腿裏痙攣のピンチに女神登場(Vibram香港100kmウルトラトレイルレース)
コースタイム
09:35 WP
11:10 CP1(21km)
12:49 CP2(28km)
14:24 CP3(36km)
16:02 CP4(45km)
17:57 CP5(52kmの中間地点)
21:52 CP6(65km)
00:04 CP7(73km)
01:50 CP8(83km)
03:59 CP9(90km)
06:23 Goal
歩行合計22時間23分
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
電車が動いていない時間なので自宅からタクシー約2400円 念のため漢字で行き先メモしておいたが、口頭で通じた。 スタートはPak Tam Chungというレースで良く使われる場所。 【復路】 ゴール地点から地下鉄の終点まで主催者が用意したシャトルバス約200円。 地下鉄Tsuen Wan-Central ゴール後1時間15分で家に着いた。近いのが何より。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
☆コース状況☆ 全般的に良く整備されたハイキングコース。コース上に500mおきに距離ポストが設置され目安となる。電話会社の緊急電話もコース上に配備され何か起こったときも安心。香港のビル林立のイメージは全くない。海も澄んでして非常に綺麗。ゆっくり楽しむ余裕は無かったが山から見る夜景もなかなかのものだった。 ☆危険箇所☆ 普通に昼間歩いている分には危険箇所は無いのだが、レースだと話は別。以下の点が気になった。 .好肇奪の空突き:疲れてくるとストックを多用して、体重をかけるようになるが、一度谷側の草の下に地面が無いところに突いて、谷に滑落しそうになった。これは普通の登山でもときどきあること。過去に何回かやってます。今回も1度だけヒヤッとしました。 給水や行動食を補給しながら歩いて滑落。一瞬足元が疎かになって足の置き場をミスするととんでもないことに。良くあるのはつづら折りの先が崖になっていて、そのまま突っ込んでしまうケース。特に下りでスピードがついている時は要注意です。 L犬任瞭嗣造ぁL詒召縫魁璽江絨貳峭發せ海砲かるところで霧が出て、先行者がルーファイできずに道を譲られた。過去に歩いているコースなので霧が出ていても平気だったが、夜のヘッドランプの細い光では遠くが見通せないのでルーファイも昼間よりは難易度が高い。 ☆飲食店☆ ゴール地点にもサポートのテーブル有り、食べ物、飲み物もある他、KIOSKと呼ばれる売店あり、購入も可能。チェックポイントは充実している飲み物は水、コーラ、ポカリ、スープ、コーヒー、紅茶。食べ物はオレンジ、バナナ、パン、ロールケーキ、チョコ、ビスケット、カップヌードル、クッキー等。ボーイスカウトとボランティアが運営していてキビキビとサポートしてくれる。行動食をほとんど持参しなくても大丈夫だ。 |
写真
感想
一応過去にコースの大半は4回に分けて試走したものの、あまりトレーニングを積まずに突入してしまった本番。前半から早くも不安が的中する。目標は控えめの26時間。途中走れる区間があるとは言え、時速4kmを維持するのは結構大変だ。
【スタート前】
レースキットの配布は当日も行われている。この辺が外国レースのおおらかさ。ドロップバック預けは早め吉。6:30-7:30だが開始直後に預けて並びは無し。ギリギリになると長蛇の列。スタートは一応ゴール予想時間毎に並ぶことになっている。参加者は1200名ほど。半数以上が海外からの参加とのこと。ゼッケンに国旗が印刷されどこからか判る。日本からの参加者や自分のように香港在住の日本人もちらほら。スターターはボランティアのお母さん。何故と思ったが、皆さんのお母さんを代表してうちの母が皆さんのレースの安全を祈念してスターターになりますとのこと。なかなかの演出だ。
【スタート〜チェックポイント(以下CP)1】
最初は舗装道路から入り、すぐにトレイルに入る。ここで渋滞。参加者1200名で完走者は500名強。なかなか手強いレースだ。参加者の足元を見るとトレランシューズを履いている人が多いが、ランニングシューズもちらほら。自分は前半はスピード重視でランニングシューズ、後半は山区間を考慮してトレランシューズにした。CP1までは順調。天気も良いし、楽しいレースになるという予感だった。
【CP1(21km)〜CP2(28km)】
実際途中の海岸ではスタートの所にいたサメの着ぐるみ着たスタッフが激励してくれる。ゼッケンに名前が書いてあるし、国旗があるのでファーストネームで日本語で「○○さん、頑張ってと」と応援してくれる。これではテンションはアップするに決まっている。ところがCP1を過ぎて早くも異変が。長いレースや山行のときはときどきなるのだが、早くも左足内転筋が攣った。それはいつも突然やって来るのだが、今回は早すぎ。すぐにストレッチして対処するが、この間2回ストップした。過ぎ行くランナーが心配して声をかけてくれる。
【CP2(28km)〜CP(36km)】
この辺りは美しい海岸線を通るので普通のハイキングであれば癒されるコースだ。攣った内転筋はなんとかごまかしたが、次なる異変が。大きな石を避けて大股でステップして足を着いた瞬間に今度は右足のふくらはぎがこむら返しの状態に。一瞬アキレス腱が切れたかと思う程の衝撃。本当に瞬間的にカチカチになってのたうち回った。隣には同じように、足を攣らせて座りこんでいる参加者がいた。お互いにやっちまったねー、みたいに顔を見合わせ苦笑する。
【CP3(36km)〜CP(45km)】
CP3ではゆっくりストレッチして、次の区間はそれほどアップダウンないので行けると思ったら、最大のピンチ。この区間はMTBのサイクリングコースになっているので走るのには申し分のない設定。よし行けると思い、少しずつ走ったのがまずかった。登りの舗装道路の区間で今度は左の腿裏が攣った。まさにカッチカチやで〜という状態。とても歩ける状態ではない。やばいと思って道ばたの木にすがってストレッチ。そこにまさかの女神登場。後ろから来た中国の女性ランナーが、「どうしたの攣ったの、大丈夫?どこの部分?」(実際には北京語だったのでたぶんそんなことだろうと思うが定かではない)と聞いてきた。「腿裏が攣った。」と英語で返した。するといきなり、自分の腿裏をガバッとつかんでマッサージを施してくれた。痛気持ち良い。(決して変な意味ではありません。)「もう少し内側」と言うと。「ここ?この辺?」みたいな感じで北京語と英語とかみ合っていないがなんとなく通じるみたいな感じ。おかげで回復したので「後は自分でなんとかするから先に行って」と言いわかれたが、心配して同じ中国の年配のランナーに見ててあげてと言ってくれた。そして自分がスタートするまで男性ランナーがつき沿ってくれた。ボランティアのドクターランナーなのかなと思った。一瞬ここで終わったと思ったが彼女のおかげでなんとか復帰できた。
【CP4(45km)〜CP5(52km)】
CP4ではさっきの彼女が休憩していて自分の顔を見るなり、「足大丈夫?継続できる?」みたいに声をかけてくれた。「お陰様でなんとか行けそうです。」と返した。たぶん通じていると思う。入念にストレッチして、次の山岳区間に入る。ここの登りは前半の山。攣ることもなく登りでは何人も抜かした。登りでは大股でガシガシ登っている人が多いが、すぐにバテるようだ。直登の場合、細かいステップを切りながらペースを維持するのが正解。大股で登ると大腿や、ふくらはぎの筋肉へのダメージが大きいし、呼吸も乱れる。
【CP5(52km〜CP6(63km)】
CP5ではカップラーメンの列で一緒になった日本人のEさんと会話。少し気が紛れた。休憩30分とり、熱いカップラーメンを啜る。着替えも済ませ、靴もトレランシューズに取り替え、ストックも準備し山に備える。ここからの後半は一番きつい箇所。人もばらけて真っ暗な闇を孤独に耐えながら黙々と進む。足はなんとか回復し、後半はダブルストックを多用し、負担を軽減した。
【CP6(63km)〜CP9(90km)】
風が出て気温も下がる。10度以下に感じる。気温によっては防寒着無しでもと思っていたがとんでもない。無しでは低体温症になってしまう。ところが不思議なもので前後していたランナーは半袖。どういう皮膚感覚なのだろう。CP6からは残り時間を計算しながら目標タイムを24時間に切り替える。足の痙攣は問題ない。登りでは先行者をどんどん抜くが、下りで抜き返され結局はチャラ。下りは躓くのが怖くて足が出ない。
【CP9(90km)〜GOAL】
香港で一番高い山を目指す最大の難所。最初から急登が続く。登り一方なので、先行をどんどん抜いて行く。平坦な区間はゆっくりだが走る。シングルトラックだが根っこもそれほどないので走れる。足の攣りは完全に治まったので休憩でストレッチのみで対応する。大帽山の登りで霧が出る。ヘッドランプが弱くルーファイに苦労するが、先頭を譲られてしまったので仕方なく自分で見つけながら進む。疲労がたまっている時にルーファイで頭使うのはしんどい。大帽山手前でヘッドランプが弱くなり、ハンドライトを併用、ストックはシングルに切り替え。そこからは舗装道路。走りを交えてスピードアップ。結局修正目標の24時間も大幅に短縮し22時間23分でゴール。
【ゴール後】
24時間以内で完走するともらえる銅賞をいただいた。体調が今一つだったのであまり達成感は無かったが、途中で忽然と現れた女神のお陰でなんとか完走できた。ゴール後にお礼を言おうと思い探したが見つけられなかった。また途中のポイントで励ましていただいたEさんのゴールを待とうと思ったが、シェルが汗で濡れて帰りに着れなくなり薄いシャツしか着ていなかったので寒くて仕方なく20分程待ってお先に失礼した。サポート体制は極めて厚く、安心して楽しめるレース。来年はもっと体調を整えてチャレンジしたい。
トレイルランニングレース#3
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