素晴らしかった北穂高と北穂高小屋
![情報量の目安: A](https://yamareco.info/themes/bootstrap3/img/detail_level_A2.png)
![都道府県](/modules/yamainfo/images/icon_japan_white.png)
- GPS
- 30:29
- 距離
- 34.7km
- 登り
- 1,779m
- 下り
- 1,765m
コースタイム
5:31上高地BT-6:18明神-7:01徳沢-7:46横尾8:09-8:54本谷橋-10:09涸沢ヒュッテ10:24-13:25北穂高岳山頂
2日目:
6:03北穂高岳山頂-7:51涸沢8:02-9:02本谷橋-9:47横尾-10:31徳沢-11:14明神-11:57上高地BT
天候 | 1日目 晴れ 2日目 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
バスで上高地へ(往復2,000円) |
コース状況/ 危険箇所等 |
涸沢までは普通の登山道 涸沢からはアルプスを実感! 北穂高までは高度感を気にするほどではなかったが、1つ目の鎖場の直後は高さを感じた。すぐ先の梯子を手にするまでははらはら、ドキドキ。ここから上は、斜度もきつくなり....。 慎重な行動が要求されるコースです。 |
写真
感想
北アルプス初見参。
大袈裟に聞こえるかもしれませんが、人生観が変わった?ような気がします。
トレッキングをはじめて2年弱、今年は冬から奥多摩や丹沢のロングコースでトレーニングを行い、ついに穂高岳に挑戦。
2泊3日旅程がオススメなのを、体力に過信があったため1泊2日での山行となりました。
AM1:00に沢渡駐車場に到着。3時間ほど仮眠し、4:40始発バスを目指しましたが、あえなく寝坊し5:00のバスで上高地入り。5:30前に上高地を出発。
はじめは平坦な登山道を明神〜徳沢〜横尾まで休まず歩きます。日頃から自分では健脚と思っていましたが、私を追い抜いていく人の多いこと多いこと...。挙句の果てに若い山ガールたちにも追い越されてしまい....ここはレベルが高い=自分のレベルが高くないことを実感しました。
横尾でおにぎりをほおばっていると、隣の方から声を掛けられました。
「ここらで登っていない高い山は穂高くらいなんだが.....。」
秋田から1人で車を運転してこられたという御年75歳のベテランさんでした。
「百名山のほとんどを登っているのだが。」
というのが先の言葉の続きです。山を始めたのは50過ぎだそうですが、
「若いときには4日も5日も続けて山に登ったもんだが、最近はなかなか体が続かない。昨日の朝に上高地に着き穂高を目指したものだか、本谷橋まで行ったところ足の調子が悪くなって断念した。」
とのこと。
以前、北穂高に挑戦したときも途中で断念されたという話もされていました。
うちの母親も79歳でいまだに山登りを趣味としていますが、このベテランさんもとても70歳を過ぎているようないでたちではなく、若さを保つ秘訣は体を動かすことにありそうです。
今回はあきらめて下山するそうなので、地図のコピーを戴くことになりました。というのも慌てて荷造りをしたため、昭文社の地図を忘れてしまっていたのです。もっともi-phoneとDIYは持っているので、標準時間が不明な点を除けば問題はないのでスが......。
横尾橋を渡りしばらく行くと、ようやく登りが始まります。ここから涸沢までは普通の登山道と変わらない傾斜で、登山道は広く、足元もしっかりとしています。
涸沢には10時過ぎに到着。休憩を含めて4時間30分ちょっとでした。
このまま穂高岳山荘に行くと、12時代には着いてしまいます。それなら、ちょっと手ごわいが、北穂高岳から稜線経由で穂高岳山荘入りしようか....と、アルプス未体験の若造が山を甘く見ていたんですね、北穂高岳に登ることにしました。
ところが、この北穂高岳へのルートが想像を絶するものでした。傾斜はきつく、日陰はなく、ときおり高度感を感じずにはいられない場所もあり......。いつもはもっと長いインターバルで休憩をとるのですが、はじめは30分に一度と決めて休みました。しかし、次は20分で休み、挙句の果てには10分ごとに休まざる終えない状況に。
空気が薄いこと、仮眠が短いこと、高度感による恐怖....なにせ、滑落防止のために3点支持で通過しなければならない場所が結構あり、脚力・腕力がしだいに奪われていくのがわかりました。
同じ時刻に10歳の小学生とそのお母さんが登っていましたが、クサリ場で追い抜かれる始末。何度か抜きつ抜かれつする際に言葉を交わすと、きょうは北穂高小屋に泊まり、明日奥穂高を目指すとのこと。
上から降りてきた女性のグループにも北穂高小屋に泊まることを進められ、奥穂高まで行くことを断念。すると、ペースをあげなくてはというあせりもなくなり、ぐっと楽になりました。
1時過ぎに北穂高岳の山頂に到着し、宿泊の手続きを直ちに行いました。
何せ山小屋泊もはじめてなので、心の中はドキドキしっぱなし。
部屋を教えてもらい荷物をおいて、はじめてほっとすることができました。
北穂高小屋は山頂のすぐ下にあり、定員70名ほどのこじんまりとした小屋でした。売店で売っているものの値段は下の小屋と同じで、お得感がありました。
ここの小屋のすばらしいところはその眺めです。1日目は西側が主にガスっていたのですが、ときおり槍ヶ岳が顔をのぞかせ、常念が目の前に、右側には前穂高〜奥穂高が一望できました。
夜は一時ガスに包まれましたが、夕食後には天頂は晴れ渡り、遠くでは雷雲が光るのを眺めつつ、天の川を観察できました。
翌朝はさらに晴れわたり、360°のパノラマを堪能できました。特に槍ヶ岳はすばらしい眺めで、切れ落ちた大キレットをくっきりと見ることができました。
小屋で声を掛けていただいたNさんは、とってもすごい方でした。70を過ぎているという方でしたが、やはり山に目覚めたのは50過ぎからとのこと。すぐに百名山を達成し、中国や台湾の山まで登られているそうです。2ヶ月前に手を骨折したリハビリで今回は、槍ヶ岳〜北穂高まで縦走してきたとのこと。ということはあの大キレットや飛騨泣きを越えてきたということ....!?
剣岳のタテバイ・ヨコバイの話やジャンダルムの話も聞かせてもらいました。すごすぎ!
Nさんの他にNTT富山のグループ3名と、小屋にいる間ご一緒させてもらいました。この3名方も地元の山ということで剣岳は登られています。今回私が計画した北穂高岳〜涸沢槍〜奥穂高岳を逆周りでこられたグループです。ここは私が考えていた以上の難ルートらしく「途中で登山が楽しいと感じる時間が全くなかった。」とのことでした。
北穂高小屋での出会い、そして北穂高からの眺めは、自分の人生観や登山の概念を変えてくれたと思います。
ご来光を山頂で迎え、360°の大パノラマを楽しむには、この北穂高小屋は最高のロケーションです。なにせ小屋を出て山頂に達するまでに階段を10数段登るだけですから......。さらに付け加えると、小屋のスタッフの笑顔もとても素敵でした。
翌朝は仕事の関係で、奥穂高には向かわずそのまま慎重に下山しましたが、今度は槍ヶ岳から縦走してみたいものです。もちろん北穂高小屋には泊まります。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する