皇海山(過去レコです)。
- GPS
- --:--
- 距離
- 5.8km
- 登り
- 802m
- 下り
- 792m
天候 | 曇り。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2003年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
危険個所はありません。 |
写真
感想
群馬県の奥深い所まで来て谷川岳に登るだけでは勿体無いので、近隣に適当な山は無いかと探していると、朝日新聞社の週間百名山シリーズ第24号に谷川岳とともに皇海山というのが載っていた。これをスカイサンと読む事は当然知らなかったが、その名前の響きの良さに興味を覚えた。栃木県の足尾銅山から登る長いコースで、山また山のそのまた山奥にある山であるが、今では群馬県側にビギナーでも登れる皇海橋からのルートがあるとの事である。インターネットで調べると、老神から皇海橋までの栗原川林道は、平成13年秋に崩壊し通行不能になっていたが、この7月1日に開通したばかりとの事であった。宿の主人に尋ねると、この林道は崩れやすい地質で時々通行不能になるとの事であった。
宿でおにぎりを作ってもらい、風邪が治らない妻をおいて朝5時半に出発した。栗原川林道は噂に違わず落石の多い道で、わたしの車に驚いて猿が山の中に逃げ込む場面もあった。修復された崩壊現場をそろりと通過し、1時間程で皇海橋の駐車場に到着した。橋の手前には立派なトイレがあり、その横に熊に注意の看板が立てられている。駐車場にはすでに3台がとまっおり、秋田ナンバーの中年のご夫婦が支度をしていた。6時45分に車止めされた林道に入り、しばらく行くと左手に皇海山登山道入り口の案内がある。ここから登山道らしくなり、カラマツ林の中の落ち葉でフワフワした道を歩く。不動沢に沿う道で、5m以上もある沢を転石をつたって何度も渡り返しながら川上に向かう。沢から道に登る際、石の上に乗せた足が滑って沢に転落し尾底骨をしこたま打ち、右手の人指し指の皮膚がめくれ落ちてしまった。沢で手を洗い、身体の動く事を確かめ再び登り始めた。登山口から1時間程登って中間点の印しのある場所で休憩していると、秋田の夫婦連れがわたしを追い抜いて行った。中間点の案内板には登山口へも頂上へも一1.8kmとある。ロープを握りしめて岩肌を伝い、しばらく行くともう下山して来る人がいる。昨日は駐車場の車の中で寝て、朝早くから登り始めたのだというような話しをしてさらに行くと、沢の中に大きな石が積み重ねられた場所に出た。山積みされたような石の向こうに、皇海山頂上と記された道標があるものの、登山道は無い。それらしき方向に進むが、苔むした石には踏み跡は無く、秋田の夫婦ともども思案に暮れ引き返した。後ろから来た若い単独行の男性が、沢に入って行ったので我々もそれについて行った。清流が下る沢の中を30分程登ると、右手上方の登山道に登るためのロープが現れ、それにしがみついて登山道に入った。ここからは渓流と別れ、雑木林の中の急登を息をはずませながら行くと前方上方が明るくなり、間もなく峠に出た。峠と云うより鋸山から皇海山へ続く稜線の鞍部で「不動沢のコル」と云う所らしい。視界が開け、右手にギザギザした峰が続く一見してすぐに「これが鋸山だ」と判る山が見える。8時30分、水分を補給し左手の皇海山頂上に向かう道を進む。雑木林の中の視界の効かない稜線の道でかなりの急登である。わたしよりは高齢の男性が下りて来て、「この先に逆鉾があり、そこに三角点があるが、頂上はその奥である。自分のよたよた歩くスピードで、頂上まではコルから50分であった」と教えて呉れた。丁度50分が経った頃、身の丈以上もある青銅製の鉾が現れ9九時25分、登山口から2時間40分で頂上に到着した。小さな広場になっている頂上は木立で囲まれ、上空は晴れているが木の合間から見える山々は雲に覆われていた。先の若い男性が休んでおり、「川崎からやって来て、昨夜は栗原川のキャンプ場に泊まった」と云うような話しを聞いていると秋田の夫婦もやって来た。この夫婦は「昨日は武尊山、一昨日は奥白根に登った」と云う。元気な人達ばかりである。ラーメンを食べようと湯を沸かし、その取っ手を握って親指と人指し指に2度の熱傷を起こしてしまった。タンクの水で冷やし応急処置を施行したが、怪我と焼けどで散々な目に会った。10時に頂上を出発、コル、渓流歩きまでは迷う事はないが、その先の渓流沿いの道は判りにくく、前方に目印を探し求めながら下った。深田が百名山にしなければ登る人はほとんど無いのではと思われる山であるが、途中で何組ものパーティーと行き違った。帰り着いた駐車場は皇海橋の手前も奥も満杯であったが、昨日の谷川岳の人の多さに比べれば比較にならない。ズボンの裾を泥だらけにし丁度2時間で駐車場に戻ったが、わたしの愛車の隣で先の若い男性がタイヤの交換をしていた。朝、林道でパンクしたがそのまま駐車場までやって来たそうで、タイヤはズタズタに裂けてしまっていた。聞きしに勝る悪路ではあるが、駐車場までたどり着いたこの人の根性もすごいものであると感心した。栗原川林道を通って皇海橋の駐車場まで来る事が出来さえすれば、皇海山登山は半分以上成功したようなものである。
妻は11時に宿から車で吹割の滝まで送ってもらい遊歩道を散策して、利根村の吹割温泉センター「龍宮の湯」で待っていて呉れた。沼田から月夜野に戻り、猿ガ京温泉を経て本日の宿泊地である法師温泉に着いた。法師温泉ただ一軒の宿である長寿館は、妻が「ルルブ群馬」の写真を見て、「ここに行く」と選んだ宿である。明治の建物を残した趣きのある宿で、すっかり気にいった妻は「また来よう」と云っていた。また来るのなら苗場山に登ろうかなと考えるわたしであった。
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