赤岳
- GPS
- 09:22
- 距離
- 14.4km
- 登り
- 1,335m
- 下り
- 1,339m
コースタイム
過去天気図(気象庁) | 2018年01月の天気図 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
日本人にとって元旦の日の出と富士山は縁起が良いものとしてされてきた。
ここ最近は初日の出フライトというものもある。
元旦の初日の出といえばヘリコプターから映される太陽と富士山がセット。
どこも日の出と富士山だ。
せっかくならこの目でその両方を見てみたかったが実家の方角ではせいぜい夕陽と富士山が限界だろう。
そこで八ヶ岳に登ることを考えた。
ここなら障害になる山もなければ方角的にも富士山と日の出を見られる。
寒さに耐えられれば。
今回は最短の地蔵尾根から登るルートを取った。しかし登っている時は汗をかくほど暑いのに
赤岳鉱泉に着くと冷え込んでしまい寒すぎる。
ラーメンを食べようにも風除けもなければ気圧も低く沸騰しない。
数分で良いから建物に入りたいと思いつつ入れなかった。
極寒の中、下着だけを着替えて登頂時間を計算してサミットプッシュ。
すでに足の感覚は無いに等しく足首を伝わってくる振動のみが確実に雪道を捉えていることの
証拠でしか無かった。
手袋をしていても寒い。両手はレインウェアに突っ込んだままだ。
赤岳に至る稜線に出ると西の空が明るくなっていった。
だが小屋に作られたエビの尻尾がその過酷さを物語っている。
何としてでも山頂で日の出を見たい。止まらない震えと戦いながら山頂を目指す。
そして山頂に着いて待つこと数分。
太陽が顔を出し始めた。
モルゲンロートと呼ぶに相応しく、周囲のガスが日の出の紅に染まっていく。
あれだけ寒かったのが嘘のように体温を取り戻していくのがわかる。
震えは止まらないが手先が痛くなってきたからだ。
しかし依然として足先の感覚は無い。
山頂から富士山と日の出がセットで見えたが手が震えてピントが定まらない。
撮りたいものを撮れない虚しさがただただ風と共に体を筒抜けていく。
すでにスマホの電源は寒さで落ちている。
気温-15℃、体感温度は風があるため-20℃ほどある。
撮りたいものだけ撮って下山の路に着いた。
往路より寒さは減ったもののやはり足の感覚が無い。
凍てついた沢を横目に歩みを進めると段々と足先の痛みが出てくる。
感覚が復活してきている。しかし、指が黒くなっているのかは経験が無いので分からない。
夏場は良い水場のここも厳冬には勝てないのだ。人間の末端神経なんて水の流れを状態変化で止めるより容易だろう。
痛みを伴ったまま美濃戸口の駐車場に到着し靴下を脱ぐが足先は何とも無い。
本当に良かった。
またしても山の神様に救われたと思った。
同時に厳冬期の山に入るのはしばらく止めようとも思った。
そんな私の初日の出への祈願は安全に過ごすことだった。
八ヶ岳にはこれを含めて4回登っているが、今回が初YAMAPだった。
今回はランドマークがついてないのでまた獲得しに来る必要がある。
八ヶ岳は道のりが辛いが飽きない。天候さえ良ければ良い遊び相手になる。
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