記録ID: 21141
全員に公開
沢登り
妙高・戸隠・雨飾
高妻山(2353m)裾花川から
1993年08月23日(月) ~
1993年08月24日(火)


- GPS
- 34:00
- 距離
- 18.0km
- 登り
- 1,690m
- 下り
- 1,502m
コースタイム
8月23日 長野駅(3:30)→裾花川駐車点出発(5:30)→高巻き→奥魚止めの滝→C1二股1210
8月24日 C1二股1210(6:00)→F1(1.5h)→一不動への沢出合(9:00ー10:00)→一不動コル(13:00)→高妻山(15:30)→一不動コル(18:00)→戸隠牧場(19:30)
8月24日 C1二股1210(6:00)→F1(1.5h)→一不動への沢出合(9:00ー10:00)→一不動コル(13:00)→高妻山(15:30)→一不動コル(18:00)→戸隠牧場(19:30)
天候 | 晴れときどきガス |
---|---|
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
この年の夏は記録的に長い梅雨。気象庁の梅雨明け宣言とは関係なく、8月の終わりだというのにまだ梅雨前線がのさばっていた。 裾花川はきれいだ。長野市内を流れるあの濁流からは想像できない透き通った流れだ。木曾殿アブキという大岩の庇の下をくぐり、明るくなったばかりの沢に足を浸す。池袋で買ってきた、沢登りシューズを今日は使い初めだ。冷たい水なのにちっとも足を冷やさない、快適だ。薄い地下足袋で、足の底を痛めることも無くなってしまった。岩魚のうろつく深い淵を過ぎ、段差を越えると余別川下の廊下のようななみなみと水を走らせる水路を前に、この沢の核心部を巻こうと決めた。巻き路は意外に早く見つかった。標高差250ほど登ったが、下りになって踏み跡は分からなくなった。降りかけては標高差200メートルの大岩壁をのぞき込んでトラバースを続け、いいかげん嫌になったころに対岸の地獄沢を発見、その向かいにやっと降りられそうなブッシュを見つける。アプザイレンで降りてびっくり、核心部最後の2段の魚止の滝がまだ立ちはだかっていた。もう後には引けない、行くしかないので行くことにする。 下段は僕が最初左岸に取り付くが、敗退。空身で右岸に取り付き、出口ののっぺりした岩を前に立ち往生する。右手右足左足のホールド無し。イモリのようにフリクションだけで、自分をだましてやっと抜ける。続く2段目は直瀑の右のオーバーハングを名取さんが鐙で抜ける。もう今日は泊まろうという雰囲気になる。1210メートルの二股で焚火。名取さんが毛針で岩魚を2匹釣ってきた。さすが天然。ダシの味がしっかりした。その日は8月23日、ロクさんの命日だった。夜遅くまで酒を飲む。 翌朝はきれいなナメの中を進む。青い空が水面に映って、沢が青く見える。実に美しい沢だ。あいにくカメラは水没してしまっていて、ムービーもスチルも全く動かなくなってしまった。上流部最初の滝は手強い。名取さんが左岸に取り付く。中腰でトラバースして直上、最後ののっぺり岩をこれまたイモリで抜ける。一不動への支流をさんざん迷って、選択、長い滝を登り、ヤブ漕ぎ。コルにほぼ命中させてやっと戸隠高原の大展望を目に入れる。やれやれだ。最高の計画として貫徹させるにはこれで帰ってはいけない。往復5時間の高妻山ロングアタック。裾花川の谷を見下ろし、連峰のシルエット、善光寺平の遠望を眺め、長い稜線を往復する。山頂はガスに巻かれたが、最高の疲労感といい、いい気分だった。高妻山にたいする最も礼儀正しい裾花川ルートからの登頂に、満足だった。大雨で崩壊寸前の夏道をかけ下り、森の中で日が暮れる。暗い牧場の中、闇の中の牛の視線を浴びながら下山する。 |
写真
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