武尊山スカイビュートレイル140k
- GPS
- 29:18
- 距離
- 124km
- 登り
- 8,103m
- 下り
- 8,103m
コースタイム
- 山行
- 16:54
- 休憩
- 0:15
- 合計
- 17:09
天候 | 1日目:晴れ時々曇りのちに雨 2日目:雨のち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
その他周辺情報 | 田園プラザの温泉施設は午前11時OPENと遅いため、徒歩7分ほどの場所にある10時OPENの別の温泉施設を使用。 |
写真
感想
武尊山スカイビュートレイル140キロに初出場してきました。タイム目標は30時間以内で、結果、目標をクリアし29時間18分。最終盤は脚が終わりキツかったですが、とても楽しいレースでした。
直前、友人と一緒に出場予定が、その友人が残念ながら足の怪我によりDNS。独りでの参戦となる。
前日は川場村会場近くの宿「あるきんぐクラブ」に宿泊。素泊まり料金でおにぎりや豚汁を用意してくれて、とても雰囲気も良い宿でした。宿泊者の皆さんは同じ140キロ出場者なので、色々な話で盛り上がる。20時には就寝。
当日は2時起床、3時出発。天気予報では接近中の台風の影響が心配でしたが、朝から悪くなく、気温も暖かめ。会場に車で10分ほどで着くと、すでに選手たちで賑わっており活気がすごい。ドロップバッグ預けの締め切り時間があと15分くらいだったため、慌てて荷物を仕分けて預け、装備や補給食を整理する。
補給食はA5までジェルを中心に約1300kcal、A5のドロップバッグに残り約1500kcalデポし、足りない分や空腹を紛らわす固形食は基本エイドのものを食べる計画で行きました。
スタートゲートから30mくらい後方に並び、4時スタート。A1まではロードや林道中心の登り。急登はなく、まだ力がありほとんど走れてしまうので、適度にかわしつつ心拍あがらないように気をつける。1時間後くらいに日が昇る。予報に反しとてもいい天気で雲がほとんどない。
A1を越えると本格的な武尊山へ向かう登山道に入る。たまに覗く景色が最高で、前後の人と楽しく会話しつつ登る。剣ヶ峰までの急登を越えると、稜線を少し進んだ後に西側の下山路を急降下。武尊山山頂はすぐそこなのに一度下山させるコース設定のマゾヒズム!下りは苦手で、早い人を先に行かせつつ感心しながら眺める。
急な登山道を抜けたらそこからA2までは下り基調の林道とロード。ここでトップ選手とスライドとなり、エールを送る。皆急傾斜を涼しい顔で走ってくるからさすが。15番手くらいに望月選手がいらした。
A2到着タイムは目標より15分ほど早く、順調に来ている。朝食がてらうどん、バナナ、オレンジを食べて10分ほどで出発。直後にゲレンデ急登が始まり、これが噂の、、と思いながら登るが、食後のためか体が重くなりスピードが上がらない。どんどん選手を抜かさせる。今回からA2よりポールが使えるルールになったが、事前のネット情報で、武尊山山頂からの下りを終えるまではポールを使わない方が良いとの情報をほぼ鵜呑みにしてたが、結論ゲレンデ上り下りと武尊山山頂までの登りは絶対に使った方が良い。早く使うに越したことはなかった。一つめのゲレンデの上り下りをするとさっきの林道スライド区間に戻る。後方の選手の中には知人も何人かいたのでお互いの健闘を祈る。林道を超えて武尊山山頂への急な登山道へ入ってからも(ポールを使ってないこともあり)苦しい登りが続く。廃道っぽいとこを大会用に切り開いた道なためか、カットした笹が多く非常にスリッピー。これは絶対にポール使った方がいいな、、と思いつつも後続の選手も多いため、山頂についたら取り出そうと決意。
山頂に着くとすぐにポールを取り出す。また、以前の怪我で死んだ足の親指の爪の状態が気になったので靴下を脱ぐと、やはり爪が取れかかっていた。痛くなければとった方が良いと考えてたため、すみませんと思いながら取って山頂脇の林の中に埋葬。山頂で山伏?の方が吹いていた法螺貝の音色を聴きながら下山開始。ポールを使い出したらとても快調になる。
武尊山の登りに苦労したためA3到着は目標タイムとほぼ同じ。稼いだ貯金がほぼなくなる。空腹を感じていたため、味噌汁2杯、おにぎり一個、バナナ2本、オレンジ1個を食べる。食べ終わりトイレに行き、合計10分ほどで出発。ほたか牧場キャンプ場で一家団欒で楽しむ家族を横目に、次のエイドに向けて走り出す。
A4までは林道を超えた後にゲレンデの超アップダウンを2回繰り返す13キロのパート。登りは脚が重く、下りは膝に来るため温存して走る。登りも下りも多くの選手に抜かされるため、「得意なパートがないな..」と落ち込み気味になる。それでもまだまだ先は長いのでセーブしながら走る。A4手前のゲレンデアップに差し掛かると、前方から声を出しながら駆け下りてくる人が。見てみると有名トレイルランナーの奥宮さん。A4は彼主催のファントレイルズのエイドなので、このゲレンデを上り下りしながら応援しているようだ。奥宮さんは30度もありそうな傾斜の急登を走って選手に声をかけながら最後まで登っていく。元気をもらい、下ったらA4到着。軽く食べつつ、足の裏のケアと靴下交換、ヘッドライトの準備をし、15分ほどで出発。
林道や畑の中のロードを暫く進み、トレイルへ。ゲレンデではなくホッとするが、あまり歩かれてない急斜面のトレイルで、なかなか一筋縄ではいかない。この辺りで日没。人もこれまでよりもまばらになり、少しさみしい時間も増えてくるが、次はドロップバッグのあるA5ということもあり気合いを入れる。W2を超えるとまたトレイルへ。この辺りはあまり記憶がないが、まだまだ順調に進んでいた。ゲレンデの急なストレートラインを下るとA5到着。目標タイムよりまた20分ほど早くついた。
デポしていたカップラーメンにお湯を入れてもらい、待っている間に同じくデポしていたプロテインで筋肉修復。食欲も問題なく、カップラーメンとバナナ2本、杏仁豆腐を食す。ここまでエイドで色々食べれたので、携行したジェルや食料は2割ほど残っていた。この先も同じ消費ペースと予想し、後半戦用に用意した食料の7割ほどを装備。ストレッチをし、計20分ほどで出発。
A6までは区間一短い10キロ。風景はほぼ覚えてないが、比較的走れるような傾斜が続いたため、A6にはあっさりと着いた。予想タイムを多く見積もりすぎたようで、ここで目標タイムに対して1時間強の余裕ができる。A5以降雨が降り出しているものの、大した雨ではなく、気温も高めだったためレインウェアは着ずにそのまま出発。
残すエイドもあと2つ。距離にして55kほどで、終盤に差し掛かってきた感。ここまで武尊山から一緒のコースだった70kの部の選手も、この先の分かれ道でお別れ。ゴールまでは140kの選手のみとなり、本格的に周りの選手が少なくなる。A6をでて4キロほどなだらかな下りの林道。雨と霧で視界が見えないものの、快調に走り何人かかわす。林道が終わると、3kほどの登りのロード、ここは歩き通す。ロードが終わりトレイルへ入るところで、雨脚が少し強まったのでレインウェアを着る。この先のトレイルゾーンは久し振りに山っぽい山だが、視界不良・ぬかるみ・急登でスピードは上がらない。標高図よりも細かいアップダウンがあるように感じた。
それでもA7到着時間は予定よりも1時間半早く、このペースで行ければ28時間半でゴールできるかもと考える。A7からW3までは殆ど記憶にないが、下り基調の林道だったように思う。流石に疲れが出てきて、平地でもあまり走れなくなってくる。W3の先は鉱石山という山で、ピークらしいピークは最後だと言い聞かせ頑張る。
最後のエイドA8にはペースをキープし予定より一時間半ほど早く着く。そうめんやバナナを食し、最低限の水分を持ち出発。ここからゴールまで23キロと長いので心して行く。疲れは相当にあるが、このままの調子が保てれば28時間半でゴール出来ると考える。出発直後、コースマークが木に隠れていたところがありトレイルの入口で初めてのロスト。3分ほど彷徨う間に後続の選手Yさんと一緒になり、そのまま正解ルートを見つけ、結果的にこの先ゴールまでご一緒することに。ここからの登りは本当に最後なので気合いを入れたいが、雨が止み夜明けになり穏やかになるにつれ初めての眠気が。Yさんと会話をしながら登り紛らわす。そろそろ脚もかなり重くなってきており、登りも下りも平地も鈍行になる。雨が霧雨になったのでレインウェアを脱ぐ。浅松山までは500mの登りで、登れど登れど山頂に着かない。ピークらしいピークが現れず、雰囲気の良い樹林帯がずっと続き、細かいアップダウンを繰り返すうちに山頂らしき場所は過ぎていた。
ここから最後のピーク雨乞山までは下り基調のはずだが、標高図に表れてない細かい登りが無数にあり、くじけそうになる。残りは15キロほど。そんな時に、後方から最後の力を振り絞るように大きな声を出しながら追い抜いていく2人組の選手。前半から並行していた選手だ。すげぇ、、と思いながら、どうやら気合いを分けてもらったようで、自分もゴールまで出し切ろうと思い、平地と下りはヘロヘロながらも走る。Yさんに先行し5キロほど走るが、遂に脚がほぼ終了し走れなくなる。ゴールまでもたなかった..ここからラスト約10キロがとても長く感じた。この時点で28時間半は無理と気づき、29時間半以内と下方修正。しかし後方から追い付いたYさんがヘロヘロの自分を引っ張り、かつ置いて行こうとしないので、ラストはYさんの優しさが染みて気持ち的にはラクだった。
雨乞山山頂直下の激下りを超え、2キロほどトレイルを下ると遂に川場村の田園風景が見えてきた。予定では最後のロードは全力で駆け抜けようと考えていたが、そんな力はなく、Yさんと話しながら小走り程度で2キロほど走り、吊り橋を渡りゴール会場の田園プラザへ。いつのまにか雨も上がっている。29時間18分ほどでYさんと一緒にゴールし、143キロの旅は終了。
28時間半は果たせなかったものの、最後の10キロの脚終了を除けば大きなアクシデントなく初のトレイル100kオーバーを走れたし、当初目標の30時間以内は果たせたので、とても満足。何より終始楽しかった。前情報通り運営もしっかりしているし、エイドも充実、スタッフや地元の方々もとても良い方ばかりで、言うことなしの大会だと思う(ドMなコース設定は置いておいて)。また来年以降も出たいなと思える大会でした。
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