂しさより、次への期待と楽しみに体中が満ちていくのを、確かに感じていた。



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