頭布山敗退 下頭布まで
- GPS
- 13:38
- 距離
- 11.4km
- 登り
- 1,285m
- 下り
- 1,366m
コースタイム
天候 | 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2021年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
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コース状況/ 危険箇所等 |
雪はほとんど拾えず、ずっと藪漕ぎです。 |
写真
装備
個人装備 |
ピッケル持参しましたがただのお荷物でした。渡渉を想定し長靴にしましたが失敗でした。
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感想
昨年頭布山の存在を知り、準備そこそこで挑んでみたが、カンニャゴエ西沢を見ることもなくクリコ沢を越えたあたりまでで挑戦は終わり、雪の光兎山越えで帰還。あれから1年、やはり頭布山が気になる。いろいろ文献を探し、攻略法を考えてきた。
参考になったのは、新潟日報事業者刊の「越後百山」(佐藤れい子著)だ。著者らは無雪期にカンニャゴエ西沢越えのルートを8時間50分で日帰りピストンしている。この時間は無理としても12時間くらいかければ往復できるのではないかと考えた。
しかし頭布山は甘く無かった・・・少し長くなるが振りかえってみることにします。
1.林道から取付き
・昨年は林道の最終地点まで前進し、踏み跡があるはずの標高まで無理やり進んだが、激藪で進路を断たれ無駄に体力をロスした。過去ログや文献を見ると、踏み跡のある明瞭な道があるという。今回はその取付きを見付けた。
2.取付きからカンニャゴエ西沢
・取付きからしばらくは藪も薄く薄い踏み跡らしきものがあり、クリコ沢までは苦労しなかった。クリコ沢を越えてからは、踏み跡も消え藪も濃くなった。カンニャゴエ西沢までの尾根越えは急勾配。沢筋をへつり、眼下に藤沢川の崖が迫る危険なトラバースで尾根を越える。
3.カンニャゴエ西沢から下頭布北尾根
・カンニャゴエ西沢の左岸から右岸側へ渡る場所を探すが、両岸ともゴルジュになっており、下りれそうな場所が見つからない。唯一下れそうな場所を見付けそこから慎重に沢へ降りる。沢は水量が多く渡渉も困難と思われたが、飛び石になっている箇所があり渡渉成功。渡渉後の右岸から尾根に上がるのが更に難関。急峻な上に岩が脆く更に藪も薄いために手掛かりが無い。かなり危なかったがなんとかやり過ごし下頭布北尾根の稜線へ出る。
4.下頭布北尾根から下頭布
・北尾根に出ると藪が薄くなり、しばらくはラクして進む。それも10分も続いただろうか、次第に背丈ほどの藪漕ぎとなり前進を阻まれる。雪を拾えたのは1,2か所。厳しい藪漕ぎが続いた。
5.下頭布からカンニャゴエ西沢源頭部
・下頭布からは中頭布、奥頭布、頭布山への稜線を眼前にはっきりと捉えることが出来た。登山道のついている道ならば2時間ぐらいの距離と思われた。しかしアップダウンがきつい上、更に藪漕ぎの困難が待ち受ける。時間的にも体力的にも頭布山登頂は無理と判断。問題はどうやって帰るかだった。来た道を戻るのはカンニャゴエ西沢への降下とその先クリコ沢までの沢筋のへつりが、疲労のたまった復路ではますます困難と判断。下頭布の西にピラミッドのようにそびえる光兎山のピークを目指し、頂上に出れば一般登山道で安全に下山出来ると考えた。下頭布から光兎山への鞍部に下るまでの藪漕ぎは猛烈。尾根は下れそうも無く、沢筋の雪渓を下り尾根の脇をトラバースするようなルートで下ったが背丈が高く太い藪で困難を極めた。ここの突破で相当体力をロスした。
6.カンニャゴエ西沢源頭部から光兎山
・下頭布から光兎山を見たとき、雪がついていない唯一山頂まで繋がっているラインがあった。密藪でどう見ても人が通れそうな場所に思えない。しかし雪がついていない場所以外は雪崩れ地帯だ。藪のラインを進むしかなかった。勾配は急で激藪、標高を上げてもずっと密だった。体力は無くなり水も底をつき始め熱中症の症状が出始めた。体がしびれて動けなくなってきた。途中、岩がむき出しのロッククライミングのような場所があり、そこを越えられるか自信が無くなった。余力十分の隊長に先導してもらい攻略。この岩を越えて頂上が見えても藪は寸分の隙間なく前進を阻み体力を奪った。そしてどうにか光兎山到着。
7.光兎山から下山
・光兎山の頂上に着いた途端、安堵感からその場所で仰向け大の字になった。頂上には自転車を担いで登ってきた先客がいた。今日山中で出会った唯一の人だった。山頂で体力の回復を待ち、回復はしなかったがどうにか歩けそうだったので下山。全く体が言うことを聞いてくれず亀の歩みだった。明らかな脱水症状だった。田麦へ降りて長い林道を歩く余力が残されておらず、比較的ラクな千刈へ先に降りて隊長に車で拾ってもらうことにした。なんとか明るいうちに千刈の県道に下山。その後隊長にピックアップしてもらい帰路についた。
※所感
・あらためて頭布山の無雪期日帰りピークハントは、達人のなせる業だということを再認識させられました。
家に帰り服を脱いだら、アザだらけ傷だらけで体中酷いことになっていました。少しの藪漕ぎは楽しいものですが、10時間越えるとダメージ大です。
頭布山。見た目は穏やかですが決して簡単に人を寄せ付けない。近そうですが果てしなく遠い場所のように思えました。
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