早池峰山(地獄2丁目のカチカチ山)
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- GPS
- 08:06
- 距離
- 23.0km
- 登り
- 1,436m
- 下り
- 1,430m
コースタイム
- 山行
- 7:04
- 休憩
- 1:01
- 合計
- 8:05
天候 | 曇りのち雪 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
舗装されたしっかりとした駐車場で除雪もされているので使いやすい。 そこから小田越方面は冬期通行止め。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
◆岳〜小田越 ・アスファルトの林道をひたすらラッセル。 ・特に危険個所はない ◆小田越〜早池峰山 ・しらびその樹林帯は密だが問題なくスキー歩行可能。 ・ツボ足だとラッセル厳しいかも。 ・1400mで森林限界を超えるとカチカチ山の暴風地帯となる。(風は今日だけかもしれないが) ・今回はスキーは使えないと判断し途中の岩陰に板をデポしツボ足アイゼンで登頂した。 ・西風の場合夏道だと思いっきり風が当たるので夏道をそれて少し東面を歩いたほうが風が弱まる。 ・夏道通りだと最後のハシゴ場が核心となりそうだが、上記の通り東寄りに歩けばスムーズに稜線に登り上げることができる。 ・稜線は平坦地で今回のように視界がないと迷いやすいのでGPS必須。 ◆早池峰山〜小田越(下山) ・スキーデポ地点まで夏道の東側の歩きやすい場所を選んで下山。 ・スキーデポ地点から小田越まで滑走。 ・森林限界のカチカチ斜面は転ぶと滑落なので注意。 ◆小田越〜岳 ・ほぼ下り一辺倒なので滑って楽して降りれる。 |
その他周辺情報 | 少し遠いが道の駅東和の東和の湯を利用。 併設されている道の駅で食事も可能。 やすくておいしかった。 |
写真
感想
本来夏に取るはずだった年に一度の連休をこのタイミングにずらして(というかそうせざるを得なかったのだが)東北へ行くことにした。
遠征1日目は岩手の名峰「早池峰山」。
数年前の夏に一度登ってぜひスキーで登ってみたいと思ったのが発端だ。
どこから登ろうかと地形図を眺めて悩む…夏道沿いに行くか北面からアプローチするか。
正直どちらでもよかったが一度歩いた夏道がどうなっているのか見てみたかったので前回同様「岳」から小田越まで林道を辿り、そこから夏道でピークを狙うことにした。
前日のうちにスタート地点となる岳駐車場まで向かい車中泊。
石川から高速で8時間くらいかかった・・・高速代15000円!やばっ(ってことは帰りも!)
ここは民宿なんかが立ち並んでいるので電波も除雪もバッチリで安心だ。
朝3時に起きてマッタリ準備。
今日は単独なので気が楽だがコンディションが悪いとモチベーションが維持できなくなる可能性もある。
スタートから雪道なのでポンツーン169cmで踝ラッセル。
下は硬いのでラッセルといっても大したことはなくサクサクと歩くことができた。
星は見えない。
頭上では風がえらい勢いで吹いている。
樹林帯だからマシだが森林限界を超えたらどうなってしまうのか。
今日の予報は曇り時々晴れ(強風)。
間違ってはいないがちょっとマイナス方向に傾きすぎていないか。
小田越で林道歩きを終え地獄装備を整えていざ出陣。
しらびその森を夏道沿いに進みしばらくすると荒涼とした早池峰山の南面が目の前に現れた。
強風、というか暴風。
斜面は恐らく先週の高温で融けた雪がカチカチに凍っている状態で雪はほとんどついていない。
クトーでも危ない状態だったのでアイゼン登行に切り替える。
1400mくらいまで登ったところでたまらずスキーをデポ。
こんなカチカチ斜面で板が風にあおられて転んだりしたら滑落即終了だ。
岩陰の夏道ロープにしっかり板を括り付けて飛ばされないように気を配った。
さあここからは心機一転雪山登山だ。
高度が上がるにつれて風も比例して強くなる。
1700mの台地に上がったところでほぼ突風状態。
前に進むのも辛いが立っているのもままならない。
当初このまま夏道沿いに山頂まで登り上げる予定だったが山頂直下のハシゴ場がカチカチでこの暴風だと煽られて滑落終了となる。
幸い風は西から吹いていたのでとっさに夏道を外れて東斜面にトラバース、なんとか風を凌ぐことができた。
東からトラバース気味に尾根に登り上げれば最後のハシゴ場もバイパスできるし一石二鳥だ。
引き続きカチカチ斜面が続くのでアイゼンとウィペットを駆使して何とか稜線まで踊り出た。
いくらカチカチでも先月の槍ヶ岳と比べればどうということはない。さっきの暴風付きだとヤバいけど。
山頂部も強風で視界もほとんどなかった。
目の前にプチアイスモンスターがいることはわかるが段差が見えないので足場を探りながら慎重に山頂を目指した。
GPSを頼りに進んでいくと見覚えのある避難小屋の屋根が見えてきた。
小屋も神社もモンスター化しているが夏に来た時の記憶がうっすら蘇る。
一瞬でも晴れてくれないかと願うも空しく結局ガスで覆われたままだった。
山頂で自撮りだけして即下山。
基本登りルートを辿って降りたが、できるだけ東側を歩いたほうが風が弱いので登りルートより落としてトラバースした。
デポした板を迎えにいったらようやくスキー滑走。
カチカチ斜面を適当にこなしたら濃いしらびその森をゆっくりツリーラン。
最後は林道を気持ちよく滑って終了。
振り返れば地獄2丁目の厳しい山行となった。
きっとまた来いということだと思うので次は天気の良い日に北面あたりから狙ってみたいと思う。
はじめまして
積雪期の早池峰山登頂おめでとうございます。丁寧な感想と記録から積雪期の早池峰山の状況が伝わってきます。山歩きは歩いてみて実感するものですね。残念だけど今の私はこの時期に対応できる山レベル(度胸も含めて)ではないです。山歩きの報告に感謝いたします。
コメントありがとうございます。
宮城にお住まいでしょうか、蔵王や栗駒山など良い山が沢山あって羨ましいです。
今回お邪魔した早池峰山もそのひとつ、夏に登って次は是非山スキーでと誓っていました。
今回は残念ながら天気に恵まれませんでしたが次は好天を狙って必ず再訪したいと思います。
少しでもこの記録で冬の早池峰山を味わっていただけたなら幸いです。
遠方の石川県からお出で頂いたのですね。石川県は宮城に居住していますと山は白山のイメージが強く、それと白山神社の総本山です。ちなみに近くにも氏神様の白山神社があります。今後鍛錬に励み積雪期の早池峰山を歩きたくなりましたね。
おっしゃる通り地元でも石川県の山=白山といったイメージがあります。
また機会がありましたら白山へもおいでください。
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