記録ID: 2280691
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アルパインクライミング
道北・利尻
利尻山 長浜ダイレクト〜ローソク岩第一リッジ
2020年03月22日(日) ~
2020年03月26日(木)
- GPS
- 104:00
- 距離
- 20.5km
- 登り
- 2,251m
- 下り
- 2,240m
コースタイム
3/22 晴 栞橋(9:45)尾根取り付き(11:50)Co1260コル(15:00)=Ω1
入山前日にデナリ入山禁止の報を受ける。大荒れによりフェリー欠航の稚内で立ち尽くす。そんな絶望の中入山。栞橋から左岸の斜面を登って堰堤を巻き大空沢をつめる。途中林道などを使用。暑い。西壁が凄い迫力。適当なところで沢を離れ長浜尾根に取り付く。スノーシューでラッセル皆無で快適に上がる。Co1260ポコ手前の登りでEP。ポコから少し降りたコルでΩ1。
3/23 晴→ガス Ω1(5:45)長浜ダイレクト取り付き(8:00-8:15)北稜(19:00)長官小屋(20:00)=C2
三眺山からの下りは北側捲き気味にバックステップ。急でステップもグズグズなのでやや緊張した。急登をしばらく続けて長浜ダイレクト取り付き。支点取れそうにないのでアックス埋めて腰がらみでビレー。
1p 50m 岡崎 雪面を左にトラバースして緩い凹角を登る。緩斜面を挟んでステップとアックスの決まりづらい一段急な段差を越えてリッジ上でビレー。
2p 30m 成田 全てが厚さ50cm以上の雪でコーティングされた壁の猛烈な除雪クライミング。7m程登ると左右にルートが取れる。最初に右のハングしたチムニーを空身で除雪して越えようとしたが抜け口がいやらしく断念。左の垂直の凹角を行くがここも除雪がシビアで空身にして突破。除雪すれば各種プロテクションは取れる。右も左も古い残置あった。ここを越えると雪壁になりリッジ上の岩を掘り起こしてキャメ#1,2,3,イボイボでビレー。垂直部はテントを担いだ岡崎も空身にした。リード3時間、フォローとザック吊り上げに2時間もかかってしまった。フォローも登り終えて15時だったが核心は抜けており先も簡単そうに見えるので暗くなる前には北稜に合流できる読みで進む。この辺りからガスに包まれることが多くなった。
3p 25m 成田 雪稜を進む。段差が2箇所あった。リッジが左に曲がったところでアックス埋めて腰がらみでビレー。いつの間にか視界50~500、気にならない風。
4p 20m 成田 ナイフリッジから同様なグズグズの雪のピナクルを越えてその基部で岩をがんばって掘り起こして岩角でランナーをとる。ナイフリッジを進み最後の壁を越えるのだが、えびの尻尾が嫌な形に発達しており下部がえぐれておりステップが決められない。掘っても全く岩が出てこず、おまけにナイフリッジ上でこの除雪作業を強いられているので精神的にしんどい。壊れるかもしれないえびの尻尾にアックスを決めて一気にのっこすしかないようだが、ランナウト状態でここをザックを担いでリードで越える度胸がなく、引き返して先ほどの岩角で一旦ビレー。
5p 20m 成田 リードは空身でフォローは全装、最後に成田が懸垂で降りてザックを回収して確保してもらい登り返すことにする。段差を一気に乗り越し後はグズグズのリッジを登って北稜合流地点手前を堀りまくってイボイボとブッシュでビレー。
登攀終了で暗くなったのでラテルネつけて北稜を下降。長官小屋でC2。除雪がシビアだったとはいえ時間がかかりすぎた。重荷でのクライミング能力の低さが露呈した。
3/24 ガス C2=C3
爆睡。
3/25 晴 C3(3:20)北峰(4:30-5:15)取り付き(7:20)ローソク岩頂上(17:00-17:40)長官小屋(18:30)=C4
ローソク岩も同様のコンディションが予想されたので早出する。星空の下ラテルネつけて出発する。At装備は軽く、あっという間に北峰ピーク。まだ暗かったので祠の陰にツェルト張って明るくなるのを待つ。北峰からコルへの下りは岩稜の捲きとナイフリッジ。コルの辺りはよく吹き溜まっており快適に掘れそう。ここからローソク岩へのコルへ行き、南側の大斜面をアックス埋めて腰がらみで3ps120m程確保しながら下降して取り付く。ルート上からはこちら側に懸垂すればどこからでも1pで降りられそうだ。アックス埋めて腰がらみでビレー。
1p 50m 岡崎 雪のリッジクライミング。段差が2箇所程あり例によってステップとアックスが決まりづらくいやらしい。左側は西壁の奈落の底へとすっぱりと切れ落ちていて凄い高度感。ピナクルを右から回り込んでピナクル基部を少し掘ると岩が出てきたのでトライカムとナッツ×2、イボイボでビレー。
2p 40m 竹中 ビレー点から右に少しトラバースして凹角を登る。雪稜を行き急な段差を右から回り込み岩を掘り起こしてトライカム×2とでビレー。
3p 35m 成田 段差を右から回り込んで登り、八剣ぐらいのナイフリッジとグズグズの段差を2つ越えると壁にぶち当たる。右に少しトラバースして凹角のように見えるところを登るが、例によって壁は分厚い雪とエビの尻尾に覆われており、頭上に覆いかぶさるそれらを破壊しながらの奮闘的なクライミングとなった。雪と氷を取り除くと積み木状の岩となっておりプロテクションはよく取れた。そこを越えたリッジ上で岩を掘り起こしてキャメ、エイリアン、トライカムでビレー。
4p 50m 竹中 やや立った凹角を登り雪稜を行く。その後はもう何もないかと思いきや、頂上直下の7m程の段差の登りがとんでもない除雪で、厚さ70cmはある雪をひたすら破壊しながらのまたもや奮闘的なクライミング。除雪跡が人がすっぽり入るチムニーのようになっていた。アックス埋めて腰がらみでビレー。
本峰に映るローソク岩とその頂に立つ3人の影が感慨深い。のんびりしている時間はないので急いでスコップで何とかハイマツを掘り起こし懸垂1pでローソク岩と本峰のコルへ降り立つ。環付きが開かなくなりATCが使用不可となった竹中は半マスト懸垂。北稜を降りて長官小屋で泊。
3/26 晴 C4(5:30)北麗キャンプ場(7:00)
北稜を降りてキャンプ場まで。
入山前日にデナリ入山禁止の報を受ける。大荒れによりフェリー欠航の稚内で立ち尽くす。そんな絶望の中入山。栞橋から左岸の斜面を登って堰堤を巻き大空沢をつめる。途中林道などを使用。暑い。西壁が凄い迫力。適当なところで沢を離れ長浜尾根に取り付く。スノーシューでラッセル皆無で快適に上がる。Co1260ポコ手前の登りでEP。ポコから少し降りたコルでΩ1。
3/23 晴→ガス Ω1(5:45)長浜ダイレクト取り付き(8:00-8:15)北稜(19:00)長官小屋(20:00)=C2
三眺山からの下りは北側捲き気味にバックステップ。急でステップもグズグズなのでやや緊張した。急登をしばらく続けて長浜ダイレクト取り付き。支点取れそうにないのでアックス埋めて腰がらみでビレー。
1p 50m 岡崎 雪面を左にトラバースして緩い凹角を登る。緩斜面を挟んでステップとアックスの決まりづらい一段急な段差を越えてリッジ上でビレー。
2p 30m 成田 全てが厚さ50cm以上の雪でコーティングされた壁の猛烈な除雪クライミング。7m程登ると左右にルートが取れる。最初に右のハングしたチムニーを空身で除雪して越えようとしたが抜け口がいやらしく断念。左の垂直の凹角を行くがここも除雪がシビアで空身にして突破。除雪すれば各種プロテクションは取れる。右も左も古い残置あった。ここを越えると雪壁になりリッジ上の岩を掘り起こしてキャメ#1,2,3,イボイボでビレー。垂直部はテントを担いだ岡崎も空身にした。リード3時間、フォローとザック吊り上げに2時間もかかってしまった。フォローも登り終えて15時だったが核心は抜けており先も簡単そうに見えるので暗くなる前には北稜に合流できる読みで進む。この辺りからガスに包まれることが多くなった。
3p 25m 成田 雪稜を進む。段差が2箇所あった。リッジが左に曲がったところでアックス埋めて腰がらみでビレー。いつの間にか視界50~500、気にならない風。
4p 20m 成田 ナイフリッジから同様なグズグズの雪のピナクルを越えてその基部で岩をがんばって掘り起こして岩角でランナーをとる。ナイフリッジを進み最後の壁を越えるのだが、えびの尻尾が嫌な形に発達しており下部がえぐれておりステップが決められない。掘っても全く岩が出てこず、おまけにナイフリッジ上でこの除雪作業を強いられているので精神的にしんどい。壊れるかもしれないえびの尻尾にアックスを決めて一気にのっこすしかないようだが、ランナウト状態でここをザックを担いでリードで越える度胸がなく、引き返して先ほどの岩角で一旦ビレー。
5p 20m 成田 リードは空身でフォローは全装、最後に成田が懸垂で降りてザックを回収して確保してもらい登り返すことにする。段差を一気に乗り越し後はグズグズのリッジを登って北稜合流地点手前を堀りまくってイボイボとブッシュでビレー。
登攀終了で暗くなったのでラテルネつけて北稜を下降。長官小屋でC2。除雪がシビアだったとはいえ時間がかかりすぎた。重荷でのクライミング能力の低さが露呈した。
3/24 ガス C2=C3
爆睡。
3/25 晴 C3(3:20)北峰(4:30-5:15)取り付き(7:20)ローソク岩頂上(17:00-17:40)長官小屋(18:30)=C4
ローソク岩も同様のコンディションが予想されたので早出する。星空の下ラテルネつけて出発する。At装備は軽く、あっという間に北峰ピーク。まだ暗かったので祠の陰にツェルト張って明るくなるのを待つ。北峰からコルへの下りは岩稜の捲きとナイフリッジ。コルの辺りはよく吹き溜まっており快適に掘れそう。ここからローソク岩へのコルへ行き、南側の大斜面をアックス埋めて腰がらみで3ps120m程確保しながら下降して取り付く。ルート上からはこちら側に懸垂すればどこからでも1pで降りられそうだ。アックス埋めて腰がらみでビレー。
1p 50m 岡崎 雪のリッジクライミング。段差が2箇所程あり例によってステップとアックスが決まりづらくいやらしい。左側は西壁の奈落の底へとすっぱりと切れ落ちていて凄い高度感。ピナクルを右から回り込んでピナクル基部を少し掘ると岩が出てきたのでトライカムとナッツ×2、イボイボでビレー。
2p 40m 竹中 ビレー点から右に少しトラバースして凹角を登る。雪稜を行き急な段差を右から回り込み岩を掘り起こしてトライカム×2とでビレー。
3p 35m 成田 段差を右から回り込んで登り、八剣ぐらいのナイフリッジとグズグズの段差を2つ越えると壁にぶち当たる。右に少しトラバースして凹角のように見えるところを登るが、例によって壁は分厚い雪とエビの尻尾に覆われており、頭上に覆いかぶさるそれらを破壊しながらの奮闘的なクライミングとなった。雪と氷を取り除くと積み木状の岩となっておりプロテクションはよく取れた。そこを越えたリッジ上で岩を掘り起こしてキャメ、エイリアン、トライカムでビレー。
4p 50m 竹中 やや立った凹角を登り雪稜を行く。その後はもう何もないかと思いきや、頂上直下の7m程の段差の登りがとんでもない除雪で、厚さ70cmはある雪をひたすら破壊しながらのまたもや奮闘的なクライミング。除雪跡が人がすっぽり入るチムニーのようになっていた。アックス埋めて腰がらみでビレー。
本峰に映るローソク岩とその頂に立つ3人の影が感慨深い。のんびりしている時間はないので急いでスコップで何とかハイマツを掘り起こし懸垂1pでローソク岩と本峰のコルへ降り立つ。環付きが開かなくなりATCが使用不可となった竹中は半マスト懸垂。北稜を降りて長官小屋で泊。
3/26 晴 C4(5:30)北麗キャンプ場(7:00)
北稜を降りてキャンプ場まで。
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感想
除雪がえぐかった。自分は今までコンディションのいい壁ばかりを登っていい気になっていただけだと思い知らされた。
それにしても利尻はいい山だった。
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