【毘作戦】毘沙門山(小鹿野白石山)〜小鹿野鉄砲まつり【戊19.3】
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- GPS
- 04:33
- 距離
- 8.5km
- 登り
- 870m
- 下り
- 854m
コースタイム
天候 | 快晴風時々強し |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
廃屋の先の崩壊地で道が不明瞭になる。 巡視道または作業道と思われるしっかりした道があるが、尾根筋との分岐では尾根筋を進むが吉。 毘沙門山の岩稜に乗る手前は超急登で大変危険。身体能力に劣る人は、ここで引き返すか、熟練者及びロープ両方の助けを借りること。 劣っているにも関わらず、その自覚の無い人は、降りられない状態に陥る危険があるが、その場合、四つん這いになって昇降すること。 他ルートは公的に紹介されておらず、安易に別ルートからの下山を試みるのはやめた方がよい(紹介されているルートすらまともに歩けないのに…ということ)。 岩稜上は踏み跡がしっかりあって変な所に迷いこまない限り危険度は低い。 |
写真
感想
台風被害甚大なるが故に最近足を運んでいなかった栃木、埼玉、東京、山梨各地に思いをいたしつつ、小規模な山行を企図。その第二弾としての埼玉・奥秩父山行。
【山梨か、父不見か、毘沙門か】
12月に入り、いよいよ降雪積雪の可能性が増してきた。1週間で歩ける山が歩けない山に変わり果てるということは十分あり得る。
ということで、当初は山梨を軸に検討を進めていた。が、そういえば、8日は小鹿野鉄砲まつりではないか。ここ数年、毎年小鹿野周辺の山を歩いては飯田八幡の祭に顔を出しているので、山梨は翌週に軽い山行をすることとし、今回は秩父で山域検討に入る。
その筆頭に上がったのが父不見山だが、いかんせん遠過ぎる。バスの終点からも距離がある。父不見山から毘沙門山、観音山と下ってきたのでは祭に間に合わなそうだ。
そこで脚光を浴びたのが小鹿野の白石山、すなわち毘沙門山。以前、小鹿野で泊まった宿の部屋に「両神」、「白石」等小鹿野の山々の名が振られていて、それ以来、ずっと頭の片隅にあった山だ。
高難度のマイナーな山であり、台風後のヤマレコも無いので逡巡する気持ちもあったが、毘沙門とは「助けにつとめる者」の意味であり、邪鬼を制する毘沙門天の名を冠する山を今歩くことは意義深いことのように思われた。
【山の状況】
池原バス停を降り、赤い橋を渡って入山する。序盤は元々民家や田畑があったらしく、若干荒れてはいるものの歩くのに支障はない。
かつての村落と植林帯の境目辺り、特に、一番奥の廃屋の先に崩壊地があり、道がわからなくなる。尾根筋を行けば良いという事前情報を得ていたので、尾根上に上がったが、ここで、「正規の道」を確認するため、南に下るのではなく、ピストン山行にすることを決定する。
なお、「正規の道」と言うよりも今となっては"元の道"は、尾根にすぐ上がるのではなく、崩壊している沢をそのまま高度を上げずに進み、山腹を巻いていく感じで植林帯と開けた箇所の境目を歩いて行く。しかし、土砂が流れ込んで、もう道とは言えないような状態になりつつあるので、崩壊地付近から尾根に直登するのがオーソドックスな歩き方になるだろう。
鉄塔を過ぎた辺りで道は尾根を外れていく。しかし、その先は倒木や崩壊で進めない。また、その道は高度を上げていく気配が全く無かったので、最初の崩壊地の時と同様、基本尾根筋を歩くのが無難で良いと思われる。その道を進んでしまった場合は、「ああ、あそこで尾根筋方向に行くべきだったか」と感じるはずなので、そこまで戻るのがベスト。道の無い急傾斜直登は蛮勇と言うべし。
本日のクライマックスは長合沢ノ頭手前の超急傾斜。急傾斜と言うより崖。岩場なら足元がしっかりしているが、足元に細かい砂利などがあったりするので厄介だ。複数人で来る場合は落石を起こさないようにも注意したい。
仲間やロープ等の装備が無い場合は木の多く立っている方に寄って昇降する。今後、その頼りの木々が倒れて無くなったら、いよいよ難度は増し、這わないと通過できないかもしれない。
岩の主稜線は切れていて高度感あり。しかし、道は明確。先の超急傾斜を乗り越えてきた人なら無難にこなせるだろう(超急傾斜で疲弊しきった人は危ないので休憩をとってから取り掛かること)。
【山への評価】
この山の良い所は、山を歩く者に、山の厳しさを再認識させ、驕りを戒めさせ、山行姿勢を引き締めさせるところ。
身体のリハビリに近くの低山を歩くという人は多いと思うが、この山は精神的リハビリに最適だ。心が緊張感を取り戻し、気持ちがシャキンとする。
ただ、いろいろとネット情報を見ていると「入山禁止」とあったり、一方では『山と渓谷』で紹介されていたり。そもそも倉尾鉱山は既に廃坑のようだが、今、土地の権利関係がどうなっているのかはっきりしない。主稜線までは「県営林」の標識があることから県の土地と思われ、主稜線が倉尾鉱山と県有地の境目のような気もするが、山頂岩峰の東の端に倉尾鉱山による「立入禁止」の看板がある。今も有効なのかどうかわからないが。その辺りよくわからない地域に迂闊に、或いは無闇に立ち入るのもいかがなものかと思うので、山行は東側から山頂付近まで辺りにしておいた方が良いだろう。
【総括】
小鹿野の白石山と言えば、難しい山、怖い山というイメージが先行していたが、実際歩いてみると、スリリングながらも素晴らしい山で十二分に楽しむことができた。「山への評価」でも述べた通り、大変ためになる山であり、私にとって奥多摩・御前山に次ぐ"先生"となり得る山だ。
今回山行では空が穏やかさを取り戻したことをしみじみと感じた。しかし、里へ下りれば、なおも落石が残っていたり、川岸の法面がブルーシートで覆われたりしている。
空だけでなく大地も、人々の生活も穏やかさを早期に取り戻せるよう、切に願ってやまない。
〜おしまい〜
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