ブンゲン


- GPS
- --:--
- 距離
- 5.9km
- 登り
- 654m
- 下り
- 653m
コースタイム
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
若竹荘裏からしばらく行くと、登山道が不明になりました。道なき斜面をひたすら登り、正規の登山道にたどり着くことが出来ました。 |
写真
感想
「滋賀県の山」にブンゲンと云うかわった名前の山が紹介されていた。往復6時間10分、手頃な山と云う事で、と次に登る山に決めた。奥伊吹スキー場の稜線にあり、岐阜県境にある山で、射能山とも呼ばれている。ブンゲンの名の由来は判らないが、射能山は、この山を構成する新期花崗岩類にモリブデンなどの希元素鉱物、放射能物質が含まれていることによるとされている。放射能山では少々物騒なので、放は放ったのだろう。熊の生息地域であるということで、熊除けスプレーを持参。2012年5月20日、朝7時に自宅を出発。同行のW氏は、今年から山登りを始めたばかり。関ヶ原ICから伊吹山をかすめて奥伊吹スキー場へ向かう。2車線の立派な道路を快適に走ってスキー場の駐車場に着く。案内本には、民宿「若竹荘」の横から登ると記されているが、若竹荘が何処にあるか見当たらない。車を進めてゲレンデの手前で誰かいないかと探し、お店の中の人に教えてもらう。引き返して、リフト{アルカンデ}の前に車を停める。支度をしてアルカンデの横の道を若竹荘まであがる。8時45分、若竹荘の右側の柵を跨いで庭に入り、登山口は何処かいな?と庭を横切る。大きなミズバショウが咲いている庭の斜面を登り、若竹荘の水道ホースに沿ってトラバース気味に下る。今にも崩れ落ちそうな細い道を下ると丸太3本で組まれた橋が現れる。腐りかけた丸太の橋を避け、川を石伝いに渡ると、「ブンゲン登山道」と読める古〜い案内板が岩の上に横たわっている。「う〜ん、これで間違いないな」、と安心して進む。新緑の中、滝が流れ、オゾンをたっぷり吸って気持ちが良い。と、道が無くなり、反対岸に渡渉。人が通った跡が感じられない道を進むと再び道がなくなり、また反対岸に渡渉。石にのっけた左足が滑り、右足は川の中。靴に水が浸入する。ここで、「滋賀県の山」からコピーした「ブンゲン」の項を取り出して見ると、「木橋を渡り、尾根道に取り着く」とある。ここはどう見ても尾根では無く、谷。道を間違えたと先程の丸太の橋まで戻ると、古い案内板に「→」がついているのが判読出来る。しかしその→は若竹荘を指している。尾根、おね、オネ。あっちへ行ったりこっちへ戻ったりしていると、旨い具合に10人程のグル―プがやって来る。先頭の男が、「もう下りて来たんですか?」と聞くので、この先、道が無くなったので戻ってきたんですが、登山道はどちらかご存知ですか?」。先頭の男は、「まあ行ってみます」と、今わたし達が行って来た道に入り、木間に消える。W氏と思案し、われわれも後に続く事にするが、もう彼らの姿は見えない。先程戻って来た地点まで行っても彼らの姿は無く、さらに先に行ったものと思われる。足跡を頼りにわれわれも渓流沿いに遡る。ここはどう見ても登山道とは思えないが、先のパーティーが登るんだからまあ大丈夫だろう。何度渡渉を繰り返したのか覚えはないが、と、足跡は突然左手の山に取り着く。どう見ても登山道では無いが、われわれも先行者の足跡を辿る。落ち葉の積もった急登の斜面。フラットな急登なのでアキレス腱がストレッチされ、負担が掛る。絶対に登山道では無いことは明らかで不安がつのる。木の枝に掴まりながら雑木林の中の急斜面を登り切り、尾根に出てひと休み。尾根道の傾斜は緩やかとなり、もうこれで正規の登山道になったとひと安心。30分程登り、ピークを下ると少し広まった場所に行きつき、その先に道はなく、足跡も見当たらない。さて、どうしたものかと思案し、ここは右手の斜面を登る。雑木林のテッペンに登るが道はなく、これは絶対おかしいと再び引き返す。谷を覗いたり、山肌を進んで見たりするが足跡は無く、再び斜面を登ってテッペンへ。谷の向こうにリフトの降り場が見えるところから、今いる場所はブンゲンとスキー場を結ぶ県境尾根の支尾根に違いないと判断。先ずは雑木林をかき分けて下り、登り返す。ここからが大変。直径1cm以上、高さは背丈以上の薮と雑木。登るにつれ、その密度は増し、行く手を阻む。雪の重みで倒れた薮、これがまた厄介で乗り越えるのにひと苦労。K氏が、「もう戻りましょう」と云うが、「迷った時は上に登るのが原則」と、先に進む。壁のように立ちはだかる薮と雑木。少しでも行きやすそうな場所を探し、跳ね返る薮に下肢を叩かれながら、一歩づつ登る。藪こぎなんてものではない。薮や枝に目をつつかれないようにするのが最も肝心と、手で払い除けていると、足元が不確かとなる。「もうブンゲンなんてどうでも良い。あのリフトの降り場からゲレンデを通って帰ろう」、「そうしましょう」。ここは人の来る所では無い、クマさんの世界。ザックに吊るした鈴を手で振り鳴らす。薮と雑木の間から、行く手に空が見え始め、もう少しの辛抱だ。薮と格闘し、ひょこっと尾根に出ると、なんだこりゃ、そこは立派な登山道。気分は一転ルンルン、こんな良い道ならブンベンの頂上まで行こう、と云うことになり、尾根道を快適に登る。登ったピークは三角点はあるが頂上では無さそう。向こうのピークがブンゲンでなければもう引き返そうと、一旦下って登り返す。そのピークにも三角点があり、木の枝に「ブンゲン」と書かれた木札が掛っている。丁度13時。登り始めて4時間15分、頂上に登ってこれ程嬉しかった山は記憶に無い。三角点に腰を下ろし、昼食とする。春霞の下、見渡す限り山山山であるが、どれが貝月山か金糞山か、全く同定出来ない。わずかに判るのは伊吹山、春霞の中、その上には雲がかかっている。困難極めて登った事に大いに満足し、食べるおにぎりの美味さ。帰りは正規のルートを下ろうと、笹の中の細い道を探って見ると、直に藪漕ぎ状態となり、悪夢が蘇る。K氏が、「スキー場の方からくだりましょうよ」と云う。即座に「そうしましょう」。広い尾根道を戻り、幾つかアップダウンを繰り返す。途中、食事中のパーティーに遭遇。朝、会った連中で、「どうでしたか?」、と聞くので、藪漕ぎの仕草をして、「大変でした」と云うと、「やっぱりそうでしたか」。さらにアップダウンをするとリフト降り場の建物があり、ここから急斜面のゲレンデをジグザグに下る。長〜いリフト一本分を下ってコーヒータイム。さらにリフト3本分のゲレンデを下って、15時4分、無事駐車場まで帰り着いた。およそ6時間20分の行程であった。
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