太平山奥岳 南又沢右岸尾根往復
- GPS
- --:--
- 距離
- 17.5km
- 登り
- 1,304m
- 下り
- 1,304m
コースタイム
天候 | 晴れのち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
温泉宿泊施設「ユフォーレ」の手前で左、丸舞林道を入っていきます。1kmぐらいのところで除雪は終わっていて、車を止めました。そこから林道を2.5km近く歩き、登山口へ(岩見三内口)。最初に南又沢の橋を渡り、その後登山道は北ノ又沢沿いに付けられていますが、雪のため沢沿いはまだ歩けそうになく、尾根に取り付きました。この南又沢と北ノ又沢に挟まれた尾根は一般登山道はありませんが、踏み跡は明瞭でした。上部はまだ1m以上の積雪で覆われていたので踏み跡の状況はわかりませんが、必ずしも積雪期限定のルートとは言えないでしょう。 |
写真
感想
秋田市郊外にそびえる太平山は、最高峰の奥岳でも標高は1,170mしかない。だが、最もポピュラーな旭又口への道路が雪に閉ざされている時期に奥岳に立つのは、簡単とは言えないだろう。奥岳は雪崩の頻発する険しい沢に囲まれており、その上尾根に取り付くまでは長い林道歩きを強いられる。地図を見ていてこの尾根に着目はしていたが、長すぎて自分にはちょっと無理だろうと思っていた。そろそろ細い尾根の雪は崩れそうな週末、本当は奥羽山系に行きたかったが、太平洋側が曇りそうなので取りやめ、天気の持ちそうな太平山へ向かった。
予報では秋田市の最高気温はなんと20度になるという。出発時は少し寒かったが、Tシャツの上に山シャツのみという薄着で出発する。驚いたことに除雪終了地点に車が一台止まっていて、林道にトレースが延びている。もうこっちからも登っている人がいるのかな・・と思ったが、足跡は登山口を過ぎて林道を奥に向かっていた。登山口からは足跡はなく、沢へ下りて南又沢の橋を渡る。登山道は南又沢と北ノ又沢の合流点から今度は北ノ又沢沿いに付けられているのだが、やはり沢沿いはまだとても歩けそうにない。予定通り尾根の突端から取り付いて登り始める。
尾根にはヒバなどの針葉樹が多く、踏み跡が付いている。時折残雪が現れたり倒木に遮られたりする尾根沿いの踏み跡を、枝をかき分けながらかなり忠実に辿る。奥岳の山頂は見えるが、ぐるっと回り込むような尾根で先は長い。お昼頃までに山頂に立てるのか?せめて主稜線に上がりたいが・・と思う。標高500m近い北ノ又沢支流源頭部付近で見事なブナ林が出現した。ここでワカンを付ける。
小さなアップダウンを繰り返し、標高700〜900mにかけての急登を喘ぎ喘ぎしのぐ。気温は高く、雪面は腐って体力を消耗するが、右手に見える御衣森(みそもり 1,000m)の三角形や遠く白子森の堂々とした姿がとても印象的で、来て良かったと思う。標高900m付近から細い雪稜が現れ、慎重に通過する。右手の南又沢支流、シメ沢へは斜面も見えず、雪崩の跡が沢底に見える。左手の鬼子沢へも急斜面で、落ちたら止まりそうもない。だが今のところ風はなく、眺めはすばらしいのでつい立ち止まる。
主稜線への最後の急斜面を登り切り、1,054ピークの西側鞍部に立つと、奥岳から北の肩である旭岳にかけての東面および旭岳南面の美しい斜面が目に飛び込んでくる。ピークを一つ越えればもう奥岳山頂への一枚バーンだ。一歩一歩味わいながら、誰もいない奥岳山頂に立った。
あまり見ることのない奥岳の東面、遠く白子森へ続く郡市界の山並み、そしてそれに続く太平山地の平らな山々・・秋田県の中央部でありながら、この奥深さはどうだろう。地味過ぎて注目されることの少ないこれらの山域を、これから少しずつ歩いてみたいと思う。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
6:10出発、久しぶりのロングで気合入ってましたね
冬季限定の長大な枝尾根を豪快に上りきる、まさにkamadamスタイル。秋田の名山のバリルートをじっくり楽しませていただきました。
適切な山の紹介、ルートの詳細、そしてここを自分が歩くモチーフ(動機)がきちんと押さえられ、感傷的なものをセーブして書いてているのがkamadamさんのレコですね。私の好きな山行記録です。
それにしても「御衣森」、なんですか、これは?主稜線に出て右折したくなったんじゃない?
大展望のロング山行、お疲れでしょう。ゆっくりお休みくださいね
コメありがとうございます。ホントは奥羽山系に入るつもりで気合入ってたんですが・・ 冬靴も購入して 結局いつもの長靴オヤジスタイルになってしまいました
みそもり、目立つ山でしょう 傾斜はきついけどなんとか登れそうにも見えました。でもこっち側はアプローチが悪くてなかなか大変そうです kiyoshiさんも悠々自適になったらぜひこちらにも
かなり長い間温めておられたルートと感じました
広いブナの森からナイフリッジまで変化に富んでいていいコースですね。
この日は午後までお天気持つかなと思って僕は山歩きしませんでしたが、さすがはkamadamさんですね。
こういう日は太平山系に限るわけですね!
嵐の前の静けさとはこの事か、と思う程穏やかなお天気でしたよね。
僕は登山口の下見しに山形方面に出かけておりました。
いつかは太平山。
後学のためお気に入りに入れさせて頂きます
お気に入り登録、恐れ入ります 下山時、多少の枝をかき分けながら、これは雪の無い時期もtooleさんが歩くのにピッタリじゃないかな・・なんて思っておりましたよ
もちろん刈り払いはされていないものの、林業関係なのか、キノコ採りのものなのか、踏み跡は結構明瞭でした。ブナの幹にペンキマークがあったり、名前が彫られていたり・・人は入っているようです。
実は若い頃の遭難騒ぎで登ったのはこの尾根なのです、途中から。その時は藪も酷くなく、意外と登り易かったのを覚えています。もう25年ぐらい前のことですがね・・
予想外のナイフリッジが現れたりして、確かに変化に富んでいました。スキーで登るなら昨年私が登った鶴ヶ岳への尾根がお勧めですが、この尾根はスキー向きとは言えないでしょうね
山に登らない日も下見・研究を怠らないtooleさんこそ、さすがです
いつもながら読み応えのあるレコです。
崩壊寸前のナイフリッジ、これは怖いですね。慎重にならざるを得ません
へタレな私は怖気づいて引き返してしまいそうですが
それにしても行程が長いです!kiyoshiさんやtooleさん同様、私も「これこそkamadamスタイル」と思いましたよ。もちろん、半日のレコでも十分に楽しませていただいています
kamadamさんのレコをより深く味わうために、私も太平山を歩く必要がありそうです。
是非とも行きたくなりましたよ
読み応えのあるレコとのお言葉、恐縮です 素直にウレシイです でもkiyoshiさんやtooleさんだったら半日で登り終える山をいかにも大変そうに書くのが、このオヤジスタイルかもよ
でも私のレコを読んでモッケさんが秋田遠征にいらっしゃる、そのきっかけとなるならうれしいですね 太平山は花は目ぼしいものがないですから、やっぱり天気のいい日に展望を楽しみにいらしてください。モッケさん大好きのスリルも期待して
泊まりなら、さとみ温泉はもちろんいいですが、馬場目岳の山頂小屋なら新築でタダです
こんにちは、お久しぶりです~。
秋田市に引っ越して、太平山地を見上げながら日々過ごしています。
今年は太平山に登らねば。。と思っていたところにkamadamさんのレコ!
あの白い頂の上にkamadamさんが立ってたんですね~。
私も、もっと人気出ても良さそうな山域と思うのですが。。
春先に馬場目岳にも行ってみたいな、と思っています。(^−^o)
コメント&拍手、ありがとうございます。regu-lusさんは仙北平野から秋田市に引っ越しされたんでしたね。この冬の秋田市は大雪で大変でしたね〜仙北と変わらず連日の雪寄せ作業、道路は大波状態・・ お互いお疲れ様でした
今日は日中、生憎の天気になりましたが、朝は太平山がくっきり見えていましたね。まだまだ白い部分が多くて、高さを別にすれば北アルプスみたいにかっこいいな〜と、私も思います。
太平山はとても人気がある山なのでしょうけど、ヤマレコ掲載が泉ケ岳や岩手山と比べるとホントに少ないですね。regu-lusさんもレコ、ぜひ載せてくださいね
当日朝は広域農道を通って岩見三内に向かったのですが、信号を右に折れて間もなくの沼で、おびただしい数の白鳥を見ました。秋田市からだと岩見川を渡って二つ目の信号を左に折れて間もなくです。ここは穴場として子供が小さい頃に連れてきたこともあるのですが、当日はその数に驚きました。夜の間ここで羽を休めて、これから落穂を食べに飛び立つ、その前だったのでしょうかね・・
ヤマレコは山登りのレコだけではなく、いろんな人・レコが入り混じっているのがおもしろいところ。regu-lusさんの鳥を前面に出したレコは異彩を放っていると思います。私はまったく知識がないので気の利いたコメントは書けませんが、これからも注目させていただきますよ 楽しみにしています
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する