誰も選ばない理由 … 奈良子林道ゲートからの姥子山・雁ヶ腹摺山
- GPS
- 05:59
- 距離
- 10.3km
- 登り
- 1,125m
- 下り
- 1,156m
コースタイム
9:38 登山道入口
10:05 9号鉄塔
11:03 姥子山西峰/東峰間登山道合流
12:07 雁ヶ腹摺山山頂
12:25 雁ヶ腹摺山出発
13:08 姥子山東峰
13:30 姥子山神社
13:59 8号鉄塔
14:45 登山道入口
15:10 奈良子林道ゲート
天候 | 晴れ♪ 風強し。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
− 奈良子林道ゲート先より1327mピークへの破線路は廃道状態。道標、踏跡共に確認できません。 − 1327mピーク(8号鉄塔)〜姥子山間の破線路にはテープ、微かな踏跡ありで何とか通行可能ですが、私は二度と行く気になれません。 − ネット上の情報では、8号鉄塔から破線路とは逆方向に、巡視路を通って奈良子林道にエスケープ出来る模様ですが、未確認。この場合はゲートまで1時間半程の林道歩きになるとのこと。 − 当然登山ポストなどはありません。 − 登山路から外れると地形以外にも危険アリ。私は動物の巣穴らしい穴を2箇所で確認しました。 |
写真
感想
【山行前】
500円札。
私が子供の頃はまだ現役でした。
お年玉のポチ袋の中によく入ってて、子供にとっては一番身近なお札。
そのデザインのモチーフになった富士山の写真が撮られた山、雁ヶ腹摺山。
JR中央線からアクセスの容易な山からはいつも遠くに、あるいは雲の中に隠れて
いた山。今回は車を使ってこの山に登ってみる事にしました。
雁ヶ腹摺山へのアプローチは、大峠からと金山鉱泉からのどちらかが一般的で、ヤ
マレコでも、他のホームページでも良く拝見します。ずっと気になっていたのが、
奈良子林道ゲートの先から1327mピークを経て姥子山へ至るルートでした。けれど
も、このルートの記事だけは、ヤマレコにも他のサイトにも殆んど見当たりませ
ん。一つだけ該当すると思われるホームページがありましたが、姥子山からの下山
路として紹介されており、どうもイメージが掴めませんでした。
金山鉱泉からのルートよりかなり短く、ゲートまで車で入れて、ゲートから登山道
までの距離もさほど無いのに、何故誰も行かない??
行ってみなきゃ判らない事もあるよね!
という事で…雁ヶ腹摺山と姥子山、このルートを試してみる事にしました。通行規
制を確認、地形図をスマホにDLし、予備電源を充分用意、寒さと日暮れ対策を万
全に、愛車のエスクードでいざ出発だ!
【山行記録】
前日に結構降雨がありましたが、当日は少し寒いものの朝から快晴♪ 中央高速談合
坂SAでナビを目的地にセットし、大月ICで降ります。奈良子林道は矢竹集落を過ぎ
たあたりから道が荒れてきて、最後の民家(シロイハタ)を過ぎると落石が目立つ
ようになります。
落ちている石は結構硬く、落ちた時に割れて角が鋭い物もちらほらと…パンクの危
険があります。行きはあまり気にしませんでしたが、帰り道では車を止めて石をど
かしました。こんな場所でパンクなんてゾッとしますよ。
このルートを誰も選ばない理由の一つだと思いますが、タクシー、行ってくれない
んじゃないかな。万が一対向車が来たら両方とも進退窮まっちゃいますし、悪路で
パンクの危険があるとなると、敬遠されるでしょうね。
奈良子林道ゲートは橋のたもとにあり、朝のひんやりとした空気、快晴の青空、周
囲の山々の紅葉、沢の音、鳥の囀りと、自然の音しか聞こえません。出発してすぐ
に船窪林道との分岐があります。ゲートは開いていましたが、情報では全線通行止
のはずです。こちらに進むと金山鉱泉ルートに出るのですが、歩いて通れるのかも
判りません。
姥子山登山口があるはずの場所に着いても、道標がありません。すぐ傍に木橋がか
かっており、渡って何か目印を探すと、ピンクテープを発見。そちらに進んで周囲
を探すと、プラスチックのステップが打ち込んであります。『ああ、これが登山道
か』と思い込んだのが大間違い。そのステップ通りに進むと…9号鉄塔に出てしまい、
その先には案の定道はありません。
GPSで現在位置を確認し破線路に戻ろうと試みましたが、斜面トラバース時に「とっ
ても良さそうなサイズの穴」が進行方向にあるのを発見!その場所から大急ぎで戻
り、再度地形を確認しました。
すると、地形的には9号鉄塔から尾根伝いに姥子山の東・西峰の間に出られそうでし
た。途中にガケ等の障害物もありません。『どうしても無理そうだったら潔く戻る』
と決めて、このまま登る事にしました。難儀こそしましたが、地形図通り通行不可
能な場所は無く、時期的に葉が落ちている木々が多いので目標地点が良く見えた事
にも助けられました。稜線上から熊鈴の音と人の話し声が聞こえてきた時には、ホッ
としました^^
とは言うものの…かなり消耗したので、このまま東峰に行って降りてしまおうかなぁ
と考えながらトボトボと東峰の方に向かうと、途中に開けた場所があり、そこから
美しい富士山が! 思いなおし、雁ヶ腹摺山へ反転。すっかり葉の落ちた白樺林を
超えて疲れた足を引き摺りながら山頂へ。当日は風が強く(東京では木枯らし1号)、
富士山も雲に隠れる事無く迎えてくれました^^
山頂直下の開けた草原に特等席(!)の岩が空いていたので、そこでお昼を食べ、姥子
山東峰に向かいました。誰もが書いているように、姥子山東峰は絶景ポイント。他
には誰も居ませんでしたので、ゆっくりと時間を過ごす事が出来ました。眼下には
9号鉄塔と登ってきた尾根が見えます。素晴らしい景色を楽しみつつも、下山路の事
を考えると少し憂鬱に…
さぁ、日が落ちる前に降りなければ! 目標は3時にゲート到着です。
姥子山神社の先に降りていくのですが、最初は降りるというより”落ちる”急降下
です。一息つけるとこまで降りると、全く期待していなかったテープがあるじゃな
いですか!ラッキ〜〜!と思いながらテープを辿りつつも、数分進んではGPSで位置
確認をしながら、8号鉄塔まで辿り着きました。8号鉄塔先のピークで破線路は大き
く右にターンし、後は基本的にその尾根を外さないように降りていけば良いのです。
ただ、テープは鉄塔が見えた時点で無くなってしまったので、やはり頻繁に位置確
認を行いながら降りる破目になりました。日暮れにはまだ時間がありましたが、日
陰に入ってしまったので辺りは薄暗くなり、気は焦ります。焦りつつも位置確認は
慎重に行いながら…尾根を降りきると、そこには土砂ダムがあり、保安林の標識が
立っています。何となく見覚えがあります。今朝通り過ぎたような…写真に撮って
おけば良かったですね。
朝渡った木橋のたもとで顔を洗い、ようやくホッと一息つけました。車に戻ったの
は3時10分ぐらいで、ほぼ下山開始の目標通りでした。
帰りの中央高速はいつもの週末渋滞でしたが、本日の難儀に比べると何の事も無く。
のんびりと帰宅しました^^
【反省】
帰ってから知りましたが、8号鉄塔から破線路と反対方向に、巡視路を通って短時間
で林道に出られるようです。その情報が載っているホームページは出発前にも見た
のですが、現地に行ってきて初めて書いてある事が良く判りました。8号鉄塔から先
の破線路は2008年時点で廃道状態だったのですね。これは見落としていました。
登山道では無い場所って、やはり、かなり不安になるものですね。進み辛いのは勿
論の事、位置の把握や、厄介な動物に出会う事に対する不安。”行ってみなけりゃ
判らないよね♪”的な気楽な考えは、今後慎む事にします。
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