【百名山・過去レコ】道東・斜里岳(サークル夏合宿オプション山行2:清岳荘〜沢コース〜新道)
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- GPS
- 32:00
- 距離
- 24.1km
- 登り
- 1,534m
- 下り
- 1,534m
コースタイム
天候 | (初日)晴れのち曇り、(2日目)早朝ガス濃し、雨のち曇り |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
(復路)斜里岳登山口より通りがかりの自家用車に便乗、清里町駅へ |
コース状況/ 危険箇所等 |
・沢ルートは上二股手前まで渡渉多数、増水時通行注意 ・下二股から清岳荘までの沢沿いルート、増水時は不明箇所あり、道迷い注意 |
写真
感想
<※以下、大学サークル会誌の拙稿より抜粋・編集>
当初予定では、道東の名山・斜里岳には日帰りで登るつもりだったものの、利尻島で姫沼の”魔力”にトラップされた上、帰りに礼文島に寄ったりした関係で約半日の遅れが生じ、斜里岳ツアーは山中1泊2日の行程に変更。稚内から網走へ行くには、旭川で宗谷本線から石北線に乗り換えればよいのですが、小生はタップリ睡眠を取るべく、夜行列車で一旦札幌まで戻り、改めて特急オホーツクに乗り込みます。斜里岳や知床方面への起点、釧網本線の斜里駅あたりまで来ると、列車の本数もグッと少なくなり、最寄りの清里町から斜里岳登山口への路線バスも当然の如く1日3往復の超ローカル状態。小生はその最終便に乗り込んだものの、乗客は怪しい重装備の登山者・小生の他、通園の幼児1名の計2名のみ。バスの経営が心配になるほどの閑散ぶりながら、折り返しの便には日帰りらしい軽装の登山客お二人が、いかにも満足げな表情で乗り込んでいきました。
バスを降りてみると、広大な原野に一筋の舗装道が真っ直ぐに伸びるという、いかにも北海道らしい光景が拡がっており、行く手には目指す斜里岳が端整な姿でスックと聳え立っています。ここから清岳荘まではヒグマの恐怖に苛まれながら、総行程約8km、2時間余りの淡々とした林道歩きです(マイカーかタクシーを利用すれば一気に清岳荘まで入れますが、この時のビンボー大学院生・小生にはとても無理…)。夕闇迫る中、キラキラした名前とは裏腹にごく普通の山小屋といった感じの清岳荘に着いてみると、中にはちゃんと管理人の老夫婦がおられ、宿泊料の金500円をしっかり徴収されます。明日、山頂からサブコースの玉石ノ沢の方へ下るつもりだ、と伝えると、そちらに行くのは100人に1人ぐらいだから、天候が悪かったらやめておけ、とやんわり止められます。この晩の同宿者は、どこかの高校の教師と生徒と思しき4人連れのみ。キレイな星空に明日の好天を念じた後、小生は久しぶりに両足を伸ばし、早々に眠りにつきます。
翌朝、まだ暗い中で朝食を済ませ、小屋を出発すると周囲はひどいガス。どうやら天候は思わしくないようで、石に付けられた目印のペンキを頼りに、沢を右へ左へと渡渉しつつ緩やかに登っていきます。尾根コースへの分岐のある下二股を過ぎ、やがて道の左手にいくつもの美しい小滝が連続して現れますが、この悪天ではかえって不安をかき立てるばかり。上二股まで登り詰めると沢もすっかり細くなり、更に登っていくと馬ノ背で主稜線に飛び出します。かなり気合の入ってきた風雨の中、めげずにハイマツ帯をなおも登っていくと、意外にあっけなく斜里岳山頂に到着。山頂はドーム状で周囲は開けており、ガイドブックでは「国後島も見える」というくらいだから晴れていればさぞかし展望も素晴らしいのでしょうが、この日は山頂の標識すらもガスでボヤけて見えるという情けなさ。さっさと証拠写真を撮った後、下山にかかろうとしますが、当初狙っていた玉石ノ沢コースはおろか、今登ってきたばかりの清岳荘からの道もどれだかはっきりしない視界の悪さ…。ハイマツ帯を10分ばかり物色した末、ようやく下降路を見出し、上二股まで戻ります。この悪天では沢沿いのルートはしんどそう、ということで、帰路は尾根伝いのやや歩きづらい新道を経由し、途中「熊見峠」という有難くない名前の峠を通過し下二股へ。ここから清岳荘まで距離的にはほんの僅かながら、案の定増水した沢に思わずルートを見失い、ヤブと散々格闘したあげく、やっとの思いで小屋に帰り着きます。そこから再び悪天時には活発に動くというクマの見えない影に怯えつつ、途中近道を通って登山口へと下ると、親切な夫婦お二人が清里町駅前までマイカーに便乗させて下さいました。(「地獄に仏」とはまさにこのこと…。)
というわけで、かなり悲惨な結果となった斜里岳行きながら、時刻はまだお昼を少し回ったところ。そこで「転んでもタダでは起きない」の精神を発揮、川湯で途中下車し温泉に浸かった後、定期観光バスに乗り込み、神秘の湖・摩周湖などをしっかり観光しつつ、次なる目的地・阿寒湖へと移動。湖畔にはいかにも値の張りそうな高級ホテルが立ち並んでいますが、小生はそれを横目で見ながら、人目につかぬ湖畔の茂みの中でちゃっかり寝袋にもぐり込み、野宿を決め込みます。しかし、その代償は結果としてかなり高いものにつくのでありました…。<※阿寒編に続く>
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