谷川岳 一ノ倉沢一ノ沢右壁左方ルンゼ〜一・二ノ沢中間稜〜東尾根
- GPS
- 16:33
- 距離
- 9.3km
- 登り
- 1,419m
- 下り
- 1,410m
コースタイム
- 山行
- 15:28
- 休憩
- 1:04
- 合計
- 16:32
・GPSログデータはtanukigoさんのものです。
天候 | 終日快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年02月の天気図 |
アクセス |
写真
装備
個人装備 |
60mダブル2本
180スリング2本
120スリング3本
60スリング2本
アルパインヌンチャク4本
22スクリュー1本
17スクリュー5本
13スクリュー5本
ハーケン数枚
アイスフック1
スノーバー1本
リンクス
クオーク
ストレートシャフト1本
【一覧はtanukigoパーティーの装備】
スリングは倍以上持った方が良かった
|
---|
感想
今回はtanukigoさんの計画に乗っかって一ノ倉沢一ノ沢右壁左方ルンゼへ行ってきました。
2年ぶりの左方ルンゼ!!
Climbing‼
ヾ響
・一番の感想は、ただただ長かった。下山時に足は攣りそうだし連休中は筋肉痛でした。。
・今シーズンは雪が少なく高い気温や降雨の影響でどんなものかと多少心配しましたが登れない状況ではなく谷川山頂まで抜けることができました。
・今回のルートはアイスを初めたシーズンの2018年以来2年ぶりのルートでした。そのときはアイス初級者で氷登攀に時間がかかり、F5から上を直上から右上せずに悪い草付きの尾根を岩壁直下まで直上し続けるルーファイミスで時間もなくなり左方ルンゼのみ登攀で同ルート懸垂下降で下りてました。今回は良いとは言えないコンディションの中で上まで抜けるぞというtanukigoさん、Oさんの意欲に乗っかって時間はかかりましたが無事にトップアウトできて良かったです。
・今年1月の松木沢ジャンダルム以来のOさんとザイルを組みつるべで登りました。細かい点などいろいろ教えてもらったりいろいろな面で引っ張ってもらいました。そして何よりOさんはメンタルが強い!!また何処か行きましょう!
・tanukigo夫妻、Oさんありがとうございました。疲れましたが、楽しかったです。またご一緒しましょう。
【2020.02.21現在のコンディション】
★氷の状態
・割れやすい氷でスカスカのクズ氷も多数
★雪の状態
・積雪量少ない
・デブリがまだほとんど無いのに山の斜面には雪がほとんど無い
・雪壁は踏み抜くところもあって気持ち悪い(踏み抜いたところは雪と岩の間に空間が・・・)
・一・二ノ沢中間稜はほとんど藪で雪が乗ってる程度
・一ノ沢右壁左方ルンゼ〜一・二ノ沢中間稜〜東尾根合流部までトレースなし
・東尾根にはトレースあり(朝一の一ノ沢にはトレースありませんでした)
反省
・特にありません。
昨シーズン訪れた東尾根。一ノ沢からのアプローチにて雪面に掛かる一筋の氷瀑が印象的だった左方ルンゼ。 更に東尾根上部にて右下方から、東尾根へ向け急峻なナイフリッジが突き上げて来る一・二ノ沢中間稜。
氷から急峻な雪稜そして雪壁へと変化し更に、終了点はピークに突き上げるという冬季登攀にては最も贅沢で有ると思われる左方ルンゼ〜一・二ノ沢中間稜〜東尾根へ継続登攀を楽しみに行って来ました。
左方ルンゼ取り付きにて日の出を迎えるべく早朝 暗闇の中ヘッデンの明かりを頼りにアプローチ開始。暖冬の為か日の出前にも関わらず凛とし空気は無いものの、個人的には登攀への緊張から身が引き締まる中、足を進めます。例年では有り得無い、所々露出したアスファルトを踏みつつ一ノ倉沢出合へ到着。 軽く準備を整え一ノ倉沢へ踏み入れます。ヘッデンの明かりにしても確認できる程、異常に積雪の少ない一ノ倉沢。雪質に不安を抱きながらもすぐに右岸より出会う一ノ沢へ進路を取り高度を上げます。
足を上げる度、傾斜を増す一ノ沢のアプローチに喘ぐと同時に日が昇り左方ルンゼ取り付き付近にて日の出を迎えます。最終準備を整え登攀開始。
【一ノ沢右壁左方ルンゼ】
1P 申し訳なさそうに、かろうじて繋がっているF1より高度を上げます。
出だしの氷が貧相な上スカ氷で非常に悪い。少し高度を上げれば氷質は安定し傾斜も緩いのでプロテクションは取らず60mいっぱい延ばしスクリューにて切る
2P 以前傾斜は緩いスラブ状のナメ。F幾つか認識出来ず此処も60mいっぱい延ばしスクリューで切る
3P 徐々に傾斜の出て来た氷瀑。恐らく傾斜の強いF4で有ろう氷に取り付く。今後の行程を考え弱点を狙い傾斜の緩い右岸寄りにラインを取り60mいっぱい延ばし左岸に有る残置にて切る
4P 雪田歩き。雪崩のリスクを回避すべくスタカットにてF5直下まで。軟鉄1本打つが上部の屑氷にスクリューが決まりピッチを切る
5P 左方ルンゼ核心F5 通称 喉
想定していた以上に右岸にはベルクラが張り落ち口にはしっかりした氷が有った為、すんなり抜ける事が出来右岸の残置にて切る。事実上、左方ルンゼ登攀終了。
【一・二ノ沢中間稜 までのアプローチ】
初見にて積雪の状態が不安定な為安全を考慮しスタカットで4P、60mいっぱい延ばしながら高度を上げる。ラインは屈曲るが弱点を素直に見極めれば問題ない。
【一・二ノ沢中間稜】
1P 出だしより猛烈なな藪漕ぎ。ロープがブッシュに絡み非常に重い。一つ目のピークにてピッチを切る。
2P 急峻なリッジには辛うじて雪が纏う状態で非常に悪い状態。トラバースを交えクライムダウンをしコル状にて短くピッチを切る
3P ナイフリッジの通過。小さなアップダウンが有るので慎重に通過。此処までは短くピッチをブッシュ、ピナクルにてランナーを取る
4P 痩せたリッジを通過し上部雪壁にて切る。
事実上、一・二ノ沢中間稜登攀終了。
ロープを畳み雪壁を詰め東尾根へ合流。
【東尾根 上部】
所々、不安定な雪質も有るが非常に悪かった一・二ノ沢中間稜を抜けてくると快適に錯覚する。急峻な雪壁をトラバースし第一岩峰は右寄りに巻き上部雪壁に喘ぐ。ピーク直下には巨大な雪庇が張り出すが既に開いた切れ目を目指し高度を上げればピークに突き上げました。
日が沈むと同時に谷川岳のピークへ立つと同時に歓喜が溢れる。非常に悪い状況ながら登攀で来た喜びと共に下山開始。
明瞭なトレースは有るものの、ヘッデンの明かりを頼りに慎重に一般道を下山しました。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する