北横岳〜大岳〜双子山(ファーストトレース付けるも蓼科山は断念)


- GPS
- --:--
- 距離
- 16.1km
- 登り
- 513m
- 下り
- 1,401m
コースタイム
→大岳11:16-33→双子池下降点11:38→天狗の路地12:10→双子池12:48-13:07→双子山13:55-14:10
→大河原峠14:22-26→亀甲池分岐15:05→竜源橋16:21→プール平駐車場17:26
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
帰り プール平駐車場(100台ぐらい可能) ※蓼科温泉プール平に車を置き、八ヶ岳ロープウェイまでバスで行き 北横岳・大岳・双子山・蓼科山を縦走する計画だった。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【坪庭→北横岳】 坪庭遊歩道は除雪済で乾いている。 北横岳ヒュッテへのジグザグ急登は踏み固められて雪は硬い、 早朝は軽アイゼンやチェーンスパイクがあると良いかも。 【北横岳→大岳】 崖下の樹林帯まで踏み跡があったが、七ツ池方面へ向かう間違ったもの。 尾根沿いに進む正規ルートは全く踏み跡は無かった。 雪が大量にあって無雪期より歩き易いが、樹林帯は赤テープ等少なく ルートファインディング必須。岩稜帯に出ると大岳のピークが見えてわかり易い。 【大岳→双子池】 全くトレース無し、ルーファイ難航。濃い樹林帯の急斜面を下降する。 赤テープ等少なく、さらに倒れた枝でテープが隠されてるところが多い。 短いが40度クラスの急斜面多く、踏み抜きもあり、非常に困難なルート。 トレースが無い場合にはうかつに単独で入らない方が良い。 【双子池→双子山→大河原峠】 双子山への登りは古い踏み跡があるがすぐ消えて、途中からルート判別困難。 適当なところを登った。正規ルートが分からず、地形図で見るよりキツイ。 大河原峠への下りは短くて楽、踏み跡もあった。 【大河原峠→竜源橋】 最初はあたり一面の大雪原で気持ち良く好きなところを歩ける。 途中から笹ヤブが出て来て歩きにくくなり、正規ルート判別困難。赤テープ少ない。 登山道は不明でも、ほぼ谷沿いに降りるコースなので方向を外すことはない。 蓼科山から大河原峠経由で竜源橋へ下山した単独登山者の踏み跡があった。 【竜源橋→プール平(信玄棒道)】 緩い林道歩きが長いが、自然林や唐松林が見事。 途中で親湯温泉への道標に従いプール平へ降りる。 ※全コース、ノーアイゼンで問題ありませんでしたが、急斜面の下降も多く 早朝は凍結の可能性もあるので軽アイゼンは持参した方が良いと思う。 北横岳付近の登山者の半分以上は10本クラスのアイゼン装着していた。 |
写真
感想
久しぶりの北八ヶ岳遠征に行ってきました。
積雪期の北八は公共交通の便は非常に悪く、なかなか日帰り縦走は難しい地域です。
日帰りだと一般的に、マイカー利用でもピストンが普通ですが、
今回は蓼科温泉プール平に車をデポし、八ヶ岳ロープウェイまでバスを使い、
北横岳→大岳→双子池→大河原峠→蓼科山→蓼科温泉のロングコースを計画しました。
残雪期の日帰りとしては、かなりハードなコースですが、
蓼科山をパスして天祥寺原経由竜源橋へのエスケープも可能です。
実際、予想通り厳しいルートで蓼科山には時間的にとても登れませんでした。
なお、積雪期の北横岳〜双子池付近のルートは北斜面で雪深く
濃い樹林帯と急斜面、トレースなど無くて当たり前、赤テープも少ないので
雪山初心者向けと言われる北八ヶ岳では難易度の高いルートです。
私の場合、過去(かなり昔)に積雪期に歩いた経験がありますが、
昔のことなので全く当てにならず、かなり苦戦しました。
以下 行程概略
八ヶ岳ロープウェイ(旧ピラタス)に着くと、ロープウェイを使わず登るか
一瞬迷いましたが、何しろバスの時刻が遅く、既に9:00になろうとしてました。
今日のコースは残雪期でトレース無しの可能性が高いため、先が見えません。
安全第一、時間節約のためロープウェイ使うことにしました。
時間が遅いのか登山者は少なく、乗客の大半は観光客でした。
北横ヒッテに向かうジグザグの急登は多くの登山者に踏み固められて硬くなっていました。
登りでは特にアイゼンは必要とは思えませんでしたが、雪道が苦手な方は軽アイゼンが有効です。
実際、多くの登山者は10本クラスか軽アイゼンを装着しているようでした。
ヒュッテ前の広場に出ると真っ青な空と真っ白な雪、北八とはいえ、久々に雪山気分です。
雪目防止にサングラス、日焼け止めクリームを塗りたくりました。
僅かな急登で北横岳、相変わらずここは風が強いです。
真っ白な北ア連山、白い雲ように霞の上に浮かぶ御嶽、雄大な南八の向こうには甲斐駒・北岳、
わずか40〜50分の登りで絶景360度、北横岳は人気があるわけです。
さて、ここからが今日の本番です。
眺めの良い細尾根を少し歩くと崖のような急斜面を回り込むように降ります。
二、三人のものと思われる踏み跡が続きますが、しばらく行くと七ッ池方面に降りていました。
間違ったのでしょうか。ここには七ッ池に繋がるルートは無いはずです。
私は過去の記憶と地形図を照らし合わせて尾根伝いにやや東にルートを取ります。
少し行くと赤テープがありました。やはりこちらが正解でした。
ここは二重山稜なので気を付けなければいけません。
てんこ盛りの雪に覆われた樹林帯は見通しが効かないので赤テープがたよりです。
しかし、意外とテープも赤布も少ないです。
樹林帯が薄くなり岩稜帯に出れば安心です。
前方に大岳の岩山が見えますので、晴れていればルートを誤ることはありません。
雪に覆われて歩き易くなった岩稜帯を登って無事大岳に到着です。
途中、少し戻ったりルーファイしたりで30分オーバーでした。
風を避けて岩陰で軽く昼食です。
まだ白く凍っている雨池が眼下によく見えました。
今日の核心部双子池への下降点へ降りようとしたところ、
北横岳ヒュッテ泊りという女性単独者がピストンで来ました。
小屋情報では大岳へはトレース無いと聴いていたそうですが、
私のトレースを辿ってきたとのことでした。
この時、トレースの無いところを歩くときは経験済ルートとはいえ
事前に小屋から情報を得るべきだった、とちょっと反省しました。
来たルートを少し戻って、双子池下降点に着きました。
もちろん、動物の足跡さえ無いまっさらの雪原です。
その雪原は急斜面となって暗い樹林帯の中へと落ち込んでいます。
目を凝らしても赤テープは見当たりません。
「いきなりこれかよ、どこを降りゃいいんだ!」そういう気持ちでした。
なんとなく木の間隔の広いところを見つけ恐る恐る降りて目を凝らします。
何とかくすんだ赤色の古いテープを見つけました。
この後、深い樹林帯の急斜面を、こんなことの繰り返しでノロノロと降ります。
ルートさえはっきりしていれば、双子池まで一気に駆け下りたいところですが、
方向を外すとえらいことになりますので、慎重にも慎重を重ねて降りました。
こういうルートを歩く場合、現代登山ではGPS必須なんでしょうね。
私の場合、超アナログ、昔の旧登山者のままなので地形図とコンパスです。
急斜面を終えて、天狗の露地という見通しの良いところに降りました。
ここまで何とか道を誤らずトレースを付けることができました。
何しろここで変なトレースを付けると後に歩く人に迷惑をかけることになります。
天狗の露地での道標はしっかりと雪から出ていましたので助かりました。
樹林の隙間から双子池ヒュッテが見え隠れしてホッとしたのもつかの間、
ここからの下りもなかなか手ごわかったです。
一ヶ所、赤テープが見つからず、降りる方向もわからず、
樹林の開けた見通しの良い雪原の方向に引っ張られて50mほどミスルートしました。
明るい方が正しいルートとは限らないものです。
小さな赤テープが、木の枝が倒れ掛かった密林の中にありました。
ミスルートの踏み跡は最初の10mほどをストックで均して整地します。
そして正しいルートの方を意識的に強く踏み込みトレースを作ります。
こんな作業にも時間がかかりました。
やっとのことで静寂の双子池にたどり着き、再び軽い昼食。
池は雌池も雄池も白く凍っていました。
こんな素晴らしいところでゆっくりできないなんて残念ですが、先を急ぎます。
既に計画の1時間近くオーバータイムです。
もうここで蓼科山は無理と悟りました。
蓼科山の北斜面は相当な残雪と思われます。
気は楽になったものの、楽勝だと思っていた双子山に予想外に時間を費やし
ここで1時間30分オーバーとなってしまいました。
昔、楽勝で登った記憶が仇になりました。
ほんとうに昔の記憶は当てになりませんね。
草原の双子山からは蓼科山が大きいです。
北横岳から大岳、そして双子池への歩いてきた深い森が見渡せます。
中腹の雪の斜面に自分のトレースが刻み込まれているのを発見して
ちょっと嬉しかったです。
無雪期はドライブ登山で賑わう大河原峠も静寂につつまれていました。
蓼科山方面から降りてきたと思われるトレースがひとつふたつ。
白樺湖へ通じる林道は雪で山の斜面の一部と化していました。
大河原峠からは天祥寺原を通って竜源橋へ降りる。そして信玄棒道で蓼科湖へ。
もう先が見えたと思いきや、亀甲池分岐付近から下は登山ルート不明。
笹が至るところに出ていて、ルートが分断されています。
まぁ、ここは沢沿いに降りていけば自然と竜源橋方向に行けるので問題はないです。
とにかく歩きにくいのひと言です。まっすぐ歩けません。赤テープも少ない。
1900mぐらいからでしょうか。雪が少なくなり登山道を普通に歩けるようになりました。
久しぶりに履いた重たい革の登山靴で足に疲労が溜まった頃、
車の轟音ひびくビーナスラインを横断、
林道のように立派な信玄棒道を延々と歩き、道標に従い立派なホテル親湯脇へ。
後は車道をてくてく歩いてプール平に無事到着しました。
北横岳の北斜面ルートは大河原峠に林道が開通するまでは北八としては
難関ルートだと思いますが、やけに赤テープ・赤布が少ないです。
なぜか?
それは深い樹林帯とはいえ、無雪期は迷うはずのない普通のルートなのです。
天祥寺原でも赤テープが殆ど見当たらず適当に歩きましたが、
雪が無ければテープなど必要のない立派な登山道なんですね。
雪の樹林帯ルート恐ろしや。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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ルートを登録する
yamaheroさん、こんばんは。
最近ちょっとだけ八ヶ岳方面の地図とかも見ている
のでここら辺りだというイメージは出来るのですが
今回のルートは全くイメージできず、後で地形図を
ゆっくり見させてもらいます。
>ミスルートの踏み跡は最初の10mほどをストックで均して整地します。
そして正しいルートの方を意識的に強く踏み込みトレースを作ります。
さすがです。
私は富士山の麓・中腹ぐらいしかノートレースの所
を歩いたことはありませんが、このようなこと考えた
ことがありません。
でも、自分の行動を振り返ると踏み後があると行っちゃい
ますよね。
また、新しい知識を頂きました。
ところで、二重山稜というのはどういう地形のこと
なんでしょうか。
すみません、質問箱にようになってしまいましたね。
millionさん、こんばんは。
最近、遠いとか交通費がかかるからとか言って
全然、八ヶ岳行ってない自分が言うのも変ですが、
北の蓼科山から、南の編笠山まで広いエリアに
多くのピークがあり、中々おもしろい遊び場なんです。
今のmillionさんを見てると、八ヶ岳南北全山縦走チャレンジするのも近いのでは?
ヤマレコでもたまに見かけますが、50歳台でやった人って
たぶん、まだ居ないんじゃないですか。
ミスルートは強硬突破して目的地まで行ってしまったら
仕方がないですが、
できる限り訂正して後から来る人が入らないように
しなければならないですね。
私などもポケっとしてて、「明瞭だから」というだけで
目的の方向と違うトレースに行ってしまうこと多々あります。
山は自己責任だから追随する方が悪いという考えもありますが、
経験ある岳人なら必ずしもそうではないと思います。
今回は、最初から中々トレースの付かないルートなので
「自分が最初に正しいトレースを作ってやろう」
なんてひそかに思っていたので当然といえば当然なんです。
そんなこと考えてて、とんでもないトレース付けてたら
恥ずかしいですからね。
二重山稜とは、同じような尾根が二つ並んで平行に走っていることです。
なので、その間は窪地のような地形になります。
見通しの効かない樹林帯では尾根を間違え易いですね。
北横岳〜大岳間が正確にそうであるのかわかりませんが
私にはそのように見えました。
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