君ヶ畑から土倉岳、ボタンブチ、T字尾根(遭難者無事救出報告)
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- GPS
- 13:52
- 距離
- 13.4km
- 登り
- 1,058m
- 下り
- 1,059m
コースタイム
天候 | 曇りのち晴れ(夕方から) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
このルート(君ヶ畑〜御池岳方面)は一般登山者向きではありません。 何か1つでもアクシデントがあると、即遭難して生命にかかわる事態に発展します。 |
写真
感想
今日こそは見つけ出さなければならない。
ご家族の方々にも「必ず迎えに行ってきます!」そう約束している。
山岳連盟のミーチングを終え捜索開始でノタノ坂に向かう。
流石にノタノ坂までの傾斜などは前日に確認してはいるはずだが、再度確認しながら進む。 ノタノ坂までには発見ならず。
いたのは大勢のヤマヒルのみ。
巡視線の尾根に入り、巡視線が分岐している道は各グループ2.3名で捜索。
しかし土蔵岳までの何本かの分岐路を捜索しても発見ならず。
いよいよ核心部のテーブルランドの取り付き。
やせ尾根で落っこちている事はないとは思うが下を隈なくチェック。
そしてテーブルランド直下の斜面も分かれながらの捜査。
テーブルランド...俺はここからのテーブルランドは初めてだし、東端も知らない。
今までも初めての道やったがここも初めてだ。
そして視界1mのガスの中の捜査で俺やワドキチさん含む4名でテーブルランド東端からボタンブチまで捜索。 俺は必死にyuconさんの名前で叫ぶ。
ボタンブチ到着。本部隊と合流し、昼食とる。
遭難死されたNさんの碑に合唱し、「どうかyuconさんを救ってあげてください。お願いします!」ただそう必死に頼んだ。
昼食が終わり、6名はボタンブチから直下しゴロ谷を捜索、俺、ワドキチさん含む4名は真の谷からの2名と合流してからT字尾根を捜索しながらの下山。
待機している間、ゴロ谷隊は直下を開始する。
今の俺には絶対無理だと思った。 そして落石の音を聞いていると下まで止まらないのが分かる。 そしてゴロ谷隊がすべてガスの中へと消えていった。
しばらくして真の谷隊の2名と合流。
休憩を待ち、T字尾根を目指す。
ガスで視界が悪い中なんとかT字尾根の取り付きを発見。
テーブルランドからの下りは怖い。
一度沢まで降りてしまってこのまま沢を下っての捜索の案もあったが本部からの指示により、T字尾根に戻る。
やがてT字の分岐に着いて休憩する。
俺はもうダメなのか? 発見できずこのまま終わってしまうのか?
そう思い悔しさをおぼえる。 このままだとyuconさんがもたないのに。
そんな想いも虚しくそろそろ出発しようとした時、一本の無線でゴロ谷上部の滝で遺留品があるとの情報が入った。
ゴロ谷隊は時間も限界だが、可能性があるのでそこに向かう。
俺たちT字尾根隊はゴロ谷と本部の無線の中継点として機能するので確認が終わるまで待機。
そして無線から「ザック発見、そして本人確認!!!手を振っている!!!」
yuconさんが生きてた! ヤッター! 俺は嬉しさのあまりワドキチさんと抱き合った!
そして問題のヘリ要請だが、見事着てくれるとの事。
大津離陸で5分で着くとの事。早っ!!!
ホバリングを繰り返し、下に潜っていったヘリがyuconさんを回収したみたいでヘリがいってしまった。 良かったー! ほんまに良かったー!!
あとは暗くなったT字を下るのみ。
分かっている人がいるので安心できる。がここで俺たちが迷ってビバップするなど洒落にならなくなるのでよく確認しながら降りていく。
下から支援隊がきてくれた。
もうなにも不安はない。
林道に降りてしばらく歩いて駐車場に到着!
yuconさんの妹さんと旦那さん、そしてyuconさんのお父さんが出迎えてくれた。
嬉しさ感じるご家族の笑顔に俺は改めて「良かった!」と思った。
最後は綺麗な星空を見ながらゴロ谷隊を待ち、しばらくして到着!
トシさんmtoさん、ほんまにありがとうございました!
ハッピーエンドに捜索を終えることが出来てほんまに良かった! 嬉しかった!
この一週間、不安で不安でたまらなかった。 しかしその不安からもようやく開放された。
yuconさんは特に骨にも異常はなく、擦り傷と打撲程度で済んでいたみたいだ。
次の日の今日、俺は仕事帰りに病院までyuconさんに会いに行き無事な姿を確認できて涙が溢れたが、なんとか持ちこたえながらお話も出来た。
協力してくださった三重県山岳連盟の方々やトシさん、mtoさん、本当にありがとうございました!
※ご家族のご要望もあり、本件は報道機関に意図的に公表しないで頂きますようお願いします。
無事、怪我もなく救助できました。意識も明瞭です。
18時には下山するという無線連絡があり、あと30分少々と言うところでまた仕切り直しか…と思っていたところ、地元匿名の方々が遺留品を発見されたとの連絡があり、そしてザック発見、一瞬緊張が走るが、遭難者が手を振っているとのこと、一同感激の喜びに包まれました。
ぎりぎり滋賀県警(消防?)のヘリを飛ばしていただくことができ、搬送完了を確認して下山しました。
駐車場に到着したのは20時過ぎでしたが、現場におられた6名(うちヤマレコ沢ヤさん2名)は21時過ぎに到着。本当にお疲れ様でした。
何より、ご家族に悲しい思いをさせなくて済んだことがうれしいです。
私はお手伝いというよりは勉強させてもらうことの方が多かったです。
直接的、間接的にご協力いただいた方々には、ご家族に代わってお礼申し上げます。
また、皆さんがいつもの平穏な日常に戻りますように。
…今分かっている範囲で、今後の教訓とすることを列記しておきます。
・登山届は必ず出しましょう。どのルートを辿ったか探すことは推理小説より難しい!
・入山者の少ないルート、地図にないルート、携帯電話の電波が届かない山深い領域に入山される場合は、厳重な装備と計画でお願いします。
・万が一のために持っていると便利なもの、それは「笛」です。GPSとか無線機に比べると格安。電池切れもありません。
※ルートは私の歩いたルートだけです。基本的に支尾根をしらみつぶしに入って捜索する手法で、道なき急斜面ルートを下りてまた登り返します。全隊のルートを重ねるとかなりの部分を網羅しています。
コメント
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懸命の捜索、無事救助、お疲れ様でした。
怪我もなくとの事で、本当に良かったですね!!!
みなさま、本当にお疲れ様でした。
涙が出ました。
無事で良かった!
どうもありがとうございました。
父のために捜索にご協力していただいた皆さん本当にありがとうございました。多大なるご心配ご迷惑をおかけし申し訳ございませんでした。父は少し痩せ細りましたが、至って元気でよく喋っています。しばらく入院ですが、退院次第本人よりご報告させていただきます。家族及び親戚一同、感謝の気持ちでいっぱいです。今回の経験で得た気持ちを忘れず、一日一日を大切に過ごしていきたいと思います。また、命の尊さについても学ぶことができました。
家族を代表してお礼を申し上げます。
本当にありがとうございました。
なによりです。
質問箱の方も解決済みor削除にしておいてください。
初めて見た人が不安になりますので。
生還されて、ホットしました。
ゆっくり静養して下さい。
yuconさんの息子さん、直々にコメントありがとうございます。
何より、お父さんが無事に救出されたことが一番です。
山登りという趣味が、一転して家族を大きな不安に陥れてしまうこと、同じ趣味を持つ人間として申し訳なく思います。
差し出がましいようですが、今回のお父さんのことはどうか、許してあげてください。決して故意にこうなった訳ではありませんし、お父さん自身ものすごく反省されていると思います。
とても優しい心を持たれた、最高のお父さんだと思いますよ。
tetsukumaさん
kiitosさん
ihara1990さん
miccyanさん
本当に、多くの幸運と、多くの方の動きの積み重ねがもたらせてくれたと思います。
多くの幸運は、2月に遭難して亡くなられたNさんの力によるものだと感じずにはいられませんでした。
もう、君ヶ畑の駐車場にまで行かなくても大丈夫なんだと感じました…これが、日常なんですね。
遭難者さん(以下Sさん)の同僚です。
僅かでしかも不確定な情報や荒天の中、体を張って捜索くださった皆様(捜索活動の終了時刻が22時を回っていたなんて)にこの場を借りて深くお礼申し上げます。
本当に生きて帰って来てくれて良かった・・。
本日病室でSさんから事故当時の経緯を詳しく聞かされました。本人はいくつかの小さな、またケースによっては致命的なミスはしたようですが、総じて冷静な対処をしてくれたこと、そして何よりも、周囲の方が捜索範囲を絞り込んでからは迅速に且つ大規模な捜索隊を組んでくださったことが今回のレスキューに繋がったと思っております。
本当に有難うございました。
無事救助されたようで、良かった…
人命救助に協力された方々へ改めて敬意を表します。
何より最悪のケースを回避することが出来たわけ
ですから。
僕は常に単独行なのですが、家族へは一切告げずに
登っています。
なぜなら、夫婦間の絆が希薄で普段から会話の無い
生活を送っているからです。
なのでセルフレスキューには人一倍気を使っています。
ある面では「チキン」と思われるかも知れませんが、
自分の身は自分にしか護れないので。
先鋭的なクライマーであるならともかく、一般的な趣味
の範囲としての「登山者」の域を出ない自分は、常に
山に対して謙虚であり続けたいと考えています。
しかし、Yuconさんのお人柄にもよるんでしょうが、
ヤマレコユーザー同士の献身的な連携には頭が下がる
思いがしました。
とにかく…良かった。
BMRさんこんばんは。
お仕事では長期不在となりご迷惑をお掛けしたことと思います。私が申し上げることではありませんが、復帰の際には温かく受け入れていただければ幸いです。
melvinsさんこんばんは。
いきなり自爆モードですか?
そうですね。常に自分の力量とリスクを考え、無理のない行動を取ることが大切ですね。
何を隠そう、yuconさんには初対面の私に大変親切にしていただいたこともあり、何としても捜し出したい思いでした。(これで借りは返せたかな?)
yuconさんの優しさ、私はもっと見習わないといけないなぁ…と思わされました。
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ところで、本日夜をもって今回のルートをレコから削除させていただきました。
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信じる信じないは別にして…本人の名誉のために1つ付け足させていただきますと、どうやら鈴鹿に住む悪霊が彼を危険地帯に誘いこんだみたいです。
それをぎりぎりの時点で救ったのがNさんだと思います。
Nさん、ありがとうございました。
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私は現地から遠く離れた秋田ですが心配しておりました。
yuconさんの生きる力、ご家族の願い、またみなさんの協力する力が一つになり「絆」のロープとなって救助に至ったものかと思います。
私も単独登山者なので、この件で今一度、単独登山について考えることができました。
とにかくyuconさんguhikazukiさん、関係者の方々、みなさん本当にお疲れ様でした。
このレコを本当に心待ちにしてました。
本当に感動しました。
2日間出張に出かけていてどうなったのか気が気ではありませんでした。
ワドキチさん guhikazukiさん おつかれさまでした。
YUCONさんご家族のみなさん 関係者のみなさま本当によかったですね。
また、山に行けますね。
人間関係が希薄な世の中でとても温かく熱いものを感じました。自分はきれいごとが嫌いなんですが「絆」とか「仲間」とかそういう言葉を実感しました。
ほんとよかった
この捜索記録を今日になって初めて拝見してただただ驚嘆しています。
yuconさんの無事を喜ぶことはもちろん、仲間の方々のくじけない心が出した結果に頭が下がります。
yuconさんとは伊吹でお会いして短い言葉を交わしただけのご縁ですが、実直なお人柄を感じていました。
リアルタイムで知ることが出来なかったのでお手伝いどころか心配することも出来なかったなさけない身ですが、せめて心から喜ぶことだけは仲間に入れていただければ・・・
本当にみなさん、お見事でした!
mountrexさん
metabo_manさん
monsieurさん
どうもありがとうございます。
あれからもう一週間経ちますが、あれは普通の山行とは比較にならないほどハードな捜索活動でした。
昨日岳連の方々とお会いしましたが、活動そのものは前向きに捉えておられる反面、やはり捜索が続くとハードであることは否定できないと思います。
私も捜索がもしまだ続いていれば、途中でダウンしていたでしょう。
遭難したとしても早期に発見できるよう、笛(ホイッスル)の携行を呼びかけていただければと思います。
(ホイッスルメーカーの関係者ではありませんが
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