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Yamareco

記録ID: 2186107
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雪山ハイキング
八ヶ岳・蓼科

美ヶ原

2020年01月11日(土) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
8.2km
登り
630m
下り
637m

コースタイム

山上は全くの吹きさらしなので、衣類は完全冬山装備で。
天候 快晴
過去天気図(気象庁) 2020年01月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
コース状況/
危険箇所等
下からは雪が無いように見えても、樹林の中は結構あるので、アイゼンかチェーンスパイクは必ず持参する。
沢沿いを登る
南面は雪なし
正面は乗鞍
茶臼山が大きい
露頭が近づいてくる
露頭が近づいてくる
雁坂峠ふう
もうすぐ。しかし風が寒い・・
もうすぐ。しかし風が寒い・・
向こう側が見えてくる
向こう側が見えてくる
後立山連峰
美しの塔
八ツ、富士山、南ア方面
1
八ツ、富士山、南ア方面
根子・四阿(右寄り)と妙高山群(左寄り)
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根子・四阿(右寄り)と妙高山群(左寄り)
かわいそうなお社
かわいそうなお社
面白い顔をしていなさる
1
面白い顔をしていなさる
中央が「山頂」
王ヶ鼻。後は北ア南部
1
王ヶ鼻。後は北ア南部
北ア北部から妙高
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北ア北部から妙高
下りながら。宇宙基地か
下りながら。宇宙基地か
日蔭は凍っている
日蔭は凍っている
林道のようなところを歩く
林道のようなところを歩く
最後は穏やか
振り返る

感想

三城牧場9:20〜美しの塔11:40/11:55〜王ヶ頭12:35/13:00〜三城牧場14:42
 美ヶ原は観光地のイメージが強かったが、素晴らしい星空のレコをいくつも見るにつけ、尾崎喜八のゆかりもあるので行かないわけにはいかないと思い立った。そうであればぜひ人の少ない時期に百曲りから登りたい。3連休の初日は素晴らしい晴天で、高速道路から穂高連峰が真正面に白く輝く。わざわざ山に登りに行く意義は半減?だ。朝の松本の街にはまばゆいばかりの陽光が降り注いているが、それでも行き交う車はみな白く霜を屋根に載せている。
 段々畑の間をぐんぐんと登り、奥のアザレアラインの方から三城牧場に向かう。最後は道の脇に雪の消え残りがちらほら見えたが、その程度で問題なく園地の看板に到着した。真ん中の「いこいの広場」の、トイレのある駐車場は閉鎖されていたが、下の段は開いていたので安心して駐車できた。間近に見上げる山肌には雪がまだらに付いているくらいだったので、迷ったすえアイゼンの付かない軽登山靴を選択した。目立たないが、センターハウスの左側から導標に従い山道に入る。しばらく行くとキャンプ場内のアスファルト道にぶつかるので左に少し進むと、改めて登山道が右に分かれる。沢沿いの静かな林の中を、まずはハイキングの感じで歩きだすが、3センチほどの積雪が固く凍って残っている所が多く、ストックを突きながら慎重に進んだ。小平地で茶臼山へ向かう先行者2人と分かれ、いよいよ百曲がりコースに踏み込む。南面なので雪は消えていて、笹の下生えの緑が青空に映える。道は本当に細かくジグザグを切って登っていくが、その分斜度は緩やかで、それほど難儀ではない。落葉松林から岳樺混じりへ、そして黒木が出てきて、と樹相が変わり飽きることがない。西の谷の上には、乗鞍、御嶽、穂高がさすがに白い。
 やがて足元は平べったい石を積み重ねたような道になり、踏むとカラカラと乾いた音を立てる。木琴ならぬ石琴の調べだ。行く手には頂上台地の縁の、溶岩の露頭が黒々と要塞のように張り出しているのが近づいてきて、心が躍る。最後の数十メートルは樹林を抜け、背後から冷たい風が容赦なく吹き付ける。アウターを着たいが、そのために数分立ち止まるより、早く向こう側の景色を見たい気持ちが勝る。やせ我慢で最後の壁を越え、とうとう足元の傾斜が無くなった時、最初に目に入ったのは、一面の枯野原だった。ようやく来られた満足と、予想と異なる状況への戸惑いを感じながら、そこだけ雪の付いた道を歩く。緩やかな膨らみを越えると、目の前に今度は白い大雪原が広がり、アンテナの林立する王ケ頭が飛び込んでくる。雪原もさることながら、水平に360度×頭上180度に遮るもののない青空の広さに何か呆れてしまう心持ちだ。
 晩秋ハイク気分のアプローチとは一変して、極地のような寒風が吹きすさぶ台地の、キャタピラーの跡を踏みしめていく。さすがにメインストリートには、賑わうというほどではないが、子連れ、犬連れを含む人達がそぞろ歩いている。美しの塔に着き、銘板に刻まれた尾崎の詩を朗読して鐘を鳴らす。
 塔の内で風を忍びながら行動食を流し込み、王ケ頭に向かう。頂上のホテルは間近に見えるが、ザクザクと雪を踏みながら歩くのは漫歩というほど楽ではない。南北中のアルプス、八ツ、富士山、浅間から四阿、妙高火打と、四周の展望には飽きることがないが、それにつけても、いずこの山も2000m以下の中腹は枯葉色の有り様で淋しい限りだ。縁故のある上田の街並みが遠く見下ろされ、こころ和む。
 頂上近くでは、アンテナはともかく、この高さにおけるこの巨大なホテルの存在の「把握になおも苦しむ。」建物の裏というか陰になってしまった所に社がひっそりとたたずんでいる。ここにだけ急に登山者がたむろしているのに驚くが、皆さんアルプス展望コースから来るようだった。北アルプスの全景を撮りたいと思うが、どう動いてもアンテナに分断されてしまう。王ケ鼻まで行けば良いのだろうが、時間を考え次の機会とする。
 心を残しながら、下山にかかる。ホテルの南側の脇から急な台地の縁を下り、交差点を過ぎ、ダテの河原コースに入る。落葉松林の中を電光型に降りていくが、百曲がりと違って道の上だけは雪がずっとつながっていて、時々凍った部分もあるのでストックで確保しながら慎重に歩く。帰ったら流行りのチェーンスパイクを買おうと心に決める。雪は中々無くならず、針葉樹林の中のトラバースでは一面が氷になっていたりで気が抜けない。ひょっこり建物の脇に出ると、ゆるやかな沢沿いの道になり、ようやくほっとできる。季節が逆戻りか、あるいは初春へと進んだかのように穏やかな陽気で頂上との落差が大きい。左の樹間に、上からも見えた枯れたゲレンデのようなものが覗くが、ああ牧草地かと今頃気づいた。車道に降り立ち、頭上にアンテナ群を見上げる。10分ほどのクロージングで駐車場に戻った。せっかく松本まで来たので、浅間温泉に回り、ホットプラザで入浴して帰途につく。塩尻北ICに向かったが仕事帰り?の渋滞にはまってしまい失敗だった。
 展望に恵まれたうえに、気になっていた聖地巡りが一つ片付いて満足の山行だった。今回はメインストリートしか歩かなかったが、少し離れたピークを巡り歩けば、十分に「山」として楽しめそうだ。

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