上州武尊スカイビュー
- GPS
- 20:01
- 距離
- 63.9km
- 登り
- 3,940m
- 下り
- 4,341m
コースタイム
- 山行
- 14:20
- 休憩
- 0:05
- 合計
- 14:25
10:05 武尊山山頂
11:50 A3ほたか牧場
15:03 A4片品高原スキー場
17:34 W2十二様
20:11 A5オグナほたかスキー場
22:36 A6赤倉林道分岐
4:18 川場村中央公園
計22時間18分
過去天気図(気象庁) | 2019年09月の天気図 |
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アクセス |
写真
感想
去年、手も足も出なく惨敗した上州武尊スカイビュー70。
前回は最初のエイドに3分間に合わなかった。いや間に合わせられたが、ここまででいいや、と思ってしまった。自分にはレベル違いなレースだと思った。
しかしリザルトを確認すると第一関門通過を、俺のたった30分前に通過している人が多数完走している。このゼッケンNoの人たち、多分知ってる。それ程の差はなかった。自称後半に強い俺ならもうちょっと頑張れば行けた?少なくとも次の関門までは行けたかも?
悔しい。全力で一生懸命走って、間に合わんかったならしょうがない。ココロが折れた自分が、ビビッてしまった自分が情けない。
何本かのレースで納得のできる走りをし、再挑戦する資格を(自分の中で)得られたので再びこのレースに参加。去年の制限時間ぎりぎり完走者のタイムから、各エイドの想定時刻を算出。23時間30分での完走を目指す。
意気込んで宝台樹スキー場まで来たものの、週末は台風による雨予想。スタート地点で雨降ってたらDNSにするか、と弱気が顔を出す。慣れない早寝と興奮と緊張でほとんど寝れないまま朝を迎える。雨は、、、、、降ってない。よし、やろう!
開会式の Who are you? FINSHER!のやりとりにテンションを上げてスタート。
いきなりゲレンデの逆走から始まる。 去年はこれにやられた。思っている以上に長い、そしてきつい。今年は辛さを知ってる。トレッキングポールも使えるので抑え気味に歩く。振り返ると去年よりも景色が良い。まさにスカイビュー!
ゲレンデを登り切ったらトレイルの下り、気持ち良い下りだがここも飛ばさず抑え気味に。下り切ったらキャンプ場、ここでトイレを借りる。前回はこの時すでに足がプルプルしてた。今回はまだ大丈夫。
舗装路をしばらく進み、武尊神社に手を合わせ、武尊山登山道へ。2時間前にスタートした140の選手が降ってくる。ここから本格的な武尊山登り、大会専用の梯子や熊笹を切り開いた道を進む。 今大会、最大の登り、約10キロ、1200UP。泥濘やカットした熊笹に何度も足を取られながらも、確実に進む。去年はここですでにスイーパーがついた一人旅だった。今年はまだまだ周りに選手がいる。焦らず、休まず、マイペースで進む。後ろから明らかにペースが違う選手が来た。140kの選手だ。頑張りましょう!と声を掛けていただき、元気をもらう。
ピークっぽい雰囲気になってからも長い、惑わされるな。焦るな、と唱えながらようやく武尊山山頂。想定時間より5分早い!少し時間の余裕があるのと水の補充をしたいので山頂で記念写真を撮り、水を移し替え再出発。
ピークからの下りで、すぐに後ろから望月さんが来た。 握手してもらい「先は長い、頑張りましょう」と声を掛けていただき感動。
激下りも多いが走れるところも多い。足元の泥濘具合は去年よりはましな感じ。足の踏ん張りがきかなくなってきて、何度も転ぶ。ストックの上に体が乗ってしまい、ストックが曲がる。それでも元気だ。
最初のエイド(A3ほたか牧場キャンプ場)に想定5分押し11時50分に着。去年より43分早い。そして体力、気力もまだまだ余裕だ。ライトのチェックを受け水を補充。豚汁とおにぎりを頂く。
ここからしばらく林道と舗装路MIXの下り。少しは走れる。5キロほど行くと尾瀬岩鞍スキー場に到着。ここからはゲレンデゾーン。下から見ると「嘘でしょ?」と言いたくなるゲレンデ逆走。最初のゲレンデよりもあきらかに長くそして傾斜がきつい。少し曲がったストックを突きながら、ちょこちょこと蛇行しながら無心で進む。苦行でしかない逆走をクリアすると、今度は長い長いゲレンデの下り。スキーを履いて滑り降りる感覚で行こうと思ったが、走ると太ももに来るので跳ねずに走る。
下りきると熊鈴禁止区間の温泉街。トイレを開放していただいていたのでお借りする。自販機もあったがパス。湧き水の水を補充させていただく。すごくおいしい水だ!再びゲレンデの登り。さっきの半分のサイズ、さっきのよりは楽と自己暗示を掛けながら登る。再び長いゲレンデを下り次のエイド(A4たかしな高原スキー場)に15時3分到着。想定の10分押し。ファントレイルの奥宮さんが出迎えてくれ握手していただく。午後ティー、胆振ガッコチーズ、コーンスープ、パン。どれもおいしい。次のエイドまでに日が暮れると読んでここでライトを装着し再出発。
舗装路と林道Mixをしばらく走ると、久しぶりに本格的なトレイルの登り。またゲレンデ逆走と思っていたが違ったようだ。こっちのほうが変化があって面白い、と思うのも一瞬でやはりキツイ。激登りからの激下り。このあたりでスタートから12時間を経過し、体調を崩す選手が急増。さっきまで元気だった人が顔面蒼白になりしゃがみ込むのを何度も見た。俺もきつい、ウォーターステーションの十二様に17時34分に到着。想定20分押し、だんだん時間も精神的にも余裕がなくなってきている。
ここからはスキー場の登り、ここもゲレンデと思っていたがトレイル。プロデューサーの星野さんがブリーフィングで「一番きつい」といっていた区間。本当にキツイ。休みながらでなければ登れない。足も気力も限界が来た。膝も太もももふくらはぎも足首も痛い。強烈な眠気に加え腹も痛い。次のエイドの関門には間に合うだろうが、トイレに行って、靴下を履き替えて少しゆっくり休みたい。想定は10分だが20分は欲しい。23時間30分想定の20分押し、この区間で10分押して、休憩を10分プラス。つまり制限時間内のゴールにはもう間に合わない。冷静に考えてあと9時間か10時間も続けられるわけがない。次のエイドで終わろう。全力は出し切ったし、腹痛とかの不可抗力はしょうがない。リベンジは達成した。
林道を進むと最後の登り。ゲレンデ逆走と思っていたが舗装路の登り。山道よりも草のゲレンデよりも楽な感じでグイグイ登れた。 そしてまたゲレンデの激下り。走れはしないが早く終わりたい一心でエイドを目指す。
20時11分、A5:オグナほたかスキー場エイドに到着。関門の1時間20分前。そして想定時刻通り。予想に反して巻けたようで早く着いた。リタイアするかどうかはいったん置いてとりあえずはカレーを頂く。このカレーは去年も食べた。ただし自力でたどり着いて食べたのではなくリタイアしてからのこのエイドにまず送ってもらったのだ。少し気力が回復。トイレに行って、靴下を履き替えて、シャツも替える。痛み止めと眠気覚ましを投入。さあどうする?辞めるか続行するか。140も70の選手もここで辞めます、という声が多い。星野さんの「A5までは登山や耐久レースの区間。ここからがトレラン走れる区間」言ってたことを信じて、とりあえず次まで行くか。目を閉じると眠ってしまいそうだ。いや眠気覚ましを飲んだからさっきまでよりはマシか。あれ?眠気覚ましを飲んだって事は、潜在意識下では続けるつもりだったって事か?あれこれ考えてる時間がもったいない、とりあえず次のエイドでどうするか決めよう。
外に出ると雨が降っていた、もう一度リタイアが横切るが進む。レインウェアを着るほどの雨でもない。
痛み止めが効いて来た。そして確かにさっきまでとは違う緩やかな下り。ナイトトレイルは得意なジャンルだ。走る、走れる。このレースで初めて気持ちよく走る。細かい雨も気にならない。むしろ気持ちいい。おい、走ってるぞ。走れてるぞ。70も140の選手も関係なく、頑張りましょーと声を掛けながら走る。
下りきるとまた舗装路があり、林道を登る。これも大した登りではない。周りの選手と話す余裕も出てくる。思っていたよりもはるかに早く、そして気持ちも圧倒的に楽に、最後のエイド(A6赤倉林道)に到着。22時36分、想定の25分巻き。さっきのエイドを10分押しで出たから35分の短縮。残り20キロを7時間。これはいける!ゴールを確信。スープやコーヒーを頂いて出発。暗くて良くわからないがおそらく川沿いの林道を一キロほど下ってショートカットコースといわれる分岐へ。140の選手は俺らよりもまだ40キロプラス走るのかと改めて尊敬。70の選手だけになると周りの人が圧倒的に少なくなる。ここ区間をほぼ一人で進む。雨が少しひどくなってきたが気温が意外と高いのでいまさらレインウェアを出すほどでもない。足元が沢の様な感じで所々水が流れている。
上のほうでライトを振って誘導してくれているスタッフがいる。近くまで行くと誰もいない。確かこの上に自販機があったね、と後ろの会話が聞こえる。嘘つけよ、と振り返ると誰もいない。はるか下のほうにテントとライトが見え少し人の声も聞こえる。あそこがW5かなと思ってると全然違う方向に進んでいく。あれ見間違いか、聞き違いかと何度か思ってようやく気が付く。そうかこれが幻覚という奴か。
ここまで来て怪我でもしたらどうしようもないので、補給食をとり、残りの高低差をゼッケンで確認し少し気持ちを落ち着かせる。W5の雨乞山までは細かいアップダウンを10キロほど繰り返して激下り。そこから残り6キロを激下り。時間はちょうど0時。あと6時間、ここまでくれば完走は間違いない。落ち着いて、楽しんで行こう。
ここにきての細かいアップダウンはなかなかきついが下りは走れる。5つ?6つ?の登りを超えたところでスタッフさんが待機。ここから激下りなので注意してくださいとの事。おっと本物だった(笑)
ロープなしでは下れない激下り、今までで一番の下りじゃないか?ストックとロープを駆使し慎重に降りる。降り切ってからもしばらく走りようやくウォーターステーション5に到着。いやこの区間の14キロが異常に長かった。雨乞山は陽があるときは景色が良いらしいが暗くて何も見えない。残り6キロ、内4キロがトレイルで2キロが舗装路とのこと。そしてトレイルは激下り。残りキロ数の表示をカウントダウンしながら進む。ここまでくると少し名残惜しい感じもしてくる。降り切ったとおもったら最後にブルーベリーの丘がオマケのトレイル。川場の町を走り、いよいよ「栄光の架橋」(ふれあい橋)を渡る。田んぼアートが面白いらしいが残念ながら暗くて全く見えない。この橋を渡れば終わる、にやにやが止まらない。こみ上げる感動のゴール!4時18分。リベンジ達成!自分でも完走できるかどうかギリギリの挑戦だったので出来すぎな結果。22時間超、75キロ。自己最長を更新。
運営に感謝。ありがとうございました。
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