記録ID: 238250
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ハイキング
石鎚山
四国最大の滝・高瀑と高瀑渓谷
2012年10月21日(日) [日帰り]
- GPS
- 06:16
- 距離
- 3.3km
- 登り
- 426m
- 下り
- 415m
コースタイム
9:24高瀑(たかたる)自然研究路入口-10:31渓谷二又の渡渉地-10:50高瀑
西ノ冠のコルへの峠道探しや支流散策を行った後
14:06高瀑-15:40自然研究路入口
西ノ冠のコルへの峠道探しや支流散策を行った後
14:06高瀑-15:40自然研究路入口
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
北四国からの場合は、いよ西条インターを降り、国道11号を西進して国道194号に折れ、中野大橋北袂から県道12号に入る。 河口(こうぐち)バス停(公共交通機関利用者はここから長時間歩くことになる)のある三碧橋南袂で県道142号に右折。県道終点から石鎚林道となる。 ゲートのある手前に案内板や廃墟に近いトイレ、広場がある。 南四国からの場合は国道194号を北上して中野大橋北袂へと向かう。 余談だが、中野大橋東方の船形橋南方にある五差路西が国道194号の前身、加茂土工森林組合トロッコ馬車軌道の終点跡。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
≪冒険心をくすぐる沢とガレ場歩き≫ 高瀑は落差132mという四国最大の滝であるにも拘わらず、四国以外から石鎚山を訪れる登山客の中で、来訪する者は極めて少ないようだ。これはやはり石鎚林道の悪路によるところがあるのかも知れない。 尚、'04年夏の台風で陥没していた石鎚林道は'09年に復旧されている。 高瀑渓谷は後述するが前半部、川床に特徴がある。無名の滝もいくつかある。 探勝路である高瀑自然研究路は昭和期、旧小松町観光協会が整備したものだが、決して遊歩道のような類ではなく、沢やガレ場、梯子を通る箇所も随所にある「登山路」だ。 登山口の案内図には滝まで徒歩60分と記されているが、これは実際に歩いたことのない者が記した適当な時間。お役所仕事ではありがちなことだ。 地形図「石鎚山」には高瀑への破線も記載されているが、昭和期からの度重なる沢の出水や土砂崩れによって、ルートは部分的に変更されている。 研究路入口から入ると、道は山際を進むが、最初の渡渉地までは渓谷を直接歩いた方が早いし、楽しい。 数分で地形図のルートとは異なる渡渉地に至るが、全ての渡渉地にはロープが張られているため、進路を見失うことはない。 その渡渉地より上流の川床は白く滑らかになっており、渓流は岩盤上を滑るように流れているが、これを「白のべら」という。「のべら」とは四国の山間地域で言うところの「なべら」であり、「滑らか」という意味だ。 再び数分ほどで渓谷を渡り直すが、そこから上流の川床を「赤のべら」という。酸化鉄の過多により、滑らかな川床が赤くなっているのだ。 ここから渓谷を一旦離れ、高度に於いて数十メートル上がる。 上り道が平坦になり、岩盤沿いを左カーブで曲がるようになると、下方に「のぞき滝」が二条になって懸かっているのが見える。のぞき滝というよりは「見下ろし滝」だ。 少し記憶が不確か(もしかすると丸渕の先だったかも知れない)だが、植林帯に入ると、地形図の破線よりもルートは高度を上げる。これは破線の道が土砂崩れを起こしたためのルート変更だ。 上り道が下りに転じ、下りついた所にはコンクリート橋が架かっており、北袂の奥には無名の滝が懸かり、滝壺を成している。この滝より上流辺りを丸渕というようだ。 橋から下流を見ると、渓谷沿いの木々の紅葉が見られるが、時期的には少し早いようだ。あと二週間位は待った方がいいだろう。 橋で対岸に渡った後、迂闊にも土砂崩れで廃道化したルート(道標の支柱が残っている踏み跡)に進んでしまった。以前訪れたのは4年前だが、既にルートの記憶はない。仕方ないので斜面を這い上がって強引に上方の正規コースに出た。 正規ルートは橋を渡ると、滝の横の崖沿いを上がっていた。一応ロープも張られている。例えルートを見失っても、読図を行いながら歩いているので、必ず目的地には到達できる。 ほどなく規模の大きい涸れ沢の支流との出合に至り、ここで道標を見て東岸に渡る。少し沢を歩いた後、山道に上がるが、この辺り、低い痩せ尾根のような地形になっている。これは東側が沢の出水で削られたせいかも知れない。 所々小規模の土砂崩れ跡のガレ場上を歩く。途中、左に若干曲がる所の奥にはまた無名の滝が懸かっている。一応、滝の正面に出ることもできる。 そこを過ぎると徐々に高度を上げる。 急登の左手の岩盤沿いには「天狗の子育て岩」という浅い岩屋があるが、鉄製の看板は錆び付いて文字は見えない。ここにいた天狗は石鎚山・天狗岳の天狗だろうか。修験の山には天狗伝説が多いため、天狗は里の者が修験者を呼んだもの、とする説がある。 急登が終わり、左カーブを過ぎると辺りが開け、眼前に高瀑の雄姿が現れる。4年前の夏に訪れた時は水量が少なく、地面に達する前に霧状になって消滅していたが、今回は垂直落下の飛瀑が、滝壺まで達している。とは言え、長雨時や豪雨時でない限り、水量が極端に増えることはなく、地面に達する地点は、緩やかに岩盤を滑り落ちる形になっている。 それ故、滝に接近することができ、爽やかな滝風に身を委ねることができる。 下から滝を見上げた感じでは「本当にこれが落差132mもあるのか」と思うかも知れないが、南方の斜面(道はない)から少し距離をおいて全景を伺うと、「四国一の大滝」たる実感が得られる。 殆どの方が滝壺前で食事して引き返すが、是非、滝から下流の支流の沢の出合まで、渓谷を歩いて戴きたい。ここでも川床が「のべら」状になって、ウォーターシューターのような流れになっている。しかものべらの全長が長い。 そして支流との出合まで下れば、その支流を辿られたい。奥では両岸が岩門状になり、その中心部にまた無名の滝が懸かっているのだ。 一応、西冠のコルに至る峠道も探ってみたが、地形図の破線の道は完全に消滅しており、痕跡のかけらもない。しかも渓谷沿いは急斜面になっており、どのように道が付けられていたのか窺い知れない。 ピークハンターたちは、西ノ冠岳や三ノ森(1866m)へ突き上げる急傾斜の尾根を、強引に藪漕ぎして行って稜線に出ているようだ。まさに現代の天狗である。 |
写真
撮影機器:
感想
高瀑自然研究路は、'04年の台風以降、若干荒れ気味だったが、石鎚林道が復旧して以降は、再整備された道標もあり、赤テープの設置数も格段に増えている。とは言え、道は踏み跡程度であり、また、道の形を成してない箇所も多いため、地形図は持参した方が良い。
高知市から高瀑を目指す場合、土小屋へ行くより距離的には近いはずだが、兎に角悪路の石鎚林道で時間を取られてしまう。路面を横断する深い水切り溝が随所にあるため、スピードを出すことができない。想像以上に時間を要すので、時間に余裕を持って自宅を出立した方が良い。
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marowsさん こんばんわ。
高瀑へは20年以上前(たしか1986年)に行ったことがありますが、そのころは高瀑の滝の上部まで、わりとはっきりした登山道がありました。ただしその先、稜線までは、すでに当時も笹薮の中に道は消えかけていました。
レポートを拝見すると、以前と比べ、だいぶ登山道は荒れているようですね。
たしか今年の夏に、高瀑付近で登山者の滑落死亡事故も起きた、と記憶しています。
久しく行っていないので、この記録を参考にして、一度高瀑へと行って見たくなりました。
bergheilさん、また書き込みを有難う御座います。
'86年時は関西にいたため、四国の登山事情は分からなかったのですが、その頃は峠道の踏み跡が残っていたのですね。
しかし高瀑の下流は川床がウォーターシューターのようになっているため、渡渉しづらかったのではないかと思います。
高瀑のような地で死亡事故が起きたことには驚きですが、登山客以外に一般の行楽客も歩くことを考えれば、自治体は道の再整備を行うべきかも知れませんね。
marowsさん こんにちは。
高瀑の滝での、今年夏の遭難事故のことをネットで検索していたら、「お山に行こう」というサイトに記事がありました。
8月の遭難は、沢登りでの事故で、正確には、懸垂下降している時に滝壺まで転落した事故でした。
【「お山に行こう」より】
http://lcymeeke.blog90.fc2.com/blog-entry-1781.html
ほかに、今年2月にも、積雪時の滝見物で、滑落死亡事故が起きていました。
(これも「お山に行こう」に詳細が記載されていますが、「無断引用禁止」とのことなので、リンクは割愛します。
このサイトによると、昭和40年代に高瀑渓谷は観光開発されて遊歩道ができたものの、その後の台風、土砂崩れで遊歩道が荒れ、そのまま補修もなされずに荒廃しているのが現状のようです。
なるほど、二件の事故とも普通の登山ではなかったのですね。
ところで、高瀑への道は、藩政期の文献にも記されていますが、梯子が沢山あり、かなりひやひやした模様が綴られています。
ただ、事故を掲載しているサイトの記述には複数の誤りがあります。当方が以前記したように、西日本最大の滝は那智の滝ではなく、245mを誇る中ノ滝で、石鎚林道は観光のために造成されたものではなく、森林管理署が造林作業を円滑に行うために造成したものです。
しかしできることなら、西条市が森林管理署と交渉し、林道を舗装して貰いたいですね。
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