キリマンジャロ(レモショルート7日間)


- GPS
- 152:00
- 距離
- 61.2km
- 登り
- 4,704m
- 下り
- 5,305m
コースタイム
- 山行
- 3:25
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 3:25
- 山行
- 8:37
- 休憩
- 1:11
- 合計
- 9:48
- 山行
- 7:34
- 休憩
- 0:53
- 合計
- 8:27
- 山行
- 4:50
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 4:50
- 山行
- 3:40
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 3:40
- 山行
- 8:39
- 休憩
- 2:33
- 合計
- 11:12
- 山行
- 3:07
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 3:07
天候 | 晴れときどき曇り(7日間雨なし) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
飛行機
2月5日JAL北九州空港16:45発→羽田空港18:10着/カタール航空ドーハ行23:50発 2月6日ドーハ6:10(現地時間)着/カタール航空9:10発→キリマンジャロ空港15:40着 →車でMoshi市内のホテルに移動 復路 2月18日カタール航空キリマンジャロ空港17:10発→ドーハ23:40着/カタール航空2月19日1:55発→成田空港17:55着 リムジンバスで羽田空港に移動 2月19日SFJ羽田空港22:55発→北九州空港24:55着 |
コース状況/ 危険箇所等 |
レモショルートは行程が長く、徐々に高度を上げるので高山病にかかりにくいと言われている。急こう配、危険な岩場はほとんどなく、安全に歩ける |
その他周辺情報 | 市内に土産物店多数 サファリが各地にあり、日程に応じて楽しめる |
写真
感想
【プロローグ】登山の半年前、元勤務先の山岳部OBから、キリマンジャロ遠征を計画していたが欠員が出たので一緒に行かないかとお誘いがあった。ちょうど1年前、剣岳で滑落して膝を骨折しリハビリ中で、満足に山歩き出来る状態ではなかったので不安はあったが、アフリカ最高峰の魅力に負けて参加することにした。メンバーはOB4人、その知人女性の計5人である。航空券、現地ガイド、ビザの手配などは旅慣れた女性が全部やってくれたので、おんぶにだっこで助かった。ちなみにタンザニアに行くには、黄熱病の予防接種を受けること、マラリア予防薬の携行などが必須となる。男性4人の平均年齢70歳。ロートル軍団の挑戦が始まった。
【ルート】キリマンジャロのトレッキングルートはいくつかあるが、今回選んだレモショルートは一番行程が長く、すべてテント泊となる。他のルートではロッジ泊も選べるし、日数も短いので日本からのツアーで人気がある。レモショルートは行程が長い分、高度順応に有利で登頂成功率が最も高いそうである。
【パーティ】我々5人にガイド3人、コック1人、ポーター14人が付き、総勢23人のパーティとなった。テント、寝具、食材、調理器具などはすべてポーターが運び、全行程で食事付きなので自分で持つのは着替え、嗜好品、カメラなど必要最小限で済むのは助かる。
ポーターは我々とガイドの出発後、テントを撤収して我々を追い越し、昼食ポイントでお昼を準備。その後、また追い越して宿泊地にテントを設営し、水を入手して夕食の準備をするという超人的な働きをしてくれる。頭が下がる思いである。それでいていつも陽気で、歩くときはポレポレ(ゆっくりゆっくり)、朝起きるとジャンボ(こんにちは)!楽しい連中で良かった。
【キャンプ場】キャンプ場は低高度では広く平坦な場所にあるが、高度が上がるにつれて岩場が増えるので場所取りも苦労するようだ。概してトイレはきれいで、不満のある場所はなかった。当然シャワーはなく、せいぜい洗顔程度の水しか貰えないので、下山後のホテルのシャワーは有難かった。テントでは貸与されたシュラフで寝る。ダウンではなかったものの結構温かく、高地でも寒さは感じなかった。また、世界中から来た多くのパーティが泊まるのだが、概して就寝は早く、日本のように遅くまで騒いだり大声で喋ったりする不心得者がいないのには感心した。また、縦走路にもテント場にもゴミがまったく落ちておらず、こちらも感心した。
【食事】コックさんの作る食事は現地料理より洋風料理が多く、自分的には合っていておいしかった。ただ、量が半端なく多く、半分ほどは食べ残したのでポーターたちに食べてもらった。メンバーの中には食事が合わないという人もいて、日本から持ってきたインスタントラーメンなどを食べることもあった。自分も食材を持参したが、ほとんど食べる必要がなかったので、ツアーが終わってからガイドたちにプレゼントした。
【トレッキング】レモショルートというコース特性もあるかもしれないが、トレッキング自体はゆったりとして特別な技術も不要で、そこそこの体力と高山病対策さえできていればイモトのような登山素人でも登れる。最初は密林の中を気持ちよく歩いた。珍しい植物や動物も見られた。森林限界を越えると荒涼とした登山路になったが、岩場らしい岩場は一ヶ所だけで危険を感じるところはなかった。一番きつかったのはやはり頂上アタックの日で、4,673mのキャンプから5,895mの山頂まで標高差1,200m、5kmを一気に登るのは大変だった。低酸素がボディーブローのように効いて、高山病ではないものの足がなかなか前に進まなかった。他のメンバーも同様に苦労しており、結局OBのうち二人は5,756mのStella Pointでギブアップし、最高峰にたどり着けたのは3人だけだった。それだけに達成感は半端なかった。登頂後は3,100mのキャンプまで約2,800mを一気に下るのだが、これもきつかった。ガイドによると一気に高度を下げ、高山病を防止するためらしい。結局この日は行動時間18時間、歩行距離17.5km、累積標高差4,000mを歩いたことになる。7日間天候に恵まれ、おおむね晴れており、曇りやガスもあったものの雨に降られなかったのはラッキーだった。
【高山病】キリマンジャロの酸素濃度は平地の半分しかなく、高山病の発生が懸念される。アタック前日、山頂付近でドイツ人が倒れてヘリで救急搬送されたが、死亡したとガイドから聞かされた。キリマンジャロ登山においては、登山者の酸素飽和度と心拍数を毎日計測・記録して所管役所に提出することが義務付けられており、数値が基準を外れた登山者は下山しなければならない。自分の毎日の酸素飽和度は89→82→79→84→91→80、心拍数は92→106→115→110→105→110だった。通常の酸素飽和度は90〜95、心拍数は60〜70なので、高地では酸素を多く取り込もうと心臓が頑張ってくれていたのだろう。ちなみにガイドやポーターの場合、高地でも酸素飽和度90以上、心拍数60台だった。体質、生活環境、訓練度などの違いであろうか。それにしてもタフな人たちである。我々ロートル軍団が特段の高度障害もなく無事に登頂出来たのは、ルート選定が適切だったこと、ゆっくり歩いてくれたガイド、それに予防薬のダイアモックスのおかげだろうと思う。
【サファリ】下山翌日から5日間サファリツアーを楽しんだ。アフリカンサファリというとケニアが有名であるが、タンザニアのサファリもなかなかのもので、十分堪能した。最初5日間と聞いた時、そんなもの1日か2日見れば飽きるだろう、と思っていたがなんのことはない、飽きるどころか感動の連続だった。いつになるか分からないがこちらも別にまとめてみたいと思っている。
【費用】
航空券:日本〜キリマンジャロ往復:約14万円
キリマンジャロ登山(7日間)+サファリツアー(5日間):2,800$(約32万円)
その他:黄熱病予防接種、ビザ取得、マラリア予防薬、ガイド・ポーターへのチップ等
合計:50万円弱(日本発ツアーで行くより割安で行けた)
【エピローグ】なんやかんやで1年遅れになってしまい、賞味期限の切れた山行記になった。それでもメモ帳や大量の写真を眺めていたら当時の感動が思い出され、懐かしい。サファリも素晴らしかった。ヒマラヤや台湾の山も良かったし、たまには海外の山に行くのも悪くない。またいつか行けるように体力と財力を鍛えることにしよう。
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