錦秋の焼岳を行く


- GPS
- 32:00
- 距離
- 12.6km
- 登り
- 1,020m
- 下り
- 1,221m
コースタイム
平湯温泉12:00 →<バス>→ 12:25帝国ホテル前12:30 ⇒ 12:45焼岳登山口 ⇒ 14:55焼岳小屋(泊)
■10月8日(月)[祝日]
焼岳小屋05:50 ⇒ 07:20焼岳北峰頂上07:50 ⇒ 9:55中の湯登山口 ⇒ 10:35ト伝の湯(入浴)11:05
⇒ 中の湯バス停11:11 →<バス>→ 11:25平湯温泉(入浴・昼食)14:30 →<高速バス>→ 20:30深大寺BT
過去天気図(気象庁) | 2012年10月の天気図 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
バス
|
写真
感想
~~「初冠雪の乗鞍岳(剣ヶ峰)を行く」からの続き~~
積雪の剣ヶ峰を慎重に降りる。
滑って転びそうになると、眼下の焼岳に笑われた。
その頂に雪は無いが白い噴煙を上げている。
”ちょっと背が足りないようだな。”
いつかは登りたい焼岳。
活火山は登れるうちに行くべきであろうか。
”3連休だし・・・このまま帰ることも無いか。”
平湯に戻れば帰りのバス便を変更し焼岳小屋を予約する。
昨年あきらめた前穂も考えたが、雪が無く安全そうな焼岳とする。
急いで入浴し昼食をとった。
平湯バスターミナルは実に便利である。
上高地行きのバスは満員で補助席まで使う。
”なんでこんなに上高地って人気があるんだろうか?”
単なる登山基地としか思っていない私は理解に苦しむ。
帝国ホテル前で降りたのは自分だけ。
人に管理された森林テーマパークを行けば、団体様御一行に先を塞がれる。
独り逃げるように登山口に入ると普通の森である。
なだらかな登山道をしばし行けば急登となる。
”このルートはハシゴが多いな。”
なかでも長~いハシゴで渋滞を受ける。
日帰り登山が多い焼岳ゆえ下山の時間帯だ。
団体様も多く100名ほどすれ違っただろう。
北アルプス・百名山・紅葉・3連休とくれば当然である。
”焼岳はどんなプレゼントをしてくれるんだろう?”
ガスの濃いなか焼岳小屋に着いた。
素朴で味わいのある古風な小屋だ。
”ここが北アルプスとは思えないな。”
発電機が止まればランプの灯りとなり静かだ。
こういう小屋を守り続けて欲しいと願う。
日本山岳写真協会の方と仲良くなった。
専門的な奥の深いことを教えていただく。
安いデジカメを使っている私には難しいことばかりだが楽しい一時となった。
消灯となり布団に入るが眠れない。
浜坂で見た加藤文太郎が撮影した写真を思い出す。
雪はベタ塗りのごとく白く、岩は墨を落としたように黒い。
あれほど説得力のある北アルプスの写真が他にあるだろうか。
困難な地に到達した者だけが得られるものなのだろう。
10月8日(月)
05:50、小屋を出れば迫力ある山頂が姿を見せている。
”結構高いな。東京タワー1個分か。”
すぐに見晴らしの良い場所に出た。
しかしココでも噴煙が出ている。
山頂に近いとはいえ、そこそこ距離はある。
”この山・・・結構ヤバイかも。”
陽光が3000m級の峰々を照らせば、巨大な恐竜達が目を覚ます。
角を持った槍ヶ岳という頭から、大キレットの首がつづき、奥穂の背中から、西穂の長い尾を持っている。
”まるでホタカザウルスのシッポの先に立っているようだ。”
隣で寝ていたカサガタケドンが大きく翼を広げている。
マークを頼りに山頂を目指すが、陽光があまりにも眩しく印を見落としていた。
東側に巻き道があることに気づかず直登している。
かなり登ってしまったが、慎重に降りて正規ルートに戻った。
”久々のミス。サングラスが必要だった。”
7:10、焼岳北峰の山頂に立った。
”快晴だ。全てが見える!”
嬉しさのあまり写真を撮りまくる。
しかし、この光景を伝えることは不可能だろう。
この高度感、360度のパノラマ、広大な青い空、風の音、そして香り。
登山者だけが得られるものであり、写真に残せるものではない。
25時間前に立っていた乗鞍岳も良く見える。
しかし雪は融け白峰の剣ヶ峰ではなかった。
”本当に私への御褒美だったんだ。”
いつまでも山頂にいるわけにもいかない。
紅葉を楽しみながらゆっくり下山すれば多くの人たちが登って来る。
「上はどうですか??」
「最高です。全てが見えますよ。」
そう伝えればみんな笑顔となる。
焼岳からいただいたプレゼント。
それは絶景や紅葉だけではなく、皆の笑顔ではないだろうか。
雰囲気の良い広場に出る。
紅葉の多いその場で一時の休憩をしながら山頂を眺めた。
エネルギッシュに噴煙を上げる焼岳に大きな未来を感じる。
”この山はきっとデッカイ事をしてくれるだろう。”
大正池はその序章にすぎない。
目を閉じればそこに河童橋は無い。
大きな湖に遊覧船が往来している。
その船上から険しい山岳を見上げることになるだろう。
完
「嬉しさのあまり写真を撮りまくる。
しかし、この光景を伝えることは不可能だろう。
この高度感、360度のパノラマ、広大な青い空、風の音、そして香り。
登山者だけが得られるものであり、写真に残せるものではない。」
全く同感です。
写真を見せて、他の人に伝えても、少し空回り気味になります。
やはりなんでもそうなんでしょうが、ライブですよね。
mji隊長さま
コメントいただき恐縮です。
山岳写真は難しいですよね。
「山から山を撮ったものを山岳写真。
下界から山を撮ったものを風景写真。
飛行機から山を撮ったものを航空写真。」
と教わりました。
ホント!登山はライブ感が素晴らしいと思っています
sada
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する