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Yamareco

記録ID: 2115180
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
赤城・榛名・荒船

裏妙義風穴尾根〜丁須の頭

2019年11月17日(日) [日帰り]
 - 拍手
tamoshima その他3人
体力度
3
日帰りが可能
GPS
08:59
距離
7.5km
登り
957m
下り
962m
歩くペース
標準
1.01.1
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
6:15
休憩
2:44
合計
8:59
距離 7.5km 登り 962m 下り 962m
8:20
8:21
9
8:30
8:40
14
8:54
9:11
27
9:38
10:43
43
11:26
11:33
7
11:40
11:41
24
12:05
12:35
99
14:14
14:47
72
15:59
ゴール地点
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2019年11月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車

感想

裏妙義風穴尾根・丁須の頭 記録
作成者:河野、丸山
■日程 2019年11月17日
■山域 裏妙義
■天候 晴れ
■メンバー(敬称略)
CL丸山(35/OB) SL鶴田(40/B2) 河野(41/B1) 山口大(41/B1)
■総評(丸山)
登山道のない風穴尾根は厳しい岩稜で、殆ど巻いてしまったためやや消化不良感が残ったが、その後の登山道では数多くの鎖場や丁須の頭クライミング、圧倒的な岩壁の林立する木戸など、様々なアトラクションに加え、見頃の紅葉にも恵まれ、充実した山行となった。
■ヤマレコ記録
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2115180.html
■コースタイム
7:00 出発
8:00-8:10 休憩
8:40 鶴峯ジャンダルムと鶴峯山の間のルンゼ
8:55 鶴峯山
(9時台のどこかで休憩)
10:10 風穴
10:20出発
11:30 風穴尾根の頭
11:40 烏帽子岩
12:50-13:00休憩
13:50 丁須の頭
14:20出発
16:00 帰着

■行動記録
日没いっぱいまで阿寺でのクライミングに興じた後、16時半東吾野駅でデポされる。
予定では22時西武秩父駅集合。知らない土地に長時間1人待たされる心細さでぐずる私をよそに「じゃっ、頑張ってね〜」と車を発進させた鈴木くんのいい笑顔が忘れられない。だが知らない土地でもおじさんと談笑したり地元の素敵な銭湯で時間を溶かしたりと逞しく生き抜き、そして20時には早めに合流してくださった丸山さん&鶴田さんと仲良く餃子をつついたので私の完全勝利である。

ベルクにてほくほくの顔で行動食用の半額パンを購入し、割引アイスと熱いお茶でくつろいだのち、22時頃山口くんと合流し、2時間ほど車を走らせて国民宿舎へ。道中は山口くんと美術や地元の小話で盛り上がる。駐車場には他にも車が数台停まっていた。テントを立て就寝。丸山さんが貸してくださったダウンのシュラフ×私物の化繊シュラフ×ブランケットで最強の防寒を手に入れたため、過去最も良質な眠りにつくことができた。

6時起床。他の登山客が騒いでいて寝覚めがやや悪い。
テントから出ると、震える手で描いたような岩稜は朝日で橙に染まり、その上にポツリと下弦の月が浮かんでいた。
のんびり準備をして7時頃に出発。

10分ほど歩いて適当な場所から尾根に入る。全盛期の紅葉が我々を迎えてくれ幸せな心地。
木をつたいながら柔らかな落ち葉を踏み順調に高度を上げていくと、30分もしないうちにゴロゴロとした岩が散見されるようになった。
地味な斜面がいやらしいが木をつたって這うように進む。ツメっぽい。ところどころでザックやスリングが木の枝に引っかかって不快だったが、こいつらがいないとやっていけない。

鶴峰山の基部に着くと、急に切り立った岩壁となり、登ることができない。定石に従って右へと巻いていく。落ち葉に覆われた斜面をトラバース。地面に何があるか見えないのでちょっと怖い。鶴峯ジャンダルムと鶴峯山の間のルンゼから取り付き、鶴峯山へ。
鶴峯山の先は切り立った岩稜となる。ここのトラバースは、スタンスはしっかりしているがいかんせん落ちたら死ぬ。あのときちゃんとお金払い忘れてなかったら今頃おとなしく下界でフラ語検定だったのに〜なんて、いかにも大学入試の英作文に出てきそうなことを考えながらお助け紐も出してもらい、亀のごときスピードで進む。無事切り抜けた後、山口くんに「そんな怖い?」と訊かれて拍子抜けしてしまった。もっと登山靴を信用しようとご指摘をいただきました。善処します…。このトラバースを終えるも、次の岩峰はもっと険しい。稜線伝いは諦め、風穴まで岩峰の左を巻いた。

風穴。ぽっかり真ん中がくりぬかれた岩の向こうには青空がのぞいていて、なんとも不思議な空間だった。しばしの休憩ののち高度を下げず風穴を形成する岩の右を行こうとするものの険しくトラバースが不可能なので左へ。ザレた斜面を「嫌や〜」と渋い顔でやや下りながら巻いていき、ふたたび尾根に上がる。比較的進みやすかったが急登で疲れた。風穴付近の紅葉は実に見事だったが、ここまで標高が上がると終わりがちである。

風穴尾根の頭を踏んで以降の登山道は河野先頭。時々テープが視界に入っておらずあらぬ方向に進もうとする箇所があった。足場が不安だからと言って下ばかり向いていないで、視野を広く持ちながら歩くようにしなければ思う。一般の登山道に入ってからは複数のパーティとすれ違った。

スラブのトラバースを鎖伝いに進む。いかにも破線らしい道である。 
一人疲弊しながら鎖の端まで手を滑らせた後、先を見て思わず口に出してしまった。「下ノ廊下かな?」
そびえたつ絶壁に身体を添わせながら、幅20冂度の平らな地面に足を置いていく。「うわ、これただの梯子に鉄網くくってるだけじゃん」と背後から余計な声が聴こえてくる。赤岩付近はこんな感じの一人しか通れないような狭い道しかなく、それでいて他パーティが反対方面からやってくるのでやや渋滞気味であった。

丁須の頭の手前に、クラック沿いの登攀が一か所。好みのツッパリ系、ホールドも豊富、いざとなれば鎖が使えるが一度下を見た時に高度感でめまいがした。途中懐に入りすぎてしまい抜け出す方法が分からなくなってしまったので丸山さんに先に進んでいただく。思えば1人目が登りきらないうちに2人目がとりつくのは二重事故につながる可能性もあるので控えるべきだった。丸山さんのムーブを見てから観念して鎖を使い左側に移ってクリア。

途中展望の良い岩に登って妙義を一望した。岩も紅葉も上から見たらもこもこしているのに、中身はしっかり険しいのが辛い。せっかくなので丸山さんにTポーズをしていただいた。あら〜いい笑顔!「立てへん」と笑いながらちょこんと座る山口くん可愛い。同期に癒され心の余裕が生まれたのに、岩を降りたらまーた鎖付きのクライムダウンで涙目になった。

丁須の頭。筆者はとっくに憔悴しきっていたので死んだ顔で他のメンバーが登るのを見ていたのだが、寒いし寂しくなったのでついていく。先にテラスにいたパーティは何やら立派なカメラを携えており、撮影のためといって一部メンバーが先ほどまで我々のいた小ピークに行ってしまった。YouTuberにしては人数も多いし装備にずいぶん課金してある様子。丸山さんと鶴田さんは丁字のてっぺんへ。(丸山さんリード)41期はおとなしくテラスで待機していた。

眺望を楽しんだあとは山口くんを先頭に休憩を挟まずさくさく降りていく。
後は下りだけで今後の楽しみも特にないのに鎖場ばかりで激萎えだった。

谷に降りてきた。日が当たらないので冷涼とした雰囲気。この辺でようやく鎖になれてきたがもう終わりである。沢は完全に枯れ切っているがポンプらしきものが転がっていたのでかつては結構な水があったのだろう。よく整備された登山道に感動しながら飛ばしていく。
16時下山、車の鍵が見つからなくて出発までに時間がかかった。

□河野雑感
・「アナ雪見てたから睡眠不足なんだよね〜」丸山さんがおっしゃるとパワーワードでしかない。
・前日はご機嫌だったのに山中ではなーんでこんなところ来たんやろ、分不相応やって割と涙目でめちゃくちゃ愛想が悪くなってました。みなさんに要らん気を遣わせてしまいました。ごめんなさい。
・印象:落ちても死なない鎖付きスラブのトラバース>落ちても死なない鎖付きクライムダウン>落ちたら死ぬ岩場>紅葉>丁須の頭>風穴>妙義独特の景色>鶴田さんの運転
・激強の山姥になってから再訪したいです。
・カシミール3Dの有能性を垣間見て興奮している。

■コメント
□丸山
・想像よりもルーファイが難しく、それなりに面白かったが、巻いたので消化不良感有り。やはり岩稜は稜線を歩きたいものである。
・沢に慣れている河野がたかが登山道の鎖場にあんなに苦労するとは思わなかった。そういう人もいるものなのだと頭に留めておきたい。
・丁須の頭の頂部は、鎖にヌンチャクをかけながらフリーで登ったが、IV程度だった。楽しいのでお薦めだが、ロープは使った方が良いと思う。下りは懸垂下降推奨。
・裏妙義主稜線登山道は、上記の下ノ廊下風のところなど、変化に富んでいて面白かった。
・もともとは金鶏山を考えていて、メンバーの意見を参考に風穴尾根に変えたが、11/30に金鶏山に行った身からすると、変えておいて正解だった。
・妙義は登山道のない尾根も面白い。遠くて行くのは大変だが、今後も通いたいと思う。
□鶴田
・16日に続き妙義で楽しい1日を過ごすことができ、とても満足。高度感、妙義らしい珍奇な岩塊、紅葉など…に終始高揚していた。
・風穴尾根は、丸山さんが率いてくださるあとをただただ追うにとどまり、ルーファイの難しさに震えていた。今の自分では、決して先頭を引き受けられない。読図やルーファイの力を磨きたいところ。
・河野さんと山口くんのやりとりが微笑ましく、癒しでした。かわいい。
・西武秩父〜国民宿舎裏妙義の運転では案の定皆さまをひやひやさせてしまった。申し訳ない限り。個人的には今回の核心のひとつとして数えあげたい。
□山口
・丸山さんがいなければ歩けないコースで、貴重な経験になった。
・歩行面での難易度は適切で、妙義の特徴的な岩稜を十分楽しんだ。今後も今回と同程度の岩稜を歩く計画があれば参加したい。
・河野さんは怖い怖い言ってるその瞬間にカメラ出してきて写真を撮っていた。そんな度胸があるんなら,実はそこまで怖くなかったんじゃないん?wまあ先入観の影響は大きくて、適度な緊張は大事だが過度なビビリもよくないということですかね。

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