こけつまろびつ粟ヶ岳
- GPS
- 06:20
- 距離
- 9.4km
- 登り
- 1,236m
- 下り
- 1,216m
コースタイム
- 山行
- 5:10
- 休憩
- 1:10
- 合計
- 6:20
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
かつては毎年のように登っていた粟ヶ岳だが、歳とともに、そのきつい登りを避けるようになり、なかなか足が向かなくなっていた。最近の自分の山登り、楽な方に楽な方にと流れている気がする。このあたりで、自分に喝を入れる意味で、6年ぶりに粟ヶ岳に登ることにした。
深い碧の水をたたえた水源地を後に、登り始める。空は晴れて、歩き始めると暑いくらいだ。春に腰を痛めて以来、日常のトレーニングも思うようにできず、足もだいぶ衰えてきている気がする。今日はともかくゆっくり登ることを意識することにする。
3合目への最後のきつい登りを終え、稜線に出た頃にはかなり汗が吹き出し、やっと少し調子が出てきた感じがする。
しかし、大栃平から粟ヶ岳ヒュッテまでの登りは、鎖、ロープ、はしごが連続して、きつい。後ろから登って来る人に、何人かに道を譲る。かつては、自分も道を譲られることの方が多かった。登山はレースではないのだと、言いきかせながらも、はやるように足を前に出し、前を行く登山者に追いつき追い越していた。「そんな時代もあったねと…」なぜか思わず中島みゆきの歌のフレーズを心の中で、口ずさむ。
粟ヶ岳ヒュッテから眺める北峰の景色は、相変わらず迫力がある。ただ、過去にこの季節に何度も登った経験からすると、だいぶ紅葉の進みが遅い気がする。このあたりもっと赤く染まっていてもいいはずだ。
北峰への登りに掛かる。急登が立ちはだかる。ロープ、はしごで消耗した足にはこたえる。しかし、登りきると、目の前が開け、粟ヶ岳本峰の姿が大きく近づいてくる。
山頂への最後の登り、短いが、やはりきつい。登りきると数人の登山者が休んでいた。今日は、やや雲もあって、完全な快晴とはいえないが、展望は素晴らしい。朝日連峰は雲に隠れてよく見えないが、飯豊連峰、二王子岳、五頭山、磐梯山、御神楽岳、銀太郎山、守門岳、浅草岳、米山、黒姫山、そして遠く燧ケ岳、妙高連山と、これまで登った山を一つ一つ確認することができる。
山頂で、昼食を取る。ベンチに隣合わせになった74歳の人からいろいろ話を聞いた。加茂か、下田か分からないが、麓に住んでいるというタフガイだった。昔は、2時間で山頂まで登れたこと、3日連続で粟ヶ岳に登ったこと、北アルプスの白馬大雪渓を日帰りで登ったことなど、相当な健脚だったようだ。(74歳の今でも、3時間で粟ヶ岳に登るのだから、結構すごい。)一番驚いたのは、甲斐駒ヶ岳の黒戸尾根を日帰りしたという話で、そんなことが可能なのだろうかと、しばし絶句した。
山頂に残っていた、男女二人のペアが、下山開始すると、誰もいなくなった。しばし、一人だけの山頂を独占した後、下山を開始した。北峰のあたりで、登って来る2組の登山者に会った。粟ヶ岳ヒュッテまで下り、ここから大栃平までの道が、激下りで、ロープ、梯子が連続するため、気が抜けない。
この粟ヶ岳、過去に何度も登ったが、そのたびによく転倒する山で、一度などは道の横の藪に落ちて、眼鏡が顔から飛んでしまい、何とか奇跡的に見つかったものの一歩誤れば大変なことになった経験をしたこともある。
それだから、下りはともかく慎重に足を運ぶ。その甲斐あってか、大栃平までは、何とか転ばないで下ることができた。
しかしだ、ここから登山口までの間で、やはり転倒が3回ほどあった。
まさにこけつまろびつという感じだ。そのうちの1回はかなり派手に転んでしまい、その折、地面に突いた右手親指をしたたかに打って、かなりの痛みが出た。やはり、険しい道のりのせいで、足へのダメージが強く、それが転倒につながるのだろう。
先行していた夫婦連れは、1,2度追いついたものの、最後は姿が見えなくなるほど健脚だった。途中、粟ヶ岳ヒュッテから北峰の間で、すれ違った若者に、嶽山寺分岐を下ったあたりで抜かれた。情けなくなるほど、下りのスピードが落ちたと感じた。
登山口に下山したのが午後1時45分。下りは2時間半かかったが、しかし、まあ今の体力を考えると、ましな方かもしれない。
久しぶりに登った粟ヶ岳、きつい山だが、やはりいい山だと、あらためて感じた。亡き父母にも久しぶりにお参りできて、登ってよかった。
帰りに、ふもとのお気に入りの温泉・美人の湯につかり、疲れを癒す。美人の湯から眺める粟ヶ岳は、まさに美人の姿をしている。
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