美ヶ原から霧ヶ峰へ縦走・王ヶ頭、茶臼山、三峰山、車山
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- GPS
- 32:00
- 距離
- 26.2km
- 登り
- 1,721m
- 下り
- 1,572m
コースタイム
- 山行
- 6:10
- 休憩
- 1:20
- 合計
- 7:30
- 山行
- 5:10
- 休憩
- 1:20
- 合計
- 6:30
2月17日 C1発(8:00)→三峰山(8:30ー9:00)→和田峠(10:00ー15)→八島湿原(11:45ー12:15)→車山山頂(14:15)→スキー場へ
天候 | おおむね晴れ |
---|---|
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
【一日目】 三城牧場まで、早朝の通勤前の山崎晋の車で送ってもらい、王ヶ頭目指して登り出す。最初スキーで登れるが、なにしろ雪がない。1670mから道が沢沿いになり、傾斜が急になるとシートラした。ラッセルはほとんど無い。頂の溶岩台地に出る。期待した北アルプスの眺めは雲の中だったが、中ア、南ア、八ヶ岳、富士山、浅間山などは絶景だ。なるほどここには全テレビ局のアンテナが林立している。長野県の隅から隅まで見渡せる展望台だ。標高2000mの高地に果てしなく広がる雪原の上を、雲(霧)が動くたびに日向と日陰の影絵模様が動いていく。ここに来るのは1975年、小学校のキャンプ登山以来だ。頂上山荘には反対側から雪上車で客が来ているらしく、営業しているようだった。 牧場のはずれから南へ。茶臼山を目指す。この山は松本平からも見える欠かせない山で、山頂からの美ヶ原台地の眺めはなかなかだが、ひどい薮山だ。とくに南側はひどい。植林と思われるカラマツの密林と、笹が出た斜面との間のバリズボ(バリッと破れてズボッと潜る)の狭い雪面をこけながら下る。扉峠にたどり着いたときはこのまま扉温泉まで凍った道を滑って帰ろうかと思ったが、思いとどまり、ビーナスラインを三峰山目指す。一人の山行はいつも意気地なしとの戦いだ。すぐいいわけを考えてしまうのだ。 三峰山は王ヶ頭から見た時もまっ白いすてきなピークだった。しかもこの山は長野県の三大河川の犀川、千曲川、天竜川の分水嶺だ。これに期待し、前に進む。そろそろ泊まる場所を探す時間だった。これまで扉峠までの薮に懲りて舗装道路を歩いていたがこれもまったく味気ない。道路の見えるところに泊まるのもセンスが無いなあ。三峰山のあたりの稜線は薮がなさそうだったので期待して、再び稜線に戻る。上に上がると折りしも夕刻。赤く染まった八ヶ岳、浅間山が現れ、なんとも景色の良い場所だったので、ここで泊まる事にする。こんな所で泊まるのが好きだ。朝と夕の一番光の綺麗なときに居られるからだ。何本かのタンネの傍らに、スキーをポールにしてツエルトを張る。夜は無風快晴。満月のもと、松本、諏訪、上田の夜景が全て見えた。 【二日目】 朝一番で三峰山の山頂にたつ。富士山と諏訪湖の眺めが凄い。この山からの滑降は、今回で唯一まともな斜面だった。たまりにたまったスキー欲を爆発させる。東面のまっ白い斜面で、束の間楽しむ。 和田峠への稜線上も薮が出て来そうなので、すぐ下を走るビーナスラインが下り坂なのを地図で確認した上で、道路に降りる。途中、和田峠スキー場はリフトは動いていたが客は一人も居なかった。ここから霧ヶ峰の八島湿原まではやはり薮と思われる稜線はあきらめて舗装道路をひたすら進む。八島湿原から振り返ってみてこの選択が正しかったことを悟った。南向きの斜面は軒並み枯れ笹が出ていた。 湿原は真っ白だ。無人の湿原のど真ん中をスキーで進み、車山を目指す。日差しがまぶしいので目をつぶって歩いても何にもぶつからない。車山の山頂に着いたときはまるで長距離走を走り終えた気分だった。美ヶ原からの稜線を眺めて感慨に耽った。地味な山稜だったが、郡境であり、僕にとっては故郷から見える山だ。歩いてみて信州中央部の谷、峠、盆地の位置関係が立体的に把握できた。実りの多い山行だった。 車山スキー場で季節労働者として働く鈴木央司氏を訪ねたら、テレマークスキーを教えてくれた。上高地で知り合った写真家修行中の山屋だ。3時間滑りまくって、おもしろさが解ってきた。自由で軽やか、反主流派スキーだ。茅野行きの路線バスではすっかり熟睡した。茅野から松本へ鉄道で帰る。 |
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感想
【一日目】
三城牧場まで、早朝の通勤前の山崎晋の車で送ってもらい、王ヶ頭目指して登り出す。最初スキーで登れるが、なにしろ雪がない。1670mから道が沢沿いになり、傾斜が急になるとシートラした。ラッセルはほとんど無い。頂の溶岩台地に出る。期待した北アルプスの眺めは雲の中だったが、中ア、南ア、八ヶ岳、富士山、浅間山などは絶景だ。なるほどここには全テレビ局のアンテナが林立している。長野県の隅から隅まで見渡せる展望台だ。標高2000mの高地に果てしなく広がる雪原の上を、雲(霧)が動くたびに日向と日陰の影絵模様が動いていく。ここに来るのは1975年、小学校のキャンプ登山以来だ。頂上山荘には反対側から雪上車で客が来ているらしく、営業しているようだった。
牧場のはずれから南へ。茶臼山を目指す。この山は松本平からも見える欠かせない山で、山頂からの美ヶ原台地の眺めはなかなかだが、ひどい薮山だ。とくに南側はひどい。植林と思われるカラマツの密林と、笹が出た斜面との間のバリズボ(バリッと破れてズボッと潜る)の狭い雪面をこけながら下る。扉峠にたどり着いたときはこのまま扉温泉まで凍った道を滑って帰ろうかと思ったが、思いとどまり、ビーナスラインを三峰山目指す。一人の山行はいつも意気地なしとの戦いだ。すぐいいわけを考えてしまうのだ。
三峰山は王ヶ頭から見た時もまっ白いすてきなピークだった。しかもこの山は長野県の三大河川の犀川、千曲川、天竜川の分水嶺だ。これに期待し、前に進む。そろそろ泊まる場所を探す時間だった。これまで扉峠までの薮に懲りて舗装道路を歩いていたがこれもまったく味気ない。道路の見えるところに泊まるのもセンスが無いなあ。三峰山のあたりの稜線は薮がなさそうだったので期待して、再び稜線に戻る。上に上がると折りしも夕刻。赤く染まった八ヶ岳、浅間山が現れ、なんとも景色の良い場所だったので、ここで泊まる事にする。こんな所で泊まるのが好きだ。朝と夕の一番光の綺麗なときに居られるからだ。何本かのタンネの傍らに、スキーをポールにしてツエルトを張る。夜は無風快晴。満月のもと、松本、諏訪、上田の夜景が全て見えた。
【二日目】
朝一番で三峰山の山頂にたつ。富士山と諏訪湖の眺めが凄い。この山からの滑降は、今回で唯一まともな斜面だった。たまりにたまったスキー欲を爆発させる。東面のまっ白い斜面で、束の間楽しむ。
和田峠への稜線上も薮が出て来そうなので、すぐ下を走るビーナスラインが下り坂なのを地図で確認した上で、道路に降りる。途中、和田峠スキー場はリフトは動いていたが客は一人も居なかった。ここから霧ヶ峰の八島湿原まではやはり薮と思われる稜線はあきらめて舗装道路をひたすら進む。八島湿原から振り返ってみてこの選択が正しかったことを悟った。南向きの斜面は軒並み枯れ笹が出ていた。
湿原は真っ白だ。無人の湿原のど真ん中をスキーで進み、車山を目指す。日差しがまぶしいので目をつぶって歩いても何にもぶつからない。車山の山頂に着いたときはまるで長距離走を走り終えた気分だった。美ヶ原からの稜線を眺めて感慨に耽った。地味な山稜だったが、郡境であり、僕にとっては故郷から見える山だ。歩いてみて信州中央部の谷、峠、盆地の位置関係が立体的に把握できた。実りの多い山行だった。
車山スキー場で季節労働者として働く鈴木央司氏を訪ねたら、テレマークスキーを教えてくれた。上高地で知り合った写真家修行中の山屋だ。3時間滑りまくって、おもしろさが解ってきた。自由で軽やか、反主流派スキーだ。茅野行きの路線バスではすっかり熟睡した。茅野から松本へ鉄道で帰る。
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